今回は「定番カルトムービーまとめ」として映画マニアに傑作と評価されている、定番カルト映画を一挙ご紹介します!
カルト映画とは?
カルト映画とは多くの人に受け入れられる作品というよりも「狭く深い熱烈なファンをもつ」映画をいいます。
個人的には他の映画ではとても見られないような個性的なストーリーやキャラクター、設定がある作品がカルト映画になりやすい気がします。
ちなみにカルトのもともとの意味は「崇拝」のこと。
そんな魅力いっぱいのカルト映画。
その中でも押さえておきたい評価の高い、傑作と呼ばれる定番カルト映画を一挙にご紹介します!(ちょっとトホホな評価ゆえにカルト化した映画もありますが・・・)
カルト映画01 気狂いピエロ
ジャン・リュック・ゴダール監督、ジャン・フェルナンド、アンナ・カリーナ出演のロードムービー。
予期せぬ殺人からの逃避行する二人の日常とすれ違いを描いています。
ゴダールらしい映画内メタなどの演出も健在。初期ゴダール映画の傑作です。
衝撃の大爆発のラストシーンは必見。
カルト映画02 マタンゴ
邦画でカルト映画といえばこれでしょう!日本映画でも異色のSFホラー作品。
食料のない無人島に漂着した若者たちが、飢餓のあまり島に自生している唯一の食料のキノコに手を出してしまう。
禁断のキノコを食べた人間が一人一人マタンゴへ変貌していく恐怖を描いています。
「マタンゴ」は日本が世界に誇る傑作カルト映画の一つです。
一例として日本のロックバンド「特撮」の曲に同名の楽曲があったり、アメリカの映画監督スティーブン・ソダーバーグは、幼少期に本作を見た影響から30代ごろまでキノコを食べられなかったと語るなどのトラウマを与えた映画でもあります。
カルト映画03 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
スタンリー・キューブリック監督作品。キューブリックにとって最後のモノクロ映画です。
キューバ危機によって極限まで達した冷戦状態をベースに、偶発的に核戦争が勃発し、人類滅亡への様子を描くブラックコメディ。現在においても評価の高い作品です。
邦題に関しては翻訳にも超厳しいスタンリー・キューブリックが直訳でないと許さん!ってことでこうなったらしいです。
人名であるはずのストレンジラヴまで日本語訳してしまうところに翻訳者の意地と皮肉を感じるのは私だけでしょうか?
カルト映画04 ゴジラ対ヘドラ
ゴジラの名前を盾に好きなことやったといわんばかりの作風と、低予算ゆえのチープさで、ゴジラというメインストリームのコンテンツであるにも関わらず、カルト映画の傑作として評価されたりしています。
カルト映画にはカルト映画なりの理由があるわけで、ホントにゴジラの名を借りてめちゃくちゃやってます。
製作陣が『これでどうやってゴジラを撮れというのか』と思うほどの低予算というのもあるのでしょう。
ストーリーの説明をなぜかアニメーションで処理したり、いきなりサイケデリックなクラブのシーンになったり、映像のコラージュかとおぼしき場面がチラホラ。
また今作について注目すべきは、この映画が第一作目のゴジラ以来の社会問題を取り扱った作品だということ。
第一作目のゴジラは原爆の恐怖を象徴した怪獣でもありました。今回は恐怖を公害に置き換え、それをヘドラという怪獣に体現させています。
人間に対してもそれまでゴジラ映画における人間(大衆)の動きは、怪獣に対してただ逃げ惑うだけだったのですが、今回のヘドラはそんな人々を硫酸ミストで骨にしてしまうんです。
公害の恐ろしさを伝えようとする気持ちだけは恐ろしいほど伝わります。
カルト映画05 悪魔のいけにえ
トビー・フーパーのデビュー作。テキサスを訪れた若者が人間の皮のマスクをつけたレザー・フェイスとその家族に襲われる様を描いています。
その残酷描写とアンモラルな内容から世界各国で上映禁止となった本作。
一方でその芸術性が高い評価を得るなど、カルトな人気を誇る映画。
シリーズ作品が現在も製作され続けているなど、未だにホラー映画の金字塔と呼べる作品です。
カルト映画06 ピンクフラミンゴ
ジョン・ウォーターズ監督の1972年の映画。
登場人物たちが「世界一下品な人」の称号をめぐって争う内容。
ラストでディヴァインの犬の糞を食べるシーンはトラウマレベル。
カルト映画07 ハロルドとモード 少年は虹を渡る
『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』は1971年に公開された恋愛映画。
狂言自殺が趣味の少年とナチスの強制収容所に入れられていた経歴を持つ老女の恋を描いた作品。
1998年の映画『メリーに首ったけ』ではキャメロン・ディアス演じるメリーが恋愛映画のお気に入りとして本作の名を挙げています。
カルト映画08 アギーレ/神の怒り
カルト映画としても有名ですね。黄金郷(エル・ドラド)を目指したピサロの部下の一隊に訪れる苦難と対を率いる男の没落を描いた作品です。
クラウス・キンスキー演じるアギーレが武力による下克上で実質的な指導者に躍り出て、その信念と体力、残忍さで隊員を率いていく。
反対派を容赦なく処刑し、たまらずその場で首をはねることさえ行う。
それまでに残忍なアギーレですが、彼のエルドラドへの信念は宣教師から忠告を受けようが、仲間が何人倒れようが、果てに実の娘も命を落とそうが全く揺るがない。もはや狂気、狂執とさえ呼んでいいほど。その様がカルト映画として多くの人を惹きつけるのでしょう。
クラウス・キンスキーの怪演が光ります。タイム誌の選ぶ映画100にも選考された今作。
ヴェルナー・ヘルツォーク監督初期の傑作でもあります。
カルト映画09 時計じかけのオレンジ
1971年の映画。スタンリー・キューブリック監督作。
管理された全体主義と、その中で暴力とセックスに明け暮れる若者の無軌道さのジレンマを描いた作品。
監督の意図とは別に「暴力を誘発する作品」とされ、いくつかの国で上映禁止になりました。
しかしニューヨーク映画批評家協会賞、ヴェネツィア国際映画祭などでの受賞もあり、名作と呼ばれる映画であることも確かです。
カルト映画10 ロッキーホラーショー
カルト映画の代名詞のロック・ミュージカル映画です。たまに何を勘違いしたのかホラーの棚に置かれているのを見かけますが。。。
ダニー・オブライエンのミュージカルを映画化した傑作カルト映画。ミュージカルは連日大盛況でエルヴィス・プレスリーやキース・ムーンといったロック界のセレブリティーも来場するほどの人気になります。
映画化の際、監督のジム・シャーマンは大作の話を蹴り、自らの意思を貫き通す道を選んだそう。
映画は興行的には失敗作となりますが、その一方で熱心なリピーターを生み出します。
彼らは今でいうコスプレをして集い、映画とともに歌い踊り、そして今も世界のどこかで上映されている、そんな作品。
この観客の熱狂ぶりを指して「世界で最初のカルト映画」という称号で呼ばれることもあります。
カルト映画11 イレイザー・ヘッド
デヴィッド・リンチ監督のデビュー作。新聞社に勤める傍ら、友人たちと製作した作品です。
カルト映画の代表格として有名な作品ですが、
内容は難解で、かつリンチのイビツなものに対する偏愛趣味も全開です。
この映画で言うと特に有名なのが、主人公の妻が出産した『赤ん坊』。
明らかに人のものではないそれの正体は、長い間映画ファンの議論の的となりました。
『イレイザー・ヘッド』製作時のリンチは劣悪な生活環境に身を置き、また当時の妻が制作中にリンチのもとを去るという経験もしています。
カルト映画12 狂い咲きサンダーロード
石井聰亙監督が日本芸術大学の卒業製作として弱冠22歳で作り上げた映画。近未来都市『サンダーロード』で起きる暴走族の抗争を描いています。
卒業製作ではあるものの、東映セントラルフィルムの配給で全国公開されています。
北野武監督の選ぶ映画10選にもランクインしており、今なお高いカルト人気を誇る作品。
キャッチコピーは「地獄まで咲け、鋼鉄の夢」「ロックンロール・ウルトラバイオレンス・ダイナマイト・ヘビーメタル・スーパームービー」
カルト映画13 太陽を盗んだ男
1979年の日本映画。一介の中学教師が原子爆弾を作り上げ、日本政府を脅迫するという何ともぶっ飛んだストーリーで長らく日本の代表的なカルト映画の一つとされていました。
沢田研二演じる理科教師、誠と、警察官の山下を演じる菅原文太の共演とやり取りが見どころ。
当時としてもかなりアヴァンギャルドな内容でもあるものの、撮影そのものも皇居前広場に無許可で忍び込んで一発撮りするなどかなり過激でした。
前述の通り、長らくカルト映画の地位にありましたが、近年では一般的な評価も高まっているようです。
カルト映画14 未来世紀ブラジル
テリー・ギリアム監督作品。全体主義の管理された社会で主人公の抑圧からの解放を物語のテーマにしています。
建物の至るところに張り巡らされたパイプが監視社会を表す揶揄となっています。
ロバート・デ・ニーロは本作の出演を熱望し、配管工の役で出演しています。
カルト映画15 ブレードランナー
リドリー・スコットが「エイリアン」の次に監督した作品。
いわずとしれた名作SF映画。劇場公開時は人気が振るいませんでしたが、ソフト化につけて人気が拡大。今ではサイバーパンクの先駆者的な存在の映画となり、また映像化不可能と言われた原作の実写に成功した映像も、革新的な未来描写として非常に高い評価を得ています。
ラストでのロイ・パッティの独白はロイ自らのアドリブであったそう。
ちなみにブレードランナーというタイトルはウィリアム・S・バロウズの小説から拝借されています。
もともとのタイトルは「デンジャラス・デイズ」でした。
また2017年にはシリーズ続編の「ブレードランナー2049」も公開されています。
カルト映画16 レポマン
1984年の映画。『シド・アンド・ナンシー』などの監督作を持つアレックス・コックスのデビュー作品。
ストーリーがブッ飛びすぎてる映画でカルト化しました。
借金のカタとして自動車を回収する職業(レポマン)に転職したパンクの青年オットーの身に降りかかる出来事とは・・・。
カルト映画17 スカーフェイス
1932年の映画『暗黒街の顔役』をブライアン・デ・パルマ監督、アル・パチーノ主演でリメイク。
チェーンソーでの拷問シーンが有名。
「The World is Yours」の文字に浮かび上がるトニー・モンタナの人生の隆盛と墜落。
マフィア映画のカルト的な傑作です。
カルト映画18 あの胸にもういちど
『あの胸にもういちど』は1968年に公開されたマリアンヌ・フェイスフル主演のイギリス・フランス合作映画。
本作には当時のカウンターカルチャーの波がフランスにも波及していたことがよく伝わります。『イージーライダー』のフランス版ともいうべき作品で、多くのクリエイターに影響を与えたマリアンヌ・フェイスフルの全裸にバイクスーツをまとった姿はもちろんのこと、サイケデリックな演出、旧来の価値観にとらわれない女性の自由という新しい時代を描いた内容、まさに60年代をフィルムに刻み込んだ、秀逸なカルト映画の一本です。
カルト映画19 スパイナル・タップ
こちらも1984年の作品。「スタンド・バイ・ミー」「ミザリー」「最高の人生の見つけ方」などのロブ・ライナーの初監督作品です。
架空のロックバンド「スパイナル・タップ」の再ブレイクまでを追うというドキュメンタリー風の作品。
疑似ドキュメンタリー、コメディとしてもカルトな人気を誇る映画です。
ホラーではなくて、コメディなのでアハハと笑えるところも多いです。
ちなみにスパイナル・タップは厳密にいうと半分架空のロックバンド。映画の人気により、現実でもアルバム発売やライブ活動などロックバンドとして存在しているからです。
ミュージシャンの大槻ケンヂ曰く、「ロック・バンドを描いたどの映画よりもリアル」だそうです。
他にも世界の名だたるミュージシャンがスパイナル・タップを評価しています。
詳しくは「フェイク・ドキュメンタリー映画まとめ」を観てみてください
カルト映画20 トレインスポッティング
今や名監督のひとり、ダニー・ボイル監督の出世作。主演はユアン・マクレガー。
内容は下記より見てみてください。1996年公開当時、イギリスの多くの若者に影響を与えたといわれる映画です。
カルト映画21 ファイト・クラブ
真っ先に頭に浮かんだのはこの作品。
ブラッド・ピットとデヴィッド・フィンチャーコンビの2作目。1999年の作品です。
「90年代の『時計じかけのオレンジ』」との声もあるほど、やはり暴力と密接に関わっている作品でもあります。
演技の見所としては『僕』役を演じているエドワード・ノートン。元々役作りもすごくて作品によってガラッと印象を変えるタイプで、例えばこの作品では気弱なキャラクターですが、『アメリカン・ヒストリーX』ではネオナチグループのリーダー格を演じ、対極のマッチョでアウトローな反体制の男を演じています。
一説には『ブラッド・ピットの演技を完全に食っている』とも評されるエドワード・ノートンの演技。一見の価値はあります。
カルト映画22 マルコヴィッチの穴
何をおいてもこの脚本!ぶっ飛んだストーリーで、カルト映画になったのも納得です。
人形使いの男が、不思議な世界へ迷い込む。
彼が働くのは7階と8階の間にある7 1/2階。
その奇妙な部屋で男は俳優のジョン・マルコヴィッチの意識へ繋がる穴を見つける。
タイトルの「マルコヴィッチの穴」ですが、これはあらゆる俳優の名前を検討した中で一番面白かったのがマルコヴィッチだったからとのことです。
カルト映画23 キューブ
90年代ってこれと言うカルト映画って育ちにくいのかな?と思ってまして、というのはマニアックな映画がカルト映画に転じるにはそれなりの年数が必要とも考えているからです。もちろん90年代も気がつけば2,30年も昔の時代になるんですけどね。。時の経つのは早い。。
さて、こちらの作品、ホラーサスペンス系の映画ですが、アイデアが秀逸ですね。
「CUBE」という正立方体の中に閉じ込められた6人がどうCUBEから脱出するかという話。
5000万円という低予算映画ですが、その面白さ、完成度が評判を呼び、数多くの亜流作品も生まれています。
正統な続編としては「キューブ2」「キューブ ゼロ」がありますが、一般的に最も評価が高いのは第一作目のこの作品です。
カルト映画24 ビッグ・リボウスキ
1998年のコーエン兄弟製作のコメディ映画。同姓同名のお金持ちと間違えられた男の騒動を描いています。
この映画の熱狂的なファンによって、毎年リボウスキ・フェスティバルという名前のイベントが開催されているほど、カルト的な人気を誇っています。
カルト映画25 北京原人
しかし北京原人の鳴き声が「ウパー」だったり、なぜ能力を証明させるために陸上競技大会に現代人の選手として出場させるかなど謎と疑問、矛盾はつきない。。
映画監督北野武も本作を「偉大な作品」としてある意味評価しています。
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カルト映画26 ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
ジョン・キャメロン・ミッチェルが原作・脚本・監督・主演と何足ものわらじを履いている作品。
元恋人でロックスターのトミーを追いかけてトミーの公演会場のそばで自身のバンド、アングリー・インチを率いてライブを行うヘドウィグ。
前半はストーリーらしいストーリーはそうなく、各会場(会場らしい会場もないですが)で演奏される曲の中の歌詞でヘドウィグの半生を知ってゆくという感じですね。
「ロッキーホラーショー」同様、ロック・ミュージカルの映画化となった本作。マドンナは本作の楽曲の権利使用を申し入れ、またデヴィッド・ボウイはグラミー賞をすっぽかしてオフ・ブロードウェイで上演されたミュージカルを観劇したという逸話を持ちます。
カルト映画27 リベリオン
クリスチャン・ベール主演の2002年公開の映画。公開時のキャッチコピーは「マトリックスを超えた!」
マトリックス同様、「管理された社会」の中で自由を求めて戦うSFアクション映画。
特筆すべきは「ガン=カタ」と呼ばれるアクション。
カルト映画28 キック・アス
正直これがカルト映画かと言われると微妙な感じはありますが。。
クロエ・グレース・モレッツのブレイクのきっかけになった作品です。
全身タイツだけではヒーローにはなれないことや、冒頭のシーンなど、それまでのヒーロー像を強烈に皮肉っています。
この映画の主役はクロエ・グレース・モレッツ演じる「ヒットガール」に尽きます。
見た目は子供でも中身は・・・、というとコナン君みたいですが、このクロエちゃんはその辺のゲスなおっさんばりに超口が悪い(笑)
そのギャップがあるキャラクターがとても斬新で、それも「キック・アス」をヒットに導いた要因の一つでもありますが、正直批評家からは賛否両論だったようですね。
カルト映画29 メメント
クリストファー・ノーラン監督の「どんでん返し」系の映画。これも正直カルト映画か?と言われると疑問符ですが、その脚本の構成の緻密さは圧倒的。また「記憶が10分しか持たない男」が妻の復讐を果たすという設定の秀逸さも相まって非常に評価が高い作品です。
ガイ・ピアーズと「マトリックス」のキャリー=アン・モスが主演です。
インディペンデント・スピリット賞では作品賞、監督賞を受賞。アカデミー賞ではオリジナル脚本賞、編集賞にノミネート。ゴールデングローブ賞では最優秀脚本賞にノミネートされています。
(こう書くとやはりカルト映画の範疇には収まらない気もしますね)
カルト映画30 デビルマン
壮大な物語の原作をわずか2時間に押し込んだストーリー展開の唐突さ、さながら「学芸会」と揶揄されたキャストの演技力などで「駄作」「最低映画」「バカ映画」の称号をほしいままにしている、ある意味では金字塔的な作品。カルト映画31 幻の湖
東宝創立50周年記念作品 、第37回文化庁芸術祭参加作品という肩書と、脚本に黒澤明監督作の常連だった橋本忍の監督作。
ではあるものの、あまりに奇想天外且つ難解なストーリーによって文字通り長らく「幻の作品」になっていた今作。
愛犬を殺された風俗嬢が犯人とマラソン対決をしたり、そこにスペースシャトルや戦国時代の話まで絡んでくる意味の分からなさが後年、カルト映画として本作を再評価する流れになっています。
また、後年橋本 忍自身も、本作を「失敗作」であると認めています。
(でもきちんとDVD化されていたりと、「珍作」「カルト映画」としては人気があるということなのでしょう。)
トホホ。。。監督・スタッフ自ら「失敗作」だと認めた映画まとめ
カルト映画32 ウィッカーマン
敬虔なキリスト教徒が原始的宗教が生き残る島へ行方不明の少女を探しに向かうストーリー。
異教徒との戸惑い、価値観を覆すようなラストは必見。
クリストファー・リーの怪演も見逃せません。
2006年にニコラス・ケイジ主演でリメイクされていますが、オリジナル版のエロティックさを取り除いてしまい、第27回ゴールデンラズベリー賞で5部門ノミネートという結果に終わっています。
カルト映画33 惑星ソラリス
惑星ソラリスはアンドレイ・タルコフスキー監督の1972年の旧ソ連のSF映画です
知性をもつ海がそこに近づいた人間に幻影を見せていく。
カルト映画34 食人族
アマゾン川上流未開の地「グリーン・インフェルノ」に向かった探検隊たちが行方不明に。
捜索へ向かったジョン・モンロー教授がグリーン・インフェルノの村で見つけたフィルムが流出した・・・という体のフェイクドキュメンタリー・ホラー。
前述のようにフェイクではあるものの、劇中の動物虐待はすべて本物であり、そのせいも相まって上映禁止となっている国もあるようです。
なぜか日本で10億円以上を売り上げる大ヒットとなりました。
カルト映画35 ファントム・オブ・パラダイス
カルト映画の代名詞、「ロッキー・ホラー・ショー」と双頭をなすロック・ミュージカル映画。
「オペラ座の怪人」をモチーフに、顔を失った天才ミュージシャンの悲恋と罠を描いています。
一時期のマリリン・マンソンのメイクはこの映画のファントムを意識していたのか、結構似通っている部分がありました。
カルト映画36 プラン9・フロム・アウタースペース
「史上最低の映画監督」と言われるエド・ウッドの監督作品。昼がいつの間にか夜になるなどのいい加減な演出、コントのようなチャチなセットなどが話題となり、エド・ウッドの死後に再評価されることとなります。
まるでカルト映画界のゴッホのようなその生きざま。
生前は決して評価されることはなく、貧困のうちに没するという人生でありましたが、その死後、安く買いたたかれた「プラン9・フロム・アウタースペース」が深夜テレビで繰り返し上映されると、そのあまりのつまらなさに「史上最低の映画監督」としてカルト的な名声(?)を得るに至っています。
没後はしばらく忘れられていたが、映画の上映権を安く買いたたかれた結果、深夜テレビの映画枠で繰り返し放送されることになった『プラン9・フロム・アウタースペース』が一部でカルト的な人気を得て映画評論家の目に止まり、1980年に「ゴールデンターキー賞」という本において「歴代最低映画」として紹介され、「再評価」が始まった。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89
エド・ウッド – Wikipedia
94年にはジョニー・デップとティム・バートンのコンビでそんなエド・ウッドの人生が映画化されています。
カルト映画37 ブレア・ウィッチ・プロジェクト
これも探検もの。
フェイク・ドキュメンタリーとホラーは相性がいいらしい。
今度は魔女伝説を探検しにいった若者たちが行方不明になるというストーリー。
物語の核心には触れずにただただ煽りまくるスタイルで超低予算で作られた映画だが世界中で売れまくった作品。
ただ、実際には核心も何もなく、「期待外れの映画」として本作の名前が挙がることも多いです!
ちなみに2001年に続編の「ブレア・ウィッチ2」、2016年に正統な続編の「ブレア・ウィッチ」が公開されています。
正統って何なんだろう・・・?
カルト映画38 鉄男
田口トモロヲ出演のSFカルト映画。ある出来事をきっかけに体中を鉄に蝕まれていく男を描いた作品。ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを獲得するなど、日本を超えて世界中で多くのファンを持つ作品です。
カルト映画39 狩人の夜
1955年製作のアメリカ映画。両手に彫られた「L-O-V-E」と「H-A-T-E」のタトゥーを巧みに用いて人心をつかんでいく伝道師、ハリーを演じたロバート・ミッチャムの怪演が高く評価されています。
今でこそカルト映画として高評価されている本作ですが、公開当時は興行的に失敗してしまったため、それまで俳優として活躍していたチャールズ・ロートンは今作が唯一の監督作になっています。
ちなみに36日で撮影された早撮り映画。
カルト映画40 片腕カンフー対空飛ぶギロチン
カルト映画41 2000人の狂人
カルト映画42 片腕マシンガール
井口昇監督が世界的に注目されるきっかけになった作品。
その過激さで日本国内で出資者が見つからず、アメリカの映画会社「Media Blasters」が出資したという逸話があります。
(そのため『片腕マシンガール』は正確には洋画扱いになります)
カルト映画43 修羅雪姫
梶芽衣子主演の日本映画。亡くなった母の代わりに、家族を殺したものへの復讐を目指し旅を続ける自称”修羅雪姫”の娘を描いています。
クエンティン・タランティーノもこの映画の大ファンで、2003年に監督した『キル・ビル Vol.1』でこの作品へオマージュを捧げています。
カルト映画44 サスペリア
1977年公開の作品。主人公を演じたのはジェシカ・ハーパー。「決して、ひとりでは見ないでください」というキャッチフレーズで日本でもヒットしました。
公開当時『サスペリア』を配給した東宝東和は、女性客に限って鑑賞中に亡くなった場合は1000万円のショック保険を適用するという斬新なPRでも話題になりました(結局該当する人は出なかったそう。よかったよかった。)
本作はトマス・ド・クインシーの小説「深き淵よりの嘆息」をモチーフにして、ダリオ・アルジェントとダリア・ニコロディが脚本を担当しています。
ドイツの名門バレエ学校に留学したアメリカの少女スージー。彼女はそこで様々な奇怪な体験をします。また次々と殺人が起こったりする中、彼女は学校が悪魔崇拝者たちのアジトであることを突き止めます。
そして彼らが強く崇拝している魔女の正体が学校に棲んでいるある者だということを知ることになります。
カルト映画45 まぼろしの市街戦
フィリップ・ド・ブロカ監督の1966年のカルト映画。時限爆弾が仕掛けられたパリの小さな町。住人の大半が避難した町で、解放された精神病院の患者と、そこに逃げ込んだ兵士の暮らしと交流を描いています。
コメディ・ファンタジー映画でもあり、反戦映画でもあります。英題は『The King of Hearts』
カルト映画46 サンゲリア
ルチオ・フルチ監督のホラー映画。ゾンビの腐乱ぶりなどグロテスクな描写で有名なカルト映画です。ウジ虫がわいたり、火炎瓶で火だるまになるゾンビ、サメと戦うゾンビなど、バリエーションも豊富。
ニューヨークでゲリラ撮影された本作。ゾンビが歩くブルックリン橋の歩道の下の車道で普通車が走行していたりしています。
カルト映画47 アンダルシアの犬
ルイス・ブニュエル監督、同氏とシュルレアリスムの大家、サルバドール・ダリが脚本を手掛けた1928年製作のカルト映画。
この映画自体もシュルレアリスムの作風で、明確なストーリーは存在せずに、断片的な映像から観客自身が何かしらを感じ取ることが要求されます。冒頭で女性の眼球がカミソリで真二つにされるシーンは有名。
カルト映画48 地獄の門
ルシオ・フルチ監督の1980年のイタリア映画。
フルチが『サンゲリア』に続いて発表したゾンビ映画の第2弾です。
『ビヨンド』に先立って、「現世と死者の世界を隔てる境界が徐々に崩れて、死者が生者を襲い始める」というプロットを扱っています。登場するゾンビはよみがえった死者という従来のイメージに加え、突然消えたり現れたりという悪霊のような存在あるのも特徴です。
カルト映画49 ビヨンド
ルシオ・フルチが『サンゲリア』『地獄の門』に続いて発表したゾンビ映画の第3弾です。
これまでのルシオ・フルチ作品同様、残酷で凄惨なシーンが満載。
地下に現世と地獄をつなぐ門が隠されているホテルで次々と巻き起こる恐怖を描いた作品です。
カルト映画50 小さな悪の華
ジョエル・セリア監督の1970年の映画。実際にあったアン・ペリーの事件(15歳の時に友人と共謀してその母親を殺害)をモチーフにしています。
映画の反宗教的且つ淫靡な内容から多くの国で上映禁止となりました(制作国のフランスですら上映禁止に!)。
ただそのセンセーショナルな内容からカルト映画としても人気があります。
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