以前書いた記事「私的カルト映画5選!」の発展版ですね。
マイ・カルト映画01. 『プラネット・テラーinグラインドハウス』
ロバート・ロドリゲス監督のゾンビ映画ですね。もともとタランティーノとともにB級映画へのリスペクトを込めた映画、『グラインドハウス』の二本立て作品の一つでしたが、日本ではそれぞれ再編集を施し独立して上映されたという経緯があります。
さて、そんな今作ですが、個性の強いロドリゲス作品のなかでもより濃いキャラクターが勢揃いしています。
マイ・カルト映画02. 『エンジェル・ウォーズ』
『300』などの監督作品で知られるザック・スナイダーのSFファンタジー映画ですね。
『300』は独特のデジタル合成の雰囲気など本作に通じるところはありつつも、非常に男らしい作品でした。
しかし、ザック・スナイダーの嗜好はオタク趣味であることが今作を観るとよく伝わります。
ストーリーそのものはそこまで面白くはないんですが、セーラー服のJKにバトルヒロイン、ニーハイとツインテとか、ただでさえロリっぽくてかわいいエミリー・ブラウニングが萌えヒロインだったり、敵がドラゴンやロボットだったり節操なし。男の子の好きそうなものを先に全部詰め込んで後からストーリーくっつけたんじゃないの感が半端ないです。さながら具だけはめっちゃ豪華だけど肝心の麺とスープがイマイチなラーメンみたいなそんな感じ。
そのアンバランスさが絶妙でそれゆえにカルトな匂いがプンプンする作品です。
マイ・カルト映画03.『ドゥームス・デイ』
こちらは『ディセント』のニール・マーシャル監督によるSF映画。
ゾンビ映画の要素あり、ディストピア映画の要素、マッドマックスの要素、カーチェイスの要素、バトルヒロインの要素などなど、様々な要素が絶妙に溶け込んでいるごった煮状態の エンターテインメント作品です。
マイ・カルト映画04.『ミスター・ノーバディ』
何度見てもすごい作品ですね。映画は人生を描けると以前書きましたが、ここまで幾重にも鮮やかにそれを証明した作品はないのではないでしょうか。
人は一日で平均9000回もの決断をしていると言われます。もちろん人生にもしもはないのですが、それでもその「もしも」を夢想することはよくありますよね。
映画で描かれているように、人生の分岐点とは自分で選択するもの以外にも、バタフライ効果のように世界のどこかの知らない人の些細な行動がその後大きくなり、ある日自分の人生に大きな影響を及ぼすかもしれません。
主人公のニモはいくつもの決断を下し、もしもの人生を生き、そして分岐点に返ってはまた人生を繰り返します。それらをすべて描ききった、本当に凄い作品ですね。
私たちも、ニモと同じように、無数にある人生の一つを歩いています。言い換えれば、「人生には無限とも言える可能性がある」ことをこの作品は示唆しているのではないでしょうか。
マイ・カルト映画05.『ザ・フライ』
1958年に公開された『ハエ男の恐怖』のリメイク作品。科学者であるブランドンはテレポーテーションの実験が失敗してハエとだんだん融合していく様を描いた作品ですね。
オリジナルでは頭だけハエになる、という仮面ライダーのような「合体」なのですが、今作では特殊効果が目白押し。DNAレベルでの融合の描写が生々しい・・・。30年近く前の作品ですが、とてもリアルでグロテスクです。
でも何が悔しいかって面白いんですよ、この作品。グロ要素がトラウマレベルにえげつないのはそうなんですが、ブランドンが恋人のヴェロニカに対して徐々に理性をなくしてストーカーレベルに成り下がっていく描写と、ヴェロニカにとってブランドンが恋人からだんだん恐怖の対象になっていく様子、それでも最後の最後で愛情と哀れみを感じられる悲劇の結末。
単なるSFホラーではなくて、ラブロマンスというか、ストーリーだけ追っていたとしても心に刺さる映画なんですよね。
素晴らしいストーリーと胸を打つラスト。
名作ホラーになっています。トラウマレベルにえげつないけど。
マイ・カルト映画06.『ぼくのエリ 200歳の少女』
『ぼくのエリ 200歳の少女』は2008年のスウェーデンの映画です。原題は「Let the Right One In」で「正しき者を招き入れよ」という意味です。
吸血鬼を題材にした、切ないホラーです。北欧の透き通るような白さの画と、哀しい純愛を描いたストーリー。ものすごく美しい映画です。
子供のままの姿で何百年も生きている吸血鬼のエリと人間のオスカー。
劇中で彼女の保護者が若者の襲撃に失敗し、自ら命を絶つ場面がありましたが、それはエリと共生してゆく限りいつかおとずれるであろうオスカーの未来も暗示しています。
ただ、そんな未来よりも刹那的な今という時をただエリと生きようとする儚さは哀しい青春であり、ある意味では純愛映画とも言えます。
そんな危うくも美しい二人の関係、そして、エリの吸血鬼ゆえに「人の血がなければ生きられない」という業からくるホラー描写とサスペンス。
北欧の透けるような白銀の中、それぞれの要素が絶妙に絡み合い、退屈させない作品になっています。
マイ・カルト映画07.『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』
ホラーコメディといえば、『ショーン・オブ・ザ・デッド』が名作として名高いのですが、知名度は劣るものの、今作『タッカーとデイル』もまた傑作だと言えます。
数々の名作ホラー映画へのオマージュに加え、本物のホラー映画にひけをとらない残酷描写。それでいてしっかり笑わせてくれる、ホラーコメディ映画の名作です。
マイ・カルト映画08.『バタフライ・エフェクト』
SFを題材にしてるんですが、ほとんど完璧な脚本の映画です。
劇中にちりばめられた伏線がほとんど完璧に近い近い形で回収されていきます。
タイトルの「バタフライ・エフェクト」とは非常に些細な小さなことが様々な要因を引き起こしだんだんと大きな現象へと変化することを指す言葉です。(参照:ニコニコ大百科)
決して奇をてらおうだとか、大衆に迎合しようだとか、余計な思惑やある意味での予定調和を排し、ストーリーのあるべき形に沿って丁寧に作りこまれた脚本は雑な箇所もなく、
圧倒的に素晴らしいストーリーと驚愕を与えてくれます。
ケイリーを救うために、何度でも過去を修正しようとするエヴァンですが、その度にだれかが悲劇を被ることになってしまいます。
些細な決断、日々の行動の一つ一つが大きく未来を変えてしまうんです。
その中でどこまで愛する人のために犠牲を払えるのか。
きっとエヴァンの最期の決断には胸を打たれると思います。
マイ・カルト映画09.『図鑑に載ってない虫』
邦画で推したいのはコレ!三木聡監督作品。
あえてカテゴライズするならば脱力系コメディになるのでしょうが、色々いい意味でしょーもない映画。
伊勢谷友介さん、松尾スズキさん、菊地凛子さん、松重豊さん、片桐はいりさん、そうそうたる出演者なのですが、、、役柄の肩書きが変!(笑)
伊勢谷友介さん・・・売れないルポライター
菊地凛子さん・・・自殺未遂ばっかりしてる元SM嬢
松尾スズキさん・・・アルコール中毒のオルゴール職人
などなど。。
マイ・カルト映画10.『第9地区』
2009年のニール・ブロムカンプ監督の長編映画デビュー作品。
地球に亡命してきた宇宙人と彼らを強制移住させようとする人間の職員の話です。
ジョージ・A・ロメロの映画『ゾンビ』は人種差別への抵抗が根底にあった映画と言われていますが、こちらもアパルトヘイトをそのモチーフにしています。
SF映画ではありますが、ストーリーはアパルトヘイト時代に起きたケープタウン第6地区からの強制移住政策を題材にしています。
最初はエイリアンに対してすごく高圧的な態度だったヴィカスがだんだん心情を変化させ、そこまで悪くない人間になっていくとか、少し希望を残したロマンティックな結末だとか、とにかく一般的な評価の高い作品です。低予算で作製された映画ですが、満足度は高いと思います。
マイ・カルト映画11.『マチェーテ』
ダニー・トレホの初主演映画。もともとは『プラネット・テラー in グラインドハウス』の偽予告編でしたが、3年越しで祝・映画化!となった作品です。
ちなみにマチェーテとはナタのような刃物の名前でもあり、本作でダニー・トレホが演じる役柄の通称でもあります。
しかしB級映画の割にはロバート・デ・ニーロやスティーブン・セガールなどキャストが豪華すぎる。。
今回も相変わらずのメキシコ系、バカバカしい小道具(バイクにガトリングガン付けたりとか。。)が満載でロドリゲス節炸裂!相変わらずですね。
上にも書いたように、もともとはグラインドハウスのニセ予告編の1つでしかなかったんですが、予告編のカットを寸分違わず再現してみせるあたり、ロバート・ロドリゲスの強いこだわりを感じます。
まるで子供のように、撮りたい映画を撮りたいように撮っている、そんなようにも見えてしまう作品でもあります。
マチェーテ、軽~い気分で見れちゃうエンターテインメントムービーです。
ちょっとエッチなシーンもあったりして、男の子の夢満載ですね~笑。
マイ・カルト映画12.『スターシップ・トゥルーパーズ』
.『スターシップ・トゥルーパーズ』は1997年のポール・バーホーベン監督のSFアクション映画。
エロ・グロ、まさにバーホーベン監督テイスト満載ですが、普通に映画作品としてもエキサイティングなのがたまらないです。
人体がバラバラになるのが平気なら多分楽しめるかと。
そう、ギャグか!と思うくらい人体破壊描写が凄いんですよ。もう千切れる千切れる。。
ただ、血とかはそんなに出ないんで、血がダメな人は見れるかな?とおもいます。
ナチスや全体主義を皮肉った作風と過度な残酷描写でカルト的な人気があります。
マイ・カルト映画13.『映画 みんな!エスパーだよ!』
テレビドラマ版をリメイクした今回の映画版。テレビドラマ版は昔の深夜番組を彷彿とさせる過激な描写が話題になりました。
さて、今回映画版からは池田エライザさんが参加されています。ドラマ版からは引き続き染谷将太さん、安田顕さん、マキタスポーツさんら主要キャストが続投。
何気に出演者も豪華なので、押さえ目の演出かな?と予想してたらこれがとんでもない!さすが園子温監督ともいうべき、過激な描写は健在でした!というかこれ個人的にはカルト映画扱いでもおかしくないと思います。ということで本記事に追加。
マイ・カルト映画14.『地獄でなぜ悪い』
こちらも園子温が監督を務めた2013年の作品。今作の『地獄でなぜ悪い』は映画をテーマにしながらも、それらを遥かに越える着地点に我々を導きます。
クライマックスの突き抜けたスプラッターには賛否あるかとは思いますが、どこにもない強烈な作品であることは確かです。