天才?奇人?ダニエル・デイ=ルイスの役作りエピソード

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ダニエル・デイ=ルイスとは


ダニエル・デイ=ルイスは1957年4月29日生まれのイギリス出身の俳優です。
1971年に『日曜日は別れの時』で映画デビュー、そのキャリアにあって映画出演作は決して多くはないですが、90年代以降はほとんどの出演作でアカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートまたは受賞されるなど、名優中の名優だといえます。

アカデミー賞主演男優賞を3回受賞した唯一の俳優

なんといってもアカデミー主演男優賞を3回受賞している唯一の俳優これに尽きるでしょう。
今まで

  • マイ・レフトフット(1989年)
  • ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年)
  • リンカーン(2012年)

の三作でアカデミー主演男優賞を受賞しています。その演技力は同業のハリウッドスターたちからも尊敬を集めています。
彼の実力を示すエピソードとして、2007年の作品『フィクサー』での演技でジョージ・クルーニーも第80回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされてました。しかし、同じく主演男優賞にもダニエル・デイ=ルイスもノミネートされていたことから「自分が主演男優賞を受賞? ダニエルがいるから無理だよ」と答えたという逸話があります。

ダニエル・デイ=ルイスの演技手法はロバート・デ・ニーロのそれと同じく、徹底した役作りを行うことです。以下にその例をご紹介します。

撮影中は常に左足だけを使った(『マイ・レフトフット』)


マイ・レフトフット [DVD]
マイ・レフトフットは重度の小児麻痺によりわずかに左足を動かせるだけのクリスティ・ブラウンが、左足だけで絵を描き、有名な画家へ成長していく姿を描いた実話に基づいた作品です。
ダニエル・デイ=ルイスはクリスティ・ブラウンになり切るために、撮影中ずっと常に左足だけを使っていました。
車椅子に座ったまま生活し立つこともなかったため、撮影の邪魔になりそうなときはスタッフが車椅子ごとダニエルを移動していました。

6ヶ月間にわたって野営や釣りを行った(『ラスト・オブ・モヒカン』)


ラスト・オブ・モヒカン ディレクターズカット [Blu-ray]
幾度となく映画化されて来たジェームズ・フェニモア・クーパーの小説『モヒカン族の最後』の1992年のアメリカ映画。
独立直前のアメリカで英軍大佐の娘と、モヒカン族酋長の息子ホークアイとの愛を描いた作品です。
ホークアイというモヒカン族の戦士を演じるためにダニエル・デイ=ルイスは6ヶ月間にわたって野営や釣りを行い、獣の皮をはぎ方、陸地や森で生き抜くためのサバイバル術を学びました。
結果、なんと最終的には自分でカヌーを作れるまでになっていました。

撮影中は独房のセットで夜を過ごし約15Kg減量した(『父の祈りを』)


父の祈りを [DVD]
『父の祈りを』はジム・シェリダン監督の1993年製作のイギリス映画です。
IRA暫定派によって実行されたロンドンでの1974年のテロ事件「バーミンガム・パブ爆破事件」についての作品。

「バーミンガム・パブ爆破事件」は今なお未解決事件であり、無実の6人が逮捕・起訴され、有罪となったため、後にイギリス最大の冤罪事件と呼ばれてもいます。
この作品は冤罪で逮捕されたアイルランド人ジェリー・コンロンとその父親の再審への長い戦いを描いた映画です。

ジェリー・コンロンを熱演。撮影中は北アイルランド訛りを徹底して話し、体重も約15Kg減量。夜は独房のセットで過ごし、世間に非難される被疑者になりきるために、撮影クルーに自分自身に向かって罵りや水を投げつけさせるなどの役作りを行っています。

プロボクサーと週3回のスパーリングを3年続けた(『ボクサー』)


ボクサー [DVD]
『ボクサー』は前述の「父の祈りを」のJ・シェリダン監督と再タッグを組んだ作品です。
かつてボクサーとして有望視されていた元テロリストのダニー。彼は14年の刑を終えて出所し、かつての恋人マギーと再会するも彼女は既に別の男と結婚していました。
ダニーは元のIRA仲間と付き合わず、まじめに生きるため再びボクシングをしようとしますが、同時にマギーとの仲も再燃。やがてそんなダニーを元のIRAの仲間は危険視するようになっていくという作品です。
ダニエル・デイ=ルイスはダニーを演じるためにプロボクサーと週3回のスパーリングを3年続けたとの逸話があります。

ダニエル・デイ=ルイスは役作りについて

ダニエル・デイ=ルイスは自身の過剰とも言える役作りについて
「私はいつも自分が経験したことのない、彼ら(役柄)の人生に魅了されるのです」
「そして、たとえその仕事につらいことが含まれていたとしても、仕事を通じて得られる純粋な喜びが大好きなんです」

と語っています。

ちなみにプライベートでもダニエル・デイ=ルイスは変わっていて、俳優として最高の評価を得ながらも突如俳優を休業してイタリアで靴職人になったり、映画に大道具スタッフとしてかかわったりと、自由な性格を感じさせます。

靴職人の期間は4年にも及び、今でも普段はアイルランドの山岳地域に自宅をつくり、靴作りと木工作業に明け暮れています。

そのせいで息子も父親の職業は大工だと長らく思っていたほど。

最近も代理人を通して

「ダニエル・デイ=ルイスは今後、俳優としての活動はしません。これまで共に仕事をしてきた人々ならびに観客の皆さんに、心から感謝しております。これはあくまで個人としての決断であり、本人も代理人も、本件に関してこれ以上コメントすることはありません」

と突如俳優引退宣言をし、世間を驚かせました。

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