アンソニー・ホプキンスとは
アンソニー・ホプキンスは1937年生まれ、イギリス出身の俳優です。
彼の両親はパン屋を営んでいました。アンソニー・ホプキンスは最初はピアニスト志望でした。この経緯からホプキンスのピアノの腕前もかなりのものだそう。その役者に志望を転向。
働きながら奨学金を得て王立ウェールズ音楽演劇大学と王立演劇学校(RADA)で演技を学び、2年の兵役後に舞台活動を行うようになります。65年にナショナル・シアターの舞台を踏み、ローレンスオリヴィエの代役を演じたことで注目を集めます。映画デビューは68年の『冬のライオン』その後の74年にはアメリカへの進出を果たしています。以来、『遠すぎた橋』『エレファント・マン』など数々の映画に出演。
そして91年の『羊たちの沈黙』で知的で残忍な殺人鬼のハンニバル・レクター博士を演じアカデミー主演男優賞を獲得しています。そのほかにも90年代は『日の名残り』『ニクソン』『アミスタッド』でもアカデミー賞にノミネートされるなど、名優としての地位を確立させています。
デ・ニーロ・アプローチの対極
その演技手法は役柄の徹底的なリサーチに基づいたリアリティを追求する「デ・ニーロ・アプローチ」の対極を行くもので「演技というものは絵空事であって、その要素はすべてシナリオの中にある」が持論だそう。
デ・ニーロ・アプローチとは
外見から生活に至るまでの徹底したリサーチに基づいた役作り。名前のもとになったのは俳優のロバート・デ・ニーロ。
彼の時に整形すら辞さないその強烈な役に成りきるための姿勢から「デ・ニーロ・アプローチ」という言葉が生まれました。
脚本を徹底的に読み込む
その演技論から、脚本の読み込みを徹底するのもアンソニー・ホプキンスの有名なエピソード。
「『300回読む』という噂はやや大げさにしろ、そのくらい何度も何度も繰り返し読んで、内容を頭に叩き込むんだ。脚本の内容が完全に頭に入ったら、ほとんど無意識の状態で演じることが可能になる。あれこれ考える必要がない分、アドリブを交えるなり、何かを加えたり削ったりするなり、楽しみながら自由自在に演じられるからね」
また、レクターの役作りも同様に行ったそう。
役作りにしても、暗い部屋の隅でいきなりレクターに変貌するわけじゃない。まず、セリフを納得がいくまで何百回でも声に出して読む。そうして、徐々に頭の中でイメージを膨らませ、役を掴んでいくんだ。