ギレルモ・デル・トロは1964年生まれメキシコ出身の映画監督です。
1993年に『クロノス』で映画監督デビュー。同作はカンヌ国際映画祭の批評家週間グランプリに選出されるなどの評価を受けています。
『ブレイドⅡ』『ヘルボーイ』などの作品を経たのちに2006年に公開された『パンズ・ラビリンス』では世界的に高い評価を得てヒットメイカーとして認知されることになりました。
その後の『パシフィック・リム』では自身のオタク趣味が溢れる作品となりました。2017年の作品、『シェイプ・オブ・ウォーター』では第75回ゴールデングローブ賞および第90回アカデミー賞でそれぞれ監督賞を受賞しました。
そんなギレルモ・デル・トロ監督の日本愛溢れるエピソードをご紹介します。
勢いあまってバルタン星人にプロポーズ
『パシフィック・リム』の宣伝で来日、テレビ番組の企画で秋葉原を訪れたギレルモ・デル・トロ監督。特撮フィギュアのお買い物に終始ご機嫌だったのですが、クライマックスの本物のバルタン星人の登場にテンションはMAXに!
ばるたんせいじんだーーー!と叫びながらバルタン星人とハグ。
ついには「フォッフォッフォッ」とバルタン星人の鳴き声を真似しながら思わず「ロサンゼルスで一緒に暮らさない?」と求婚してしまう始末。
少年のような姿が印象的なギレルモ・デル・トロ監督なのでした。
日本食を食べ過ぎてボタンが閉まらなくなった
『シェイプ・オブ・ウォーター』の来日記者会見ではゲストに『パシフィック・リム』に出演した菊地凛子が登場。
記者会見の席でギレルモ・デル・トロ監督はせんべいやお餅にハマッてしまい、またしゃぶしゃぶなどを色々食べてしまった結果、なんと洋服のボタンが閉まらない事態に!
オチャメな監督なのでした。
世界で一番影響を受けたクリエイターは宮崎駿
ギレルモ・デル・トロ監督曰く世界で一番影響を受けたクリエイターは宮崎駿とのこと。2008年のインタビューではこう明かしています。
「宮崎サンは、ボクがこれまでに一番影響を受けたクリエイター。ボクの映画を観て宮崎作品を連想するなんて、光栄なことだよ。正直に話すけど、今回の作品は決して宮崎作品を意図的に狙ったものじゃないんだ。でも映画って製作者が意図した以上のものを観る人が読み取るもの。ふうむ、そうして考えてみると、『パンズ・ラビリンス』の森のシーンなども『もののけ姫』に通じる部分があるかもねぇ。ちなみにシリーズ第1作の『ヘルボーイ』の橋が落ちるシーンは、『長靴をはいた猫』に出てくる魔王の城のシーンをオマージュしているんだ(笑)」
出典:ハリウッド人気監督ギレルモが語る宮崎アニメへのディープラブ (2008年12月23日) – エキサイトニュース(3/6)
少年のころ宮崎駿監督がアニメーターとして参加した『長靴をはいた猫』を夢中で見ていたというギレルモ・デル・トロ監督。
『パシフィック・リム』の撮影中、「デル・トロ」がうまく発音できなかった芦田愛菜に向かって「トトロって呼んでいいよ」と話しかけるなど、人柄がうかがえるエピソードも。
『パシフィック・リム』は日本へのラブレター
今作で登場するモンスターは劇中で『カイジュウ(=怪獣)』と呼ばれ、また日本人キャストとして菊地凛子が登場したりと日本とは所縁の強い作品となっています。
この怪獣、海底にできた異次元の裂け目から出てくるのですが、海から怪獣が現れるというのは『ゴジラ』を彷彿とさせます。
怪獣そのものは例えばナイフへッドは『ガメラ』に登場する怪獣、ギロンに酷似してたり、また同作に登場するギャオスに似た怪獣も登場します。
このように日本の特撮からの限りないオマージュや影響を髄所に見つけだせる『パシフィック・リム』。
ギレルモ・デル・トロ監督曰く『パシフィック・リム』は日本へのラブレター」なのだそう。それを裏付けるかのようにエンドロールには「この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」と献辞が表示されています。
※本多猪四郎は1954年に公開された第一作目の『ゴジラ』の監督です。