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【ネタバレレビュー】「ゾンビ」ゾンビ映画の原点にして頂点!

「ゾンビ」は1978年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画です。
同じくジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・リビングデッド』の3週間後の世界が舞台。

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「ゾンビ」のスタッフ・キャスト

監督
ジョージ・A・ロメロ

脚本
ジョージ・A・ロメロ

特殊メイク
トム・サヴィーニ

製作
クラウディオ・アルジェント
アルフレッド・クオモ
リチャード・P・ルービンスタイン

音楽
ゴブリン
ダリオ・アルジェント

出演者
デビッド・エンゲ
ケン・フォリー
スコット・H・ライニガー
ゲイラン・ロス

感想・レビュー

ジョージ・A・ロメロ監督のこの作品はやはりゾンビ映画の原点にして頂点だと思います。

正直、今の時代の目から見ると、ゾンビのメイクアップはコントレベルなのですが、今日に続くゾンビ像を決定的にしたのは知名度からいってもやはりこの作品だと思います。

ホラー映画初心者におすすめ!

前述のとおり、今見るとそんなに怖くないんですよね。しかし、ホラー映画の枠を超えて、映画史の中でも重要な作品なので、ホラー初心者におすすめです。

この映画はスタッフも超豪華。

監督・脚本は「ゾンビの父」とも呼ばれるジョージ・A・ロメロ。

特殊メイクは「13日の金曜日 」「死霊のえじき」も務めた特殊メイクの巨匠トム・サヴィーニ。

音楽にはイタリアの名作ホラー「サスペリア」で音楽を担当したダリオ・アルジェント。

加えて、ホラー映画ではあるものの、そこに隠された人間社会への痛烈な風刺など、そのテーマ性は今なお色褪せません。

他にもホラー初心者にはブライアン・デ・パルマ監督の「キャリー」なんかもおすすめです。

関連記事:意外と怖くない⁉ホラー初心者におすすめの名作ホラー映画

リアルタイムで観ることでしか得られないもの

ゾンビのメイクアップがコントレベル(しかも終盤に近付くにつれて予算の関係なのか、少し雑になってくる。。。苦笑)なのは前述のとおりですが、それはあくまで今のリアルなホラー描写に慣れてしまった私たちの目で見れば、の話です。

音楽の世界でいうと、エルヴィス・プレスリーの登場が当時の人々には衝撃的であったように、この「ゾンビ」も当時の人には衝撃の作品であっただろうと思います。

町を覆い尽くすゾンビの群れと、「人間狩り」のようにゾンビの老若男女問わずに彼らを楽しんで殺す街の不良たち。そのアンモラル、理不尽さは衝撃だったでしょう。

その衝撃はやはり当時リアルタイムで観ることができた人でしか得られないであろうもの。

※余談ですがそういう意味では1973年のホラー「悪魔のいけにえ」のホラー描写は飛び抜けています。世界各国で上映禁止になるのも納得です。。

関連記事:ヤバすぎ?やりすぎ?上映禁止になった映画まとめ

あまりに詩的なラスト

映画の中でも今も当時と同じ印象を残すであろうシーンはやはりラストのヘリのシーン。

ピーターはフランを屋上のヘリに送り出した後、一人ゾンビであふれかえたショッピングセンターに残り、もはやこれまでと自殺を図りますが、ゾンビが部屋に入った瞬間に寸前で思いとどまります。そしてピーターはゾンビを押しのけながらフランの待つヘリに飛び乗ります。

しかし安堵も束の間、

「燃料は?」

「あまりないわ」

「…まあいいさ」

二人はともにわずかな燃料のヘリで夜明けの空へ飛び去ってゆきます。

まるでダスティン・ホフマンの「卒業」のエンディングのホラー版のよう。

この場は辛くも逃れたけれども、しかし暗い未来を暗示させます。

全てをひっくり返すような作品

生前の行動習慣のなごりでショッピングセンターに集まるゾンビ。そしてそこを襲撃する不良たちによる略奪。加えてゲームのようにゾンビを狩る野蛮さ。そして生き残るのは黒人と女性というラスト。そして前述の苦みを残すエンディング。

資本主義による過剰な物質社会・消費社会への皮肉、白人優位の人種差別に対する皮肉。
まさに当時の負の価値観の全てをひっくり返すような作品でもあると思います。
エンディングに関しても同様。

当時は76年に公開されたシルヴェスター・スタローンの『ロッキー』のヒットに代表されるように、ベトナム戦争の終焉と言う社会的な要因もあってそれまでのアメリカン・ニュー・シネマの暗くアンチ・ハッピーエンドとも言える作風の映画の人気は下火になっていました。

ニューシネマで打ち出されるメッセージの殆どは「個人の無力」であったが、70年代後期になると、ジョン・G・アビルドセン監督の『ロッキー』に代表されるように、「個人の可能性」を打ち出した映画が人気を博すようになる。さらにジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』の大ヒットにより、再び50年代の夢とロマンの大作映画や、それまで子供向けとされていたSF映画も復活した。戦争により強い大国アメリカの理想像を打ち砕かれ、長らく暗い、憂鬱なニューシネマの虚無感に共感していたアメリカ国民は、戦争の終結と共に、再び明るく希望のある作品を求めたのである

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%8D%E3%83%9E
アメリカン・ニューシネマ – Wikipedia

とのことですが、この「ゾンビ」は映画界のそんな風潮さえまた皮肉るようなエンディングに仕上がっています。

ちなみに今作には別エンディングもあって、そちらはより絶望的で厭世的なエンディングとなっています。

詳しくは「【ネタバレ】あの映画の別エンディングまとめ!」をご覧下さい。

なんにせよ、ホラー初心者にも比較的鑑賞しやすい「ゾンビ」。ホラー映画マニアだけでなく、映画好きな人には是非チェックしてほしい作品です。




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