【レビュ―】「悪魔のいけにえ」あまりに怖く、あまりにカルトなホラーの金字塔

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トビー・フーパー監督のデビュー作。非常に低予算な映画ながら、その残酷描写、芸術性で
世界各地で上映禁止となりながらも同時にカルトな人気を誇る作品。「悪魔のいけにえ」は今や史上最高のホラー映画の一つでもあります。
なぜ「悪魔のいけにえ」はホラー映画の金字塔になりえたのでしょうか?

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「悪魔のいけにえ」の予告編


※怖いのが苦手な人は閲覧注意!

「悪魔のいけにえ」のスタッフ・キャスト

監督・製作・脚本・音楽
トビー・フーパー

脚本
キム・ヘンケル

撮影
ダニエル・パール

編集
サリー・リチャードソン / J・ラリー・キャロル

音楽
ウェイン・ベル

製作
ジェイ・パースレイ

出演者
マリリン・バーンズ
アレン・ダンジガー
ポール・A・パーテイン
ウィリアム・ヴェイル
テリー・マクミン
エド・ニール
ジム・シードウ
ガンナー・ハンセン
ジョン・デュガン

「悪魔のいけにえ」のあらすじ

何者かに墓があらされる事件が勃発していた1973年のテキサス。墓の無事を確かめるとともに遊びも兼ねて、五人の若者が訪れます。

その道中、同い年くらいのヒッチハイカーを車に乗せるも、ナイフで自傷を始めたり、仲間に切りつけたりと異常な行動をしたために途中で下ろすことに。

その後、ガソリンを分けてもらうために近隣の家を訪れますが、その家こそが墓荒らしの犯人であるソーヤー一家の棲む家でした。

自分の家に異常なまでの縄張り意識を持つソーヤー一家。その末っ子のレザーフェイスに一人、また一人チェーンソーで殺されていきます。

感想・レビュー

だた恐怖だけを追求・・・ハッキリ言って怖い!

ハッキリ言って怖いです!古い映画だからと油断すると後悔しますよ。たぶん(笑)。

殺人鬼レザーフェイスはその人間らしさや内面を推しはかれるような描写はほぼありません。例えばジェイソンなら子供のころいじめられていたなど、少し同情的になれるバックボーンというか、人間としての背景が描写されているのが多いんですが、この映画はただただ恐怖を追求している印象です。

それでもレザーフェイスはれっきとした人間であり、シリーズ中盤から超人化したジェイソン(13日の金曜日)や、幽霊とも魔物とも判別のつかないフレディ(エルム街の悪夢)と比べると、人間らしい肉体的な弱さや、殺人に付随して家を壊してしまい、土レイトンから怒られてしまうといった人間らしい描写もあります。ただ殺人に対してはまるで家畜を屠殺するかのようにただ淡々と、一切の迷いや感情がないように感じられます。人間でありながら感情が欠落している。それが悪魔や幽霊よりも最もリアルで怖い存在なのではないでしょうか。

レザーフェイスについてはこちらも合わせて見てください。


たまらない「不条理」

この映画に登場する若者たちは後の作品に出てくるような「無節操」「生意気」「バカ」などの「殺されてもしゃーないかなー」感があまりないんですよね。むしろ人助けとかしちゃうような若者たち。そういう登場人物が無造作に殺されていく不条理はやはりたまらないものがあります。

カメラワークもドキュメンタリーのようにただ出来事を淡々と映していきます。
登場人物に感情移入することなく、一歩引いた視点で映し出すカメラワークも
ドキュメンタリー(事実らしさ)をひきたてたのでしょうね。
この「救いようのない感じ」や独特の怖さは同時期のホラーと比較してもこの作品は圧倒的なのです。

同時期のホラーと比較例

「13日の金曜日」

実際は音楽の盛り上がり方で「出てくる」ポイントが容易にわかるのであんまり怖くないです正直。
これは音楽の大きさで恐怖をあおるというスピルバーグの「ジョーズ」と同じ手法が採用されたとの逸話もありますが、今の基準で行くと音楽が鳴っている間に「出るぞ出るぞ」っていう怖さより、期待や覚悟が先に来ちゃう気がしますね。
その点、悪魔のいけにえは音楽もほとんどなく、いきなり唐突に表れます。
ドキっとする怖さがあります。

「キャリー」

プライアン・デ・パルマ監督作品のこちらも名作。ただこちらはどちらかというと切ない青春ホラー。
キャリーは劇中のほとんどを通して普通の内気な女の子で見てて当たり前に感情移入もできるし。レザーフェイスはそういうものを一切受け付けないですね。
理由や感情がもともとないようにも見えます。

「シャイニング」

スタンリー・キューブリックのこれまた名作ホラー。
科学的に考証した結果、最も怖い映画はシャイニングという研究結果もあるようですが、僕は「悪魔のいけにえ」の方がよっぽど怖いと思います。
「シャイニング」は呪われた部屋で現れれる双子の女の子や洪水のようにあふれだす地のシーンなど恐ろしくも芸術的に見える個所もあるように思いますが、
悪魔のいけにえはただ恐怖のみを追求した作品なのだと感じます。
唯一わかりやすい芸術的シーンと言えば朝焼けの中でレザーフェイスが舞い踊るラストシーンでしょうか。
シャイニングのレビューはこちらからどうぞ

さて、続編の「悪魔のいけにえ2」は監督こそ同じですが、前作とは打って変わってコメディ色の強いものになりました。
これは一説には「どうあがいても一作目の恐怖を超えることができなかったから、路線転換してコメディになった」とも言われています。

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