【感想 レビュー】「エイリアン2」キャメロンが描く史上最高の続編映画

エイリアン2 [Blu-ray]

「エイリアン2」は1986年に公開された「エイリアン」シリーズの2作目です。

SFホラーテイストの強かった1作目の「エイリアン」とは打って変わってアクション色の強くなった今作。

キャッチコピー「This time it’s war.(今度は戦争だ)」のとおり、人間VSエイリアンのバトル映画になっています。

2009年に「エイリアン2」はイギリスの雑誌『エンパイア』が発表した「史上最高の続編映画」で1位に選ばれるなど、評価も高い作品です。

主演は前作に引き続きシガニー・ウィーバー。

他のキャストにはランス・ヘンリクセン、マイケル・ビーンなど当時のキャメロン作品の常連俳優が加わっています。

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「エイリアン2」のスタッフ・キャスト

監督
ジェームズ・キャメロン

脚本
ジェームズ・キャメロン

原案
ジェームズ・キャメロン
デヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル

原作
キャラクター創造
ダン・オバノン
ロナルド・シャセット

製作
ゲイル・アン・ハード

製作総指揮

ゴードン・キャロル
デヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル

出演者
シガニー・ウィーバー
マイケル・ビーン
ランス・ヘンリクセン

感想・レビュー・解説

ホラーからアクションへ。

一作目のSFホラーから一転してアクション映画の趣向が強くなったエイリアン2。

キャッチコピーも『今度は戦争だ』となり、人間側の反撃の要素が強くなります。
よく、続編は失敗すると言われるのですが、この作品に関しては最高の続編のひとつだと思ってます。

「ターミネーター」シリーズのジェームズ・キャメロン監督

監督はジェームズ・キャメロン。
キャストにはランス・ヘンリクセン、マイケル・ビーンなど当時のキャメロン作品の常連俳優が加わっています。とくにランス・ヘンリクセン演じるビショップは彼の当たり役となり、2004年のエイリアンvsプレデターまでビショップ役を演じています。

生物としてのエイリアン

エイリアン2がバトル映画になったことで、『エイリアン』シリーズにホラーを求める人は一作目のエイリアンを支持する傾向にあり、その意味で2作目は否定されることもあるのですが、生物としてのエイリアンの方向性を決定付ける上でもこの『エイリアン2』は重要な作品です。

エイリアンを単体として描いた一作目のエイリアンに比べ、今作ではエイリアンは蜂や蟻のように女王をトップとする生態系の生き物であることが提示され、エイリアンクイーン→卵→フェイスハガー→エイリアンという生殖の流れも分かりやすくなりました。

※エイリアンクイーンがどうやって生まれてくるのかはエイリアン3で明らかにされます。

母親してのエレン・リプリー

もう一点は明確にリプリーに母親というテーマを与えたこと。
それは映画の冒頭で娘を亡くしたリプリーに、ニュートという新たな『娘的な存在』をあてがうことでリプリーの母性を引き出し、かつエイリアンと戦う行動原理が当初の『トラウマの払拭』よりも力強く分かりやすいものになりました。

今作を通して、リプリーはニュートと疑似親子と言えるまでの関係を構築していきます。それは娘を失ったリプリーの喪失を埋めて行く物語とも言えます。ラストでニュートがリプリーを『ママ』と呼ぶのですが、リプリーにとっては救いでもあったのではないでしょうか。

エイリアン3ではまたSFホラーに近い作風になりますが、なんだかピッチブラック(リディック)シリーズみたいですね。

ただ、やはりエイリアンシリーズとしてこのエイリアン2がこれ以上ない続編であることは疑いようありません。

いまでは製作が頓挫してしまいましたが、ニール・プロムガンプ監督の企画だったエイリアン5はこのエイリアン2の直接的な続編として企画されていました。

エイリアンという素材に明確な方向性を示し、かつバトル・アクション・エンターテインメントとしても成立するキャラクターであることを示した今作。

映画史に残る、成功した続編の一つであることは間違いありません。




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