【エイリアン5】【押井守版ルパン】…「幻に終わった映画」特集!!

無事公開された映画の裏には公開されずに製作中止などになってしまった無数の映画があります。
今回は「幻に終わった映画」特集として『エイリアン5』『押井守版ルパン』などをみていきたいと思います。

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エイリアン5(ニール・ブロムカンプ版)

Neill Blomkampさん(@neillblomkamp)がシェアした投稿


発表当時凄い話題になったニール・ブロムカンプ監督の『エイリアン5』。
第9地区」で衝撃的なデビューを果たしたニール・ブロムカンプ。現実世界の社会問題をSFにうまく転写したいわば「社会派SF」とでも呼ぶべきその作風はドキュメンタリー的な手法と相まって世界的にヒットしました。

グロテスクな描写も厭わず、かつ映画のテーマとしても普遍的かつ深いものを撮れるたニール・ブロムカンプならではの『エイリアン5』。時系列的には「エイリアン3」、「エイリアン4」をなかったことにし、「エイリアン2」から続くストーリーを想定していたとのこと。

公開されたスケッチは映画の完成度を期待させるものでしたが、『エイリアン:コヴェナント』を完成させたリドリー・スコット監督がニール・ブロムカンプ監督の『エイリアン5』が制作中止になったことをインタビューの中で答えています。

スコット監督は、「もともと脚本すら存在していなかった。たしか10ページほどのプレゼンテーションから発展したアイデアで、私はプロデューサーとして参加する予定だった」と告白。しかし、「そこから発展することはなかった。フォックスがやらないと判断し、そこで話は終わっている」と経緯を説明している。

出典:https://eiga.com/news/20170514/14/
ニール・ブロムカンプ版「エイリアン5」中止をリドリー・スコットが発表 : 映画ニュース – 映画.com



アレハンドロ・ホドロフスキー版デューン

『エル・トポ』で知られる映画監督のアレハンドロ・ホドロフスキー。彼が一流のそうそうたるスタッフ・キャストを集めて企画したのがフランク・ハーバートの小説を映画化した「デューンでした。

集められたメンバーは

スタッフ

メカデザイン…クリス・フォス(SF画家)

キャラクターデザイン、絵コンテ…メビウス(バンド・デシネ)

特撮担当…ダン・オバノン

悪役ハルコンネン男爵の城のデザイン…H・R・ギーガー

音楽…ピンク・フロイド、マグマ

キャスト

ハルコンネン役…オーソン・ウェルズ、

皇帝役…サルバドール・ダリ

他にもキャストにはローリング・ストーンズのミック・ジャガーがキャスティングされるなど豪華メンバーが集められましたが、配給元が決まらず、制作中断になっています。

後年、同名小説をデヴィッド・リンチが『デューン/砂の惑星』として映画化。1984年に公開されています。

またこのアレハンドロ・ホドロフスキー版デューンが制作中止に至る顛末を描いたドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』が2013に公開されています。



押井守版ルパン三世

『ルパン三世 カリオストロの城』の次に制作されるはずだった『押井守版ルパン三世』ですが、その難解な内容から脚本の段階で頓挫。当時、映画館で配布されていた制作中の映画を紹介するチラシには押井監督ルパンの公開が予告されており、その期待の高さを伺わせます。当時のキャッチコピーは「世紀末、彼は時代を盗んだ」
結局1カットも描かれることのなかった『押井守版ルパン三世』ですが、その結末は「ルパンは存在しなかった」というものであり、子供も楽しめる娯楽作品を求めるスポンサーには到底受け入れられるものではありませんでした。

『押井守版ルパン三世』のあらすじ

ある狂気の建築家が東京のど真ん中にバベルの塔を模倣した塔を建てるが、完成当日に投身自殺する。

ウェルカム・トゥ・ネバーランド駅。世界中にもう盗むモノが無くなり、怪盗としてのアイデンティティを喪失し、酒場でポーカーで大儲けしたものの袋叩きに遭い、身ぐるみはがれたルパンと次元。「そろそろ何かやろうぜ」と次元が促すもルパンは「今更何をやるんだ」とやる気をなくしていた。そこに若い女が依頼を持ち込んできた。

依頼は、伝説では現実と非現実の狭間にあるようなものと言われている「天使の化石」を盗むこと。大戦中にアフリカで発掘された後、ナチスの手に渡って、そしてイスラエルに渡り、なぜか日本に持ち込まれているという。最終的にそれを見つけるものの、それはフェイク、ただのプルトニウムだった。それをルパンが触れてしまったことで大爆発を起こし、東京が壊滅する。

しかし、これもフェイクだった。実際には爆発も嘘だった。だからルパンが現実である訳がない。

そう、最初からルパンなんていなかったのだ。

出典:http://ja.lupin.wikia.com/wiki/%E6%8A%BC%E4%BA%95%E7%89%88%E3%83%AB%E3%83%91%E3%83%B3%E4%B8%89%E4%B8%96
押井版ルパン三世 | ルパン三世 Wiki | FANDOM powered by Wikia

昔と違い豊かになった社会で、「宝」を盗む泥棒としてのルパンは成立するのかという問い。

ルパン三世 カリオストロの城』ではその問いを交わすかのように、時代性を排除し、架空の世界で古典的にファンタジーの中にルパンたちを閉じ込めました。
なので『カリオストロの城』でルパンは少女の恋心を盗むんですね。

2009年の作品『ルパン三世 GREEN vs RED』ではルパンの存在そのものを問う異色の作品に仕上がっていて、『押井守版ルパン三世』に強く影響された作品ではないかと言われています。



リンダリンダラバーソール


リンダリンダラバーソール―いかす!バンドブーム天国 (ダ・ヴィンチ・ブックス)

『リンダリンダラバーソール』は筋肉少女帯の大槻ケンヂさん原作の小説です。
半自伝的な作品ですね。

今までに大槻ケンヂさんの作品は

『ステーシー』
『縫製戦隊ヌイグルマー』
グミ・チョコレート・パイン

の三作品が映画化されていますが、この『リンダリンダラバーソール』にも映画化の話があったようです。

詳しくは『オーケンの、私は変な映画を観た!! 2 』に詳しいですが、オダギリジョーさん主演で脚本までできていましたが、いつの間にかなくなってしまったそう。

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