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【レビュー】「スターシップ・トゥルーパーズ」90年代のカルト作を解説!

スターシップ・トゥルーパーズ [DVD]

「スターシップ・トゥルーパーズ」はポール・ヴァーホーベン監督のSF映画です。

ナチスや全体主義を皮肉った作風と過度な残酷描写でカルト的な人気があります。

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「スターシップ・トゥルーパーズ」のスタッフ・キャスト

監督
ポール・バーホーベン

脚本
エド・ニューマイヤー

製作
アラン・マーシャル
ジョン・デイビソン

音楽
ベイジル・ポールドゥリス

撮影
ヨスト・ヴァカーノ

編集

キャロライン・ロス
マーク・ゴールドブラット

出演者
キャスパー・ヴァン・ディーン
マイケル・アイアンサイド
デニス・リチャーズ
ジェイク・ビジー
マイケル・アイアンサイド
ニール・パトリック・ハリス

「スターシップ・トゥルーパーズ」のあらすじ

民主主義崩壊後の新政府、地球連邦では軍部を中心とした「ユートピア社会」が築かれていた。社会は清廉で、人種・男女の差別なくまったく平等に活躍しているが、軍歴の有無のみにより峻別され、兵役を経た「市民」は市民権を有し、兵役につかなかった「一般人」(劇場版日本語字幕では「庶民」)にはそれが無い。銀河全体に殖民を始めた人類だが、その先で遭遇した先住の昆虫型宇宙生物(アラクニド・バグズ)の領域を侵したため紛争が発生し、アラクニド・バグズが地球に対し小惑星を突入させる奇襲攻撃を仕掛けてきたため、全面戦争が始まった。

主人公ジョニー・リコは、高校卒業後地球連邦軍に入隊して宇宙戦艦のパイロットを志望するカルメン・イバネスに憧れ、「一般人」の両親の反対を押し切って軍に入隊。優秀なカルメンは艦隊アカデミーへ、超能力者の友人・カールは情報部へ配属されるが、リコは機動歩兵隊へ配属され、訓練キャンプでしごかれる日々を送る。訓練中、自らの判断ミスにより同期一人を殉職させる事故を起こしたことで、一旦は除隊しようとしたリコだったが、奇襲攻撃で故郷ブエノスアイレスが壊滅したため復讐心に燃えて機動歩兵に復帰し、宇宙での戦いに加わる。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BA
スターシップ・トゥルーパーズ – Wikipedia

感想・レビューと作品解説

『スターシップ・トゥルーパーズ』は元はロバート・A・ハインラインが1959年に刊行された『宇宙の戦士』という作品が原作です。

SF小説の古典『宇宙の戦士』

作品の舞台は唯一軍歴の有無だけが『市民』と『一般人』という階級を分ける、軍国主義の未来社会。人類はアラクニドと呼ばれる昆虫型の宇宙生物と戦争へ突入していました。

ハインラインが『宇宙の戦士』を出版した時はちょうどベトナム戦争へ突入しようかという時でした。ハインライン自身の右傾化もあり、『宇宙の戦士』は右翼賛美の小説として物議を醸すことになりました。

しかし、『スターシップ・トゥルーパーズ』において、ポール・ヴァーホーベンはその右翼賛美の内容をそのまま皮肉を効かせたギャグにして演出したのです。

『宇宙の戦士』は多くのSF作品に影響を与えた、SF小説の古典とも言うべき作品ですが、それをポール・ヴァーホーベンが映画化するとここまでカルトな作品になるのかと思います。

エロ・グロ、まさにヴァーホーベン監督テイスト満載ですが、普通に映画作品としてもエキサイティングなのがたまらないです。

そう、ギャグか!と思うくらい人体破壊描写が凄いんですよ。もう千切れる千切れる。。

人体がバラバラになるのが平気なら多分楽しめるかと。

ただ、血とかはそんなに出ないんで、血がダメな人は見れるかな?とおもいます。

ロバート・ロドリゲスとは逆ですね。

ストーリーはシンプルで分かりやすく、前述の注意点を理解できる人であればそこそこ楽しめると思います。

軍国主義のパロディ

戦争の始まった理由は描かれず、終始地球側の情報や価値観で語られる映画。また映画は全編を通して戦意高揚のための疑似CMを流しています。

しかし、地球軍の制服はナチス・ドイツの制服そっくりですし、劇中の台詞『いい虫は死んだ虫だけだ』は、インディアンを壊滅させたフィリップ・シェリダンの言葉をもじっています(シェリダンの言葉は『いいインディアンは死んだインディアンだ』)。

そもそもこの映画自体がナチス・ドイツの映画『意思の勝利』のパロディであることはヴァーホーベン自らが認めるところです。

普通にみればちょっと残酷&グロテスクなバトルエンターテインメントなのですが、『裏』を知ることでこの映画が過度な軍国主義を皮肉った作品であることがわかります。

映画で大きな違いがあるのが『パワードスーツ(※)』の有無。

※エイリアン2でリプリーがエイリアンクイーンと戦うときに使ったやつをイメージしてください。

機動戦士ガンダムも『宇宙の戦士』のパワードスーツに影響を受けたほど、作品を象徴するアイテムなのですが、映画版では一切使われていませんでした。

そのおかげか劇中では人体切断がビシバシ起きる!(そもそも俳優の動きが見えにくくなるようなアイテムは一般にはハリウッドで禁忌とされているようです。)

ポール・ヴァーホーベン

さて、ここでポール・ヴァーホーベンについて少し説明させてもらえればと思います。

ポール・ヴァーホーベンは1938年にオランダで生まれました。当時のオランダはナチス・ドイツの占領下。そこで道端に死体が転がっているような日常をヴァーホーベンは過ごしました。

1971年に『Wat Zien Ik?』で映画監督デビュー、その後1977年に公開された『女王陛下の戦士』の成功により、活動の場所をアメリカに映します。その後も『ロボコップ』や『トータル・リコール』、そして本作『スターシップ・トゥルーパーズ』をヒットさせます。

『ロボコップ』や『トータル・リコール』のグロテスクな描写やフリークスのキャラクターなどは、幼年期のトラウマの反映なのでしょう。

その後は再びオランダに戻り、ナチス占領下のオランダをテーマにした『ブラック・ブック』や『エル ELLE』などを発表しています。

『スターシップ・トゥルーパーズ』の「皮肉」

さて、『スターシップ・トゥルーパーズ』も凄惨な人体破壊描写が多々ある作品なのですが、映画評論家の町山智浩氏によると、「ギャグとして撮ってる」そうで、「首が飛ぶ度に観客はゲラゲラ笑っていた」そう。とは前述の通りですが、そんな国家の軍隊がなすすべもなく敵に壊滅させられるのはポール・ヴァーホーベンならではの強烈な皮肉なのかもしれません。

前述のとおり映画は全体としてナチスドイツの映画『意思の勝利』のパロディでもありますし、疑似CMは第二次世界大戦中にアメリカが作った戦意高揚のための映画のパロディです。それらを過度に表現することで、それらを強烈に皮肉っています。

ヴァーホーベン曰く『作中でファシズムの思想や創造力をもてあそぶことを通じて、アメリカ社会のある側面を描き出そうとした』とのことです。



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