【レビュー】「42 〜世界を変えた男〜」黒人初のメジャーリーガーの実話

黒人初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンの実話をもとにした作品です。

野球映画としてはオープニングの成績の新記録を樹立。

アメリカを今なお覆う人種差別の問題ですが、この映画は戦後すぐのアメリカ社会が黒人にどういう対応をしていたかが垣間見れる作品となっています。

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「42 〜世界を変えた男〜」の予告編

「42 〜世界を変えた男〜」のスタッフ・キャスト

監督
ブライアン・ヘルゲランド

脚本
ブライアン・ヘルゲランド

製作
トーマス・タル

製作総指揮
ジェイソン・クラーク
ディック・クック
ジョン・ジャシュニ

出演者
チャドウィック・ボーズマン
ハリソン・フォード

「42 〜世界を変えた男〜」のあらすじ

戦争が終わり、野球選手も戦争から復員した1945年。しかし黒人は慣習により、メジャーリーグには挑戦できず、野球で身を立てるにはニグロリーグで全国巡業しかなかった。

しかし一人の男は違っていたー。

「ニューヨークには黒人の野球ファンが大勢いる」

ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャー、ブランチ・リッキーはニグロリーグからのスカウトを考えていた。

ジャッキー・ロビンソン

ジャッキー・ロビンソンは野球巡業で生活する青年だった。
ジャッキーには隔離政策に従わない頑固さはあったものの、その打率と経験からスカウトの目に留まることになる。

三軍のロイヤルズから、ゆくゆくニューヨークのドジャースへ。
そのチャンスにジャッキーは乗り気だがリッキーからは一つの条件。

短気を抑えること。

『やり返す勇気のない男になれというのか?』というジャッキーに対しては
『やり返さない勇気を持て』と伝えるのだった。

ニューヨーク・ブルックリンのロイヤルズへ入団

かくしてジャッキーはニューヨーク・ブルックリンのロイヤルズへ入団。
恋人のレイとも結婚し新たな生活が始まる。

迎えたキャンプ初日、記者の意地悪な質問も冷静に受け答えし、ジャッキーも好プレーをする。
しかしコーチはジャッキーを「ニガー」と呼び、嫌悪感を隠しきれない。

ドジャース対ロイヤルズのオープン戦

ドジャース対ロイヤルズのオープン戦、案の定ジャッキーは観客からのブーイングだったが、盗塁とボークで一点追加させる。

しかし、その夜ジャッキーの宿泊先に黒人が町にいることに対してクレームが入る。しかたなく場所を移すことに。

白人からの差別を受けながらも、自慢の俊足で試合では活躍。しかし、フロリダの試合では保安官からのクレームで黒人は白人と野球してはならないということで途中退場となってしまう。

そんな中でも町には彼を応援する白人もいることがわかり、またジャッキー自身も成績が認められ二軍へ昇格する。

変わらず試合では活躍し、コーチからも心から認められるようになる。

ドジャース内の「人種問題」

子供も生まれ、ドジャースへの昇格も見えてきたが、ドジャース内では選手がジャッキーとのプレーを拒否する動きが広まっていた。

感想・レビュー

黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン

そのジャッキー・ロビンソンの偉大な功績から現在アメリカの全球団で背番号42は永久欠番になっています。

野球そのものよりも、野球で生活する中でどのような差別や妨害があったのかに焦点が当てられているため、試合でのスリリングさやスポーツの醍醐味を期待して観ると少し肩透かしを食らうかもしれません。

どちらかというと、ジャッキーが打てるのかどうなのかよりも、ボールがジャッキーの頭に当たるのか当たらないのかを心配してしまう、そんな映画です。

50~60年代を舞台にした映画を観ているとしばしば人種隔離政策であったり、有色人種への差別が描かれています。

しかし、現代においても表向きは平等と言いながら、差別の空気は常にあるんですね。

92年のロス暴動、また記憶に新しいゴールデングローブでの受賞者が白人だけだったことに対する抗議と批判。

作中、もっとも我々観客からの殺意を受けたであろう、フィリーズの監督のジャッキーに対する人種差別発言の数々。

こんなの今やろうもんならSNSで大炎上、野球人としてのキャリアも破滅してしまう気がしますが。。

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