【早撮り】あっという間に完成!?監督たちの「早撮り」エピソード

映画の製作には通常数年、撮影だけでも半年近くかかることもあります。

しかし世の中には作品をあっという間に完成させる「早撮り」の監督もいるのです。

そこで今回は『あっという間に完成!?監督たちの「早撮り」エピソード』と題して、早撮りで作られた映画とその監督たちをご紹介します!

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ロジャー・コーマン監督

「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」…2日と1晩(撮影)

『B級映画の帝王』と称されるロジャー・コーマン。『私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか』という著作からもわかるように、すさまじく合理的で有名。

この『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』はその最たるもので、たった2日と一晩で撮影されたという逸話があります。

(ただ、この撮影期間の真偽については異論もあるよう。)

ロジャー・コーマンのもとからはマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラやジェームス・キャメロンなど、のちのハリウッドを代表する映画人を輩出していることでも有名です。

ちなみに、この『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』には、若き日のジャック・ニコルソンも出演しています。

スティーヴン・スピルバーグ監督

「プライベート・ライアン」…60日間(撮影)

冒頭のオハマビーチでの戦闘シーンは『映画史に残る20分』と称されるなど、戦争映画の枠を越えて評価の高い『プライベート・ライアン』。

映画は三時間近くある大作なのですが、撮影に要した時間はわずか60日。

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」…9か月(思い立ってから完成まで)

ドナルド・トランプが大統領に就任してからこの作品の製作を思い立ち、11月には劇場公開されたということで、なんと思い付いてからわずか9ヶ月で全てを完成させたことになります。
そこにはスピルバーグの想いがありました。

「この映画は、フェイク・ニュースに対する解毒剤である」と、スピルバーグ監督は断言しています。権力による報復を恐れて萎縮し、異なった意見や価値観による議論が行われないことは危険だと考えた監督が、「権力に対して真っ向から勝負した」先例を示し、マスコミに対して“ゲキ”を飛ばしたのは間違いありません。

元々、製作スピードの早さで知られるスピルバーグ監督ですが、今作はたった9カ月という短期間で撮り上げたことも大きな話題。トランプ大統領が就任してわずか45日後に製作を発表したこととも合わせて、「いま撮らなければならない」「いま訴えなければならない」という危機感の高さがうかがえるはずです。

出典:https://movie.smt.docomo.ne.jp/article/1115219/
スピルバーグ監督最新作『ペンタゴン・ペーパーズ』は、名作『大統領の陰謀』とセット見でさらに面白くなる! | dmenu映画

クリント・イーストウッド監督

「許されざる者」…39日(撮影)

「ミリオン・ダラー・ベイビー」…37日(撮影)

チャールズ・ロートン監督

俳優として活躍していたチャールズ・ロートンですが、監督した「狩人の夜」が興行的に失敗したため、今作が唯一の監督作になっています。

「狩人の夜」…36日(撮影)

『狩人の夜』は1955年制作のアメリカ映画。公開当時は興行的に失敗したものの、後年、スリリングなストーリーやロバート・ミッチャムの演じた狂気の伝道師、ハリーの演技が高い評価を生み、カルト映画として再評価されています。

日本では公開から35年後の1990年にようやく劇場公開されています。

大林宣彦監督

「時をかける少女」…28日間(撮影)

原田知世の映画デビュー作にして初主演作です。大林宣彦監督にとってはいわゆる「尾道三部作」の一作目にあたります。

今作のプロデューサーは原田知世を芸能界入りさせた角川春樹自身。

原田知世に惚れ込んでいた角川春樹は「彼女に1本だけ映画をプレゼントして引退させようと思う」と大林宣彦に今作の監督を依頼します。
そのため、撮影は原田知世が中学を卒業してから高校に入学するまでの28日間という短期間撮影したという逸話があります。

後年、監督の大林宣彦は「この映画と知世は天の配剤めいていた。映画の神様が降りて来たんでしょうかね。あの頃の知世でしか撮れなかった。半年遅れても撮れなかったでしょう」と本作について語っています。

バフマン・ゴバディ監督

「ペルシャ猫を誰も知らない」…17日(撮影)

「ペルシャ猫を誰も知らない」は2009年のイラン映画。自由を制限された環境の中で、文字通り命がけで自由を求めるミュージシャンの姿を描く作品です。
今作に登場するミュージシャンはほとんどが実際の本物のイランのアンダーグラウンドで活躍しているミュージシャン。
当局の許可を得ない常に逮捕と隣り合わせの危険な撮影。警察に見つかる前に素早く撮り終わらなくてはならないという事情もあり、撮影期間はたった17日間。
しかし、バフマン・ゴバディ監督にとっては17日間が17か月にも感じられるほど、過酷で最悪な環境だったそう。

バフマン・ゴバディ監督はこの映画を製作したため、イランを離れ、現在、海外に居住しています。イランに戻ると、逮捕されるか、二度と国外に出してもらえないか、どちらかだということです。



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