【ネタバレレビュー】カルト映画「アギーレ/神の怒り」は評価に恥じない怪作だ!

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アギーレ/神の怒り Blu-ray

ヴェルナー・ヘルツォーク監督、クラウス・キンスキー主演の1972年の西ドイツの映画。
カルト映画としても有名ですね。黄金郷(エル・ドラド)を目指したピサロの部下の一隊に訪れる苦難と対を率いる男の没落を描いた作品です。

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「アギーレ/神の怒り」のスタッフ・キャスト

監督
ヴェルナー・ヘルツォーク

脚本
ヴェルナー・ヘルツォーク

製作
ヴェルナー・ヘルツォーク
ハンス・プレッシャー

出演者
クラウス・キンスキー
ヘレナ・ロホ
デル・ネグロ
ルイ・グエッラ
ペーター・ベルリング

「アギーレ/神の怒り」のあらすじ

感想・レビュー

名前だけは以前Wikipediaのカルト映画の項目に載ってたんで知ってました。

たまたまTSUTAYAの棚にあったんで借りてきちゃったんですけど、予想してたより非常にサイレントな映画でしたね。

エルドラド、分かりやすく言えば黄金郷を目指して、中南米の未開の地の征服に乗り込む話なんですが、冒険映画やミステリーみたいにわずかなヒントをたぐり寄せて、噂の真偽を確かめるような展開はないし、かといって先住民を敵としてその地の征服のために戦いまくるというストーリーでもないです。

ただ、エルドラドを目指す一行がだんだんアギーレの狂信的な欲望に支配されていく様子を写しています。アギーレを演じるクラウス・キンスキーの狂気に満ち満ちた演技が凄く印象的。

インカ帝国を支配したピサロ率いる一軍の副隊長という役柄ですね。

武力による下克上で実質的な指導者に躍り出て、その信念と体力、残忍さで隊員を率いていく。

反対派を容赦なく処刑し、たまらずその場で首をはねることさえ行う。

それまでに残忍なアギーレですが、かれのエルドラドへの信念は宣教師から忠告を受けようが、仲間が何人倒れようが、果てに実の娘も命を落とそうが全く揺るがない。もはや狂気、狂執とさえ呼んでいいほどです。

人間としてはゲスの部類に入るでしょうが、ラストシーン、リスザルしかいない船の上で一人再起を誓う場面ではアギーレがあたかも何かの英雄のようにすら感じてしまうんですね。

映像としてはジャングルの独特の湿気であったり、人間を拒むかのような緑の世界をうまく表現してましたね。なんとなく空気のねちっこい感じ。そのなかにインディオの鮮やかな衣装が好対称でもありました。

そして次々に命を落としていくインディオたち。劇中の設定では200人ほどのインディオが奴隷として旅に同行しているとのことでしたが、画面の端々にインディオの遺体も写し出されます。

当初ら副題の神の怒りはそうしたインディオ達の怒りを代弁したのかと思いました。(実際に先住民達の攻撃によって、一行の大半は殺されていきます。)

レオナルド・ディカプリオの『レヴェナント 』でも同様の描かれ方をしていましたが、先住民ってただ征服者に虐げられる存在というだけでもなくて、征服者にとっての脅威でもあるんですよね。

しかしながら今作の神というのはどうやらアギーレ自身のこと。

神に近い支配欲、自尊心、それなのに目的がなかなか果たせない苛立ち。

それが『神の怒り』のようです。

クラウス・キンスキーの怪演が光ります。

タイム誌の選ぶ映画100にも選考された今作。

ヴェルナー・ヘルツォーク監督初期の傑作でもあります。