『ターミネーター』は1984年に公開された。アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェームズ・キャメロンの出世作。
もとは低予算のB級映画として制作された本作ですが、斬新なアイデアとストーリーでヒット。
続編の『ターミネーター2』では製作費は一億ドルを超え、これまでに4本の続編映画、一本のドラマ(『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』)が製作されています。
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「ターミネーター」のスタッフ・キャスト
監督
ジェームズ・キャメロン
脚本
ジェームズ・キャメロン
ゲイル・アン・ハード
製作
ゲイル・アン・ハード
製作総指揮
ジョン・デイリー
デレク・ギブソン
出演者
アーノルド・シュワルツェネッガー
マイケル・ビーン
リンダ・ハミルトン
「ターミネーター」のあらすじ
近未来、世界では機械(スカイネット)と人間の争いが続いていた。
戦争の行方はジョン・コナーという指導者の登場により、人類に有利になっていく。
危機を覚えたスカイネットは、タイムマシンでジョンの母親を殺害するためにターミネーターを送り込む。
その事に気づいた抵抗軍も、一人の兵士を過去に送り込むのだった。
1984年。ロサンゼルス。
タイムスリップしたターミネーターは、絡んできた不良を殺害。服を奪いその場を跡にする。
同じ頃、抵抗軍の兵士カイル・リースもタイムスリップし、ホームレスから服を奪う。そのことが原因で警察から追われるカイルだったが、逃げ込んだデパートで靴など一式を揃え、町のなかに消えていく。
ファミレスでバイトしている女子大生のサラ・コナーは自分と同姓同名の女性が続けて殺害されていることを知る。
ターミネーターがサラ・コナーという名前を頼りに該当する人間を片っ端から殺害していたのだった。
最後の「サラ・コナー」の家に侵入したターミネーターは、たまたま部屋にいたサラの同居人を殺害。目的を達したかに思えたが、留守電のメッセージにより、本当のサラ・コナーが町のクラブにいることを知る。
サラは連日の事件と、自分を尾行する男に怯え、クラブから電話を掛けていたのだった。
クラブに現れたターミネーターはついにサラの頭部に銃の照準を合わせる。
引き金を引く瞬間、尾行していた男のショットガンがターミネーターを吹き飛ばした。
男はカイル・リース。サラを守るために未来からやって来た抵抗軍の兵士だった。
撃たれても死なずなおも追ってくるターミネーターをカイルは車でなんとか振り切る。
しかし、ターミネーターは警官を襲い、パトカーを強奪。警察無線を頼りにカイルとサラの行方を追う。
感想・レビュー・解説
ジェームス・キャメロンは今作『ターミネーター』で監督としてブレイクし、リドリー・スコット監督の『エイリアン』の続編、『エイリアン2』や、『タイタニック』、『アバター』など、世界興行収入を塗り替える作品を世に送り出しています。
ターミネーター着想の原点
ジェームス・キャメロンの前作は『殺人魚フライング・キラー』という作品で、批評家には酷評され、ノイローゼになってしまうほどでした。
そして『殺人ロボットが自分を殺しに来る』という悪夢を見ます。
その夢こそがターミネーターの骨格になったのは言うまでもありません。
ただ、ここからがキャメロンの凄いところで、殺人ロボットを映画化するには未来の話でなければなりませんし、そうなると予算がかかります。
それを避けるために『殺人ロボットが未来からやって来て現代で闘う』としたところでしよう。
殺人ロボット(ターミネーター)も、金属の骨格を生きた細胞で覆っているという設定にすることにより、生身の俳優にそのまま演技させることが可能になっています。
しかし金属の骨格を生きた細胞で覆うという設定を知ったときは幼いながらにその斬新さに心底驚いたものです。
ターミネーター役の配役
当初、ターミネーター役にはランス・ヘンリクセンが予定されていました。
そのときのジェームズ・キャメロンの頭にあったのは、「ぱっと見はひ弱そうな外見だが、実はロボットで強い」というもの。
そのイメージからいくと、ランス・ヘンリクセンは正にぴったり。
しかし、ジェームズ・キャメロンが、カイル・リース役の候補として、アーノルド・シュワルツェネッガーと面談しているときに、シュワルツェネッガーこそがターミネーター役にふさわしいのではないかと思い直すようになりました。
オーストラリア育ちで強い訛りのあった彼の英語もかえってロボットという役柄には合っていました。
ターミネーター(ロボット)して見たときのシュワルツェネッガーの演技は、ロボットにしては軽快すぎるシーンもあるものの、「まず目線を動かしてから首を動かす」ような細かいこだわりも垣間見えます。
低予算の作品
しかしながら、シュワルツェネッガーが演じるT-800が燃え上がり骨格だけになったあとは流石に低予算感を隠しきれない様子。。
コマ撮りのようにカクカクした動きにはどうにも苦笑を禁じ得なかったのを覚えています。
ターミネーターの圧倒的な力に愛する者を失いながらもなんとか勝利するサラ・コナー。
ラストシーンでのセリフ、『嵐が来る』と伝えられたサラの返答『わかってるわ』は、更なる波乱を予想させる、続編を意識したセリフとも言われています。
ただ、ターミネーターシリーズ自体はジェームス・キャメロンがその権利を当時の妻のゲイル・アン・ハードに売ってしまったおかげで、一作ごとに製作会社が変わり、このあとの『ターミネーター2』まで7年もの月日が空くことになってしまいました。
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