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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」は2002年に公開されたクレヨンしんちゃん劇場版第10作目の映画です。

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「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」のスタッフ・キャスト

監督
原恵一

脚本
原恵一

原作
臼井義人

製作
茂木仁史
太田賢司
生田英隆

出演者
矢島晶子
ならはしみき
藤原啓治
こおろぎさとみ
屋良有作
小林愛
山路和弘
宮迫博之
蛍原徹

「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」のあらすじ

ある夜、野原一家は全員揃って時代劇に出てくるような格好をした綺麗な”おねいさん”の夢を見る。しんのすけが幼稚園から帰ると、犬のシロが庭を掘り返していた。その穴から見つけた文箱の中には「おらてんしょうにねんにいる」と読める汚い字とぶりぶりざえもんの絵が描かれた手紙が入っていた。埋めた覚えはないのにと訝しがるしんのすけだが、「おひめさまはちょーびじん」という一文を見て朝の夢を思い出し、”おねいさん”に思いを馳せながら目を閉じる。

目を開けた瞬間、しんのすけは夢で見た泉の畔に立っていた。訳もわからず歩いているうちに、軍勢同士の合戦に遭遇してしまう。最初は時代劇の撮影だと思い込むしんのすけだが、偶然から一人の侍の命を救う。井尻又兵衛由俊(いじり またべえ よしとし)というその侍は、命を救ってくれた恩からしんのすけを自分たちの城、春日城に案内してくれるという。そこには、しんのすけが夢で見た”おねいさん”こと廉姫(れんひめ)がいた。

又兵衛と廉姫が想いを寄せ合っている事を察したしんのすけは2人の仲を取り持とうとするが、二人は身分の違いからお互いの想いを打ち明けられずにいた。

出典:クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 – Wikipedia

感想・レビュー

「オトナ帝国の逆襲」とならぶ、クレヨンしんちゃん映画の傑作

「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」は「オトナ帝国」とならび、人気の高いクレヨンしんちゃん劇場版作品です。

「オトナ帝国」は『映画秘宝』の映画ベスト10で2001年度の1位をとっていますが、「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」は2002年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など公的な評価も得ています。さらにこの作品が原案となり、2009年には『BALLAD 名もなき恋のうた』が製作・公開されるなど、クレヨンしんちゃんが名作アニメにもなりうるということを決定的にした作品だと思います。

今回は戦国時代にタイムスリップした野原しんのすけ一家。

戦いの空気が色濃く漂うその時代から何とかして現代へ戻ろうとしますが、戻り方がわからず、また戦の気配もだんだんと近づいてくるなかで、野原一家は戸惑いながらも家族のため、そして未来のために行動を起こします。

かなりの異色作

今作は他のクレヨンしんちゃん映画と比べるとかなりの異色作。

というのは、はっきりした「敵」が中々現れず、しんのすけ家族以外はほとんど「味方」同士の物語が進んでいく点。

ここでいう味方同士の物語とは井尻又兵衛と廉姫の恋模様が中心なのですが、これは他のクレヨンしんちゃんの映画にはほとんど見られないポイントです。

例えば「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」と人気を二分する「オトナ帝国」。この作品も敵の姿がすぐに現れるわけではありませんが、序盤から無気力になり20世紀博へ引き寄せられていくオトナたちなど、「見えざる敵(イエスタディ・ワンスモア)」の存在は強烈に示され、残されたしんのすけ(とかすかべ防衛隊)がそれとどう戦うのかが物語の中心でした。

井尻又兵衛は本来、争い事を好まぬ虫も殺さないと言われたほどの優しい人間であり、純粋かつ木訥な人物。そんな彼を皆は『青空侍』と言います。

いつも空ばかり見上げているような男だから、ということですが、そんな又兵衛も一度戦になると、剣の能力を発揮し数多の敵を殺めるようにもなっていました。

それも戦国時代という時代のせいなのですが、決して又兵衛も廉姫も時代に逆らおうとはせず、その時代に生まれた運命をただ粛々と受け入れているように思えます。



他の名作映画にも遜色ないストーリー

「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」を原案にした『BALLAD 名もなき恋のうた』の監督、山崎貴はジャンルを問わず自分が知っているストーリーの中で一番いい物をと考えると本作に行き当たったと述べています。

ジェットコースターのようなアクション満載の作品ではなく、どこか牧歌的で落ち着いた作品。それは前述のように、戦国を生きる人々がその時代の運命を受け入れているということもあるのでしょう。(対称的に野原一家は現代へ必死に帰ろうとしていますが。)

生活の描写も丁寧で、合戦の前には田を刈るなど、他の時代劇映画では中々見られない細かいところまで時代考証はしっかり行われています。そういうところも含めて『クレヨンしんちゃん』のパブリックイメージに囚われずに、本当にしっかりと作ってある名作映画です。

もちろん子供のみならず、オトナが観ても大丈夫。クレヨンしんちゃん屈指の感動作を楽しんでください。



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