「シンドラーのリスト」は1993年のアメリカ映画。
スティーヴン・スピルバーグ監督、リーアム・ニーソン主演で、第二次世界大戦中のドイツで多くのユダヤ人をホロコーストから救った実在のドイツ人実業家、オスカー・シンドラーを描いています。
「シンドラーのリスト」のスタッフ・キャスト
監督
スティーヴン・スピルバーグ
脚本
スティーブン・ザイリアン
原作
トーマス・キニーリー
『シンドラーの箱船』
製作
スティーヴン・スピルバーグ
ジェラルド・モーレン
ブランコ・ラスティグ
製作総指揮
キャスリーン・ケネディ
音楽
ジョン・ウィリアムズ
撮影
ヤヌス・カミンスキー
出演者
リーアム・ニーソン
ベン・キングズレー
レイフ・ファインズ
「シンドラーのリスト」のあらすじ
1939年9月、ドイツ軍によりポーランドが占領され、ポーランドの都市クラクフもドイツ軍の占領下に置かれた。ユダヤ人を激しく蔑視するナチス党政権下のドイツ軍はクラクフ在住のユダヤ人に移住を強制し、彼らをクラクフ・ゲットーの中へ追放していた。
そんな中、ナチス党の党員でもあるドイツ人実業家オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)が、クラクフの町へやってきた。彼は戦争を利用してひと儲けすることを目論み、潰れた工場を買い取って琺瑯容器工場の経営を始めた。
有能なユダヤ人会計士イザック・シュターン(ベン・キングスレー)に工場の経営を任せ、安価な労働力としてゲットーのユダヤ人を雇い入れ、また持ち前の社交性でSSの将校に取り入って自らの事業を拡大させていった。
しかしやがて冷酷なSS将校アーモン・ゲート少尉(レイフ・ファインズ)がクラクフ・プワシュフ強制収容所の所長としてクラクフに赴任して来る。ゲートとその部下のSS隊員達は、ゲットーや収容所においてユダヤ人を次々と殺戮していく。シュターン初め、シンドラーの工場で働くユダヤ人たちにも危機が迫る中、金儲けにしか関心がなかったシンドラーの心境に変化が生じていく。そして彼はあるリストの作成を決意する。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88
シンドラーのリスト – Wikipedia
感想・レビュー
今更ながら「シンドラーのリスト」みました!主演、リーアム・ニーソンだったんですね。なんだか『96時間』などのたくましい&ハードなイメージとは対照的です。
恐らく日本人に『国外の映画監督と言えば?』と聞くとダントツで一位になりそうなスティーブン・スピルバーグ。
エンターテインメントだったり、ハッピーな作品を作るイメージがつよいかもしられませんが、社会派の作品も多く監督していて、特に『プライベート・ライアン』では戦争のリアルさをそのまま伝えるような残酷描写で描き出された冒頭のオハマビーチでの戦闘シーンは「映画史に残る20分」と呼ばれています。個人的にはこういった骨太な演出もスピルバーグの持ち味かなと思います。
そんなスピルバーグが社会派の作品で初めて高い評価を得たのが『シンドラーのリスト』です。
実在の人物、オスカー・シンドラーが自社工場の従業員として多くのユダヤ人を雇い入れ、彼らを強制収容所送りから救ったエピソードが基になっています。
『シンドラーのリスト』でも、まるでレジャー・ハントのようにユダヤ人を射撃するナチスの大尉、アーモンなど、そこにある暴力はアクション映画におけるエンターテインメントでは全くなく、ただ冷徹な衝撃を淡々と我々に与えます。
映画はほとんどにおいてモノクロ。これにはスピルバーグの『第二次世界大戦はほとんどモノクロの資料のため、モノクロのほうが説得力がある』という考えからです。しかしながらシンドラーにとって印象的な物事は敢えてカラーで見せるなと、画づくりの面でも挑戦的な作品でもありました。
オスカー・シンドラー
さて劇中では終始善人のシンドラーですが、史実のオスカー・シンドラーにはその人物像の捉え方に様々な視点があることが面白いです。
もちろんスピルバーグがユダヤ人ということで劇中のシンドラーの人物像には善人寄りのバイアスはあることは意識してしまいますが。
ナチス・ドイツやユダヤ人迫害は年に何回か調べたくなるテーマ。
杉原千畝なども深く調べてみたいです。
氏の素晴らしい功績はもちろんだけど、今の文脈で論じてしまうと、ヒューマニズムの偉人のような捉えられ方をしていて、個人的には感覚的な違和感があります。
戦後の『欧米譲りの』価値観でもって判断していないだろうか?とも思います。
そもそも当時の国際社会で人権意識はどれほど醸成されていたのか、それが未発達というのなら、杉原の意志を貫く根幹は何から得ていたのかなど、興味はつきません。
「シンドラーのリスト」の名セリフ
「車を売れた、アーモンへ。この車で10人を救えたはずだ。10人だぞ。あと10人を。
このバッジで2人、救えた。金だから、2人は救えた。アーモンなら2人と交換した。
例え1人でもいい。1人救えた。
人間1人だぞ。
このバッジで。
努力すれば、もう1人救えたのに――しなかった。
救えたのに。」
「一人の命を救えるものは世界を救う」