【ネタバレレビュー】「プラトーン」戦争は人間性をどこまで奪うのか

「プラトーン」はオリバー・ストーン監督のベトナム戦争を題材にした映画です。「天と地」「7月4日に生まれて」と合わせて『ベトナム三部作』とも呼ばれています。

主演はキム・べレンジャー、ウィレム・デフォー、チャーリー・シーンなど。

また、若き日のジョニー・デップも出演しています。

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「プラトーン」のスタッフ・キャスト

監督
オリバー・ストーン

脚本
オリバー・ストーン

製作
アーノルド・コペルソン

製作総指揮
ジョン・デイリー
デレク・ギブソン

出演者
チャーリー・シーン
ウィレム・デフォー
トム・ベレンジャー
フォレスト・ウィテカー
ジョニー・デップ

「プラトーン」のあらすじ

感想・レビュー

オリバー・ストーンの従軍体験

実際にアメリカ陸軍の偵察兵としてベトナム戦争に従軍した経験のあるオリバー・ストーン。

プラトーンにはそんな彼の経験が色濃く反映されています。

主役はチャーリー・シーン演じるクリス。本来であれば戦争に行く必要性はなかったけれども、社会のなかでの底辺層ばかりが戦地へ赴いている現実に憤り、自らベトナム戦争に志願します。

この設定はオリバー・ストーン自身の体験を投影したものと思います。

彼もまた大学を中退して軍に飛び込んだ人間であったからです。

そして、クリスと同じように理想と現実に戸惑ったのでしょう。

実際の戦場は理念に支えられているものではなく、狂気の渦巻く世界でした。

戦争の極限状態

「弾が頭をかすめた瞬間、政治やくだらん話は吹っ飛んじまうさ」

これは「ブラックホーク・ダウン」のセリフですが、まさにその通りかもしれません。

隊内で広がる麻薬や、ベトナム市民への虐殺。

極限状態とも言える状況のなかで、人間性というものはここまで剥ぎ取られるものかと感じました。

最後の

「今から思うと、僕たちは自分自身と戦ったんだ。敵は自分の中にいた。僕の戦争は終わった。

だけど、思い出は一生残るだろう。エリアスとバーンズの反目は、いつまでも続くだろう。

時として僕は、彼らの間の子のような気さえする。

ともかく、生き残った僕らには、義務がある。戦場で見たことを伝え、残された一生、努力して、人生を意義あるものにすることだ」

というクリスの独白のように、極限状態では善悪の境目すらあいまいになり、しかしその中でも悪を見極めること、人間性を保ち続けることをオリバー・ストーンは訴えています。

善と悪

劇中、善の象徴として描かれているのはウィレム・デフォー演じるエリアス3等軍曹。対照的に悪の象徴として描かれるトム・ベレンジャー演じるバーンズ2等軍曹の虐殺や一般市民の殺害に怒りを露にするなど、人間性を保った人物として描かれています。

そんなエリアス軍曹ですが、仲たがいの末、バーンズ軍曹に事故という体にして射殺されます。
報復を考えるクリスはラストシーンでバーンズ軍曹を射殺します。

賛否両論のラスト

それまでクリスと同じように戦争を疑似体験していた私たち観客はここで究極の問いを投げ掛けられるのです。

「あなたがクリスならバーンズを殺すか?」

自分が告発しなければ、バーンズは恐らく軍法会議にかけられることもない。

しかし、証拠はない。

味方を射殺するのはもちろん犯罪

しかし、野放しにしておいては正義はなされない。

このラストはオリバー・ストーンが映画を観ている私たちに「人間性とは何か、正義とは何か」を突きつけているように感じてなりません。