【レビュー】「未来のミライ」は家族のノスタルジックな成長物語

「バケモノの子」以来3年ぶりとなる細田守監督の最新作。

四歳の男の子「くんちゃん」を主役にし、未来から来た彼の妹、「ミライ」ちゃんとの兄妹の冒険の話。

キャッチコピーは「ボクは未来に出会った。」

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「未来のミライ」のスタッフ・キャスト

監督
細田守

脚本
細田守

原作
細田守

製作
齋藤優一郎
伊藤卓哉
足立雄一
川村元気

出演者
上白石萌歌
黒木華
星野源
麻生久美子
吉原光夫
宮崎美子
役所広司
福山雅治

「未来のミライ」の予告編



「未来のミライ」のあらすじ

くうちゃんは新幹線が大好きな4才の男の子。

おばあちゃん(ばあば)と犬のゆっこと一緒に家でお母さんを待っていた。

今日はお母さんが新しく生まれた赤ちゃんの妹と一緒に病院から帰ってくる日だった。

初めて見る赤ちゃんに興味しんしんのくうちゃんだったが、その日からお父さんとお母さんは赤ちゃんにつきっきり。

くうちゃんの生まれたときはお母さんがくうちゃんの面倒を見て、お父さんは仕事だったが、妹が生まれるタイミングで、お父さんはフリーランスの建築家となり、家にいることが多くなったので家事もお父さんが担当することが多くなり、その分お母さんが早めに職場復帰する予定になっていた。

しかし、妹が生まれてからほとんど構ってもらえなくなったくんちゃんは寝ている妹にイタズラして起こしてしまう。

そんなくんちゃんをお母さんが見つけて叱りつける。

『未来ちゃん、好きくない』

たまらず泣きながら庭に飛び出したくんちゃんは不思議な男の人に出会う。

男はロン毛で無精髭のどこかワイルドな見た目。

彼はくうちゃんに『その感情は嫉妬でたる』と言い、くうちゃんが生まれるまでは自分は可愛がられてたいたのに、くうちゃんが生まれてからは食べるものもグレードダウンしたこと、そしてくうちゃんもいずれ自分みたいになることを話す。

男の話を聞きながら、くうちゃんは手に持っていたおもちゃを投げる。それは犬のゆっこがいつも追いかけ回しているボールなのだった。

つい条件反射でボールを追いかける男の様子を見てくうちゃんは彼が犬のゆっこが人間になった姿だと見抜く。

男の後ろに回り込むと、やはり彼には犬の尻尾が生えていた。尻尾をじぶんに付けてゆっことして家の中を走り回るくうちゃんだった。

そして、お父さんとお母さんから妹の名前が『未来』ちゃんに決定したことを告げられる。

ある日、お母さんはお仕事、くうちゃんと未来ちゃんの面倒はお父さんがみることに。

『ひな人形をしまっておいて 』

お母さんにそう言われていたお父さんだったが、仕事に夢中でくうちゃんの言葉も上の空。

ふてくされたくうちゃんは未来ちゃんの顔におかしを並べ始める。

庭に出かけたくうちゃんはお菓子が道に落ちているのを見つける。その先をたどっていくと、ある中学生くらいの女の子に出会う。

『お兄ちゃん!』

女の子からの呼び掛けにびっくりするくうちゃん。

その女の子は赤ちゃんの未来ちゃんの成長した未来の姿だった。



感想・レビュー

予告編とまた大分印象の違う作品でした。

というのは予告編をみる限り、未来の未来ちゃんに誘われて、異世界の様々な出来事へ旅をするという感じかなと思っていたので。。いわば『千と千尋の神隠し 』みたいなイメージですね。

メインはくんちゃんと未来の未来ちゃんで、両親は最初と最後に出てくるだけだろうなぁと想像してたんです。

実際は現実と異世界をいったり来たり。

4才のくんちゃんが『お兄ちゃん』としての自覚を持つまでの物語でした。

くんちゃんにイライラ?

くんちゃんが最後までわがまな子でイライラするって意見もありますが、僕としては両親ももう少しくんちゃんに構ってあげてよ!と言いたくなります(笑)。

劇中でくんちゃんが黄色のズボンじゃないとお出掛けしない!と駄々をこねるシーンがありますが、4歳くらいの子供、あんな感じの子供も多いんじゃないかな?
あとはやはり甘えたい盛りでもあると思うんですよね。
そこに対してのケアもしっかりしてあげてほしかったなと思います。
祖父母までも未来ちゃんに夢中って、それはちょっと可哀想。

福山雅治がかっこいいぞ!

この映画って等身大のキャラクターが多くて、それと対極なヒーロー的なキャラクターがほぼいないんですよね。

例えば映画版の 『クレヨンしんちゃん』なら普段は冴えないサラリーマンの野原ひろしも家族のために立ち上がるじゃないですか。

そんな人物がいないんです。お父さんも野原ひろしのように家族のために敵と戦う!っていう感じではないし、くんちゃんを叱りつけたりもせずに終始おろおろしている印象。

数少ないヒーロー的な人物の一人が福山雅治演じるひいじいじ。

戦争で特攻隊で敵艦に突入するも奇跡的に生還。終戦後は不自由な足で馬の世話をしながらバイクを開発。
詳しくはあらすじネタバレで見てほしいんですが、そのドラマティックな人生の深みはひいじいじという人物をいっそう魅力的にしています。

バイクで町を駆け抜け、『下を見るな、遠くをみるんだ』などとくんちゃんに勇気を与える、作品の上でも大きな役割を持つひいじいじ。その姿はまさにかっこいいの一言です。

町を走る路面電車や坂道、また造船所など、福山雅治の出身地である長崎を強く意識した町並みだとおもったのですがどうなのでしょう?

ノスタルジーの世界。

『未来のミライ』とは言いながらも、そんなに未来ちゃん出てこないし、未来というか過去の世界をめぐるのが内容のほとんどだし、未来というかは、ノスタルジーの世界。
その分、ちょっと物足りなさはありましたが、ノスタルジーはセコイ!