【感想レビュー】ラスト・アクション・ヒーロー

「ラスト・アクション・ヒーロー」は1993年公開のアメリカのアクション・コメディ映画。
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのシュワちゃんでしたが、この作品は同時期公開の「ジュラシック・パーク」や「クリフハンガー」の陰に隠れてしまい、興行収入は大コケ。
僕としては子供のころから繰り返し見てきた思い出のある映画なのですが・・・。

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「ラスト・アクション・ヒーロー」のスタッフ・キャスト

監督
ジョン・マクティアナン

脚本
デヴィッド・アーノット
シェーン・ブラック

製作
スティーヴ・ロス
ジョン・マクティアナン

製作総指揮
アーノルド・シュワルツェネッガー

出演者
アーノルド・シュワルツェネッガー
オースティン・オブライエン
チャールズ・ダンス
ロバート・プロスキー
トム・ヌーナン

「ラスト・アクション・ヒーロー」のあらすじ

寂れた映画館「パンドラ劇場」に入り浸る映画好きの少年ダニー(オースティン・オブライエン)は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション映画『ジャック・スレイター』シリーズの大ファン。

ある日、親しい映写技師ニックの特別な計らいで、『ジャック・スレイター』シリーズ最新作の試写をひとりで鑑賞できることとなったダニー。喜び勇む彼に、ニックは彼が子供の頃、魔術師からもらったという「魔法のチケット」を手渡す。ニック曰く、それは「異次元へのパスポート」なのだという。

チケットの半券を手にしたダニーが『ジャック・スレイター』最新作を観ている最中、悪役が投げたダイナマイトが突如スクリーンから飛び出し、逃げようとしたダニーは眩い光に包まれる。彼が気がつくと、そこはたった今スクリーンで観ていたはずのジャック・スレイター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が運転する車の中であった。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC
ラスト・アクション・ヒーロー – Wikipedia

感想・レビュー

子供の頃、日曜洋画劇場で繰り返し観た想い出の作品。

映画好きな少年、ダニー。彼は特にアーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション映画『スレイター』シリーズの大ファン。

ある時、ダニーは映写技師のニックから魔法のチケットをもらいます。

それは映画の世界と現実の世界を行き来できるアイテムでした。

ダニーはジャック・スレイターの世界へ迷い込みます。

車を銃で撃つと大爆発したり、なぜか主人公はマシンガンの乱射の中でも被弾しないなど、映画特有の『あり得ない演出』も映画の中の世界ならば至って普通。それどころか道行く人がみな美女であったり、唐突にアニメキャラが出てきたりと、今時の映画でもそれはないでしょうという演出が続きます。

正直、子供の頃に観て、かなり面白くて楽しい映画だという印象を強く持っていた作品だったので、大人になってから観ると子供向けかな?と思ってしまうようなヌルさが若干気になりました。

そもそももっと過激な作品にするつもりが、レイティングに引っ掛からないように、子供でも大丈夫な作品にすべく脚本を当たり障りないものにしたという経緯もあるようです。

しかし、ダニーはいちいち自分の考えていることを口に出すタイプの子供のようで、それが鼻につく。。スレイターでなくとも我慢の限界になりそうです。

ただ、憧れの映画の世界に入り込みたいという子供の夢を素直にまっすぐ作り上げたことは素晴らしい!

さて、ダニーが迷いこんだ世界は映画の世界ということで、『アーノルド・シュワルツェネッガー』は存在しない設定。

彼のかわりにターミネーターはシルヴェスター・スタローン主演のヒット映画になっています。

監督のジョン・マクティアナンは『プレデター』に引き続き、アーノルド・シュワルツェネッガーを主人公に起用。

コメディとアクション・スターの両方に対応できるのは、この時代にはやはりシュワルツェネッガーを置いて他にはいないでしょう。

ブルース・ウィリスはまだアクションが中心でしたし、シルヴェスター・スタローンは『ランボー』とかアクション以外なら社会派の作品に出てるイメージですね。

ただ、肝心のマクティアナン自体がコメディに不慣れなのか、ギャグはヌルく使い古されたものばかりであまり笑えない。。今では見られないシュワルツェネッガーとマリア夫妻のツーショットが拝めるのは貴重かも。

ただ、やはり映画の世界から現実の世界へやってきたスレイターの戸惑いや、それに対して『なぜ映画があるのか』を話すニックの姿は今観ても色褪せていません。

自らを受け入れ、別れの際に『スクリーンでまた会える』とダニーに伝えるスレイターの台詞は映画から私たちへのいつも変わらぬメッセージでもあるのです。

『トイ・ストーリー』はおもちゃに魂を吹き込み、擬人化した物語でしたが、『ラスト・アクション・ヒーロー』は、映画に魂を吹き込み、擬人化した作品であるとも言えそうです。

ターミネーター』のセルフ・パロディや、『E.T.』へのオマージュ、ゴダールのようなメタ演出や他映画への言及なども含めて、 映画好きは思わずクスリとしてしまうでしょう。

『ラスト・アクション・ヒーロー』、大人でも気楽に楽しめるかもしれませんが、子供たちが観るのであればなおさらかと思います。

ちなみに、ラストシーンで現実社会を知ったスレイターがこの世界が映画だということをスクリーンの中で延々上司に述べます。

「あんたが大声で怒鳴りまくるのは脚本がそうなってるからだ!」とか。

でもそれだとスレイターシリーズはアクション映画じゃなくてコメディになっちゃうじゃん!

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