【ネタバレレビュー】ペネロピ

「ペネロピ」は2008年に公開された恋愛ファンタジー映画。

監督はマーク・パランスキー、主演はクリスティーナ・リッチとジェームズ・マカヴォイが務めています。

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「ペネロピ」のスタッフ・キャスト

監督
マーク・パランスキー

脚本
レスリー・ケイヴニー

製作
スコット・スタインドーフ
リース・ウィザースプーン
ジェニファー・シンプソン

出演者
クリスティーナ・リッチ
ジェームズ・マカヴォイ
リース・ウィザースプーン

「ペネロピ」のあらすじ

祖先のしでかした悪行によって、顔がブタになってしまった女の子、ペネロピ。

彼女は名家のお嬢様だったが、その呪いを解くために必要なのは「同じくらい名家の相手と結婚すること」。その容姿のために、生まれてから一歩も屋敷の外には出ないまま暮らしていた。
成長し、18歳になったペネロピ。彼女のために、家族は花婿候補を集める。しかし、結婚相手選びが常に行われるも、皆ペネロピの姿を見たら泣き叫んで逃げていってしまう。
そのため、逃げたものを捕まえ、口止めの契約を交わすことが必須になっていた。

しかし七年がたっても状況は変わらなかった。
そんな中、花婿候補の一人だったエドワードがいつものように泣き叫んで逃げてしまう。しかし彼だけは捕まえることができなかった。

エドワードは新聞社へ行き、必死に「ブタ顔のバケモノがいる」と訴えるが、相手にしてもらえない。それどころか逆に「名家の子息ご乱心」と記事にされてしまう。

そんな中、隻眼の記者レモンだけがの話に耳を傾ける。二人は共謀して、街のパブに入り浸っている落ちぶれた名家の末裔のマックスを利用して、ペネロピの写真を撮り、その存在を世間に知らしめようとする。

感想・レビュー

祖先のしでかした悪行によって、顔がブタになってしまった女の子のお話。

予想を裏切るストーリー展開で、現代版のシンデレラとでも言える作品でした。

これ、おすすめ映画です。

主演はクリスティーナ・リッチ。お相手役がジェームズ・マカヴォイ。

クリスティーナ・リッチといえば、『アダムス・ファミリー』で有名ですが、大人になってからもジョニー・デップと共演した『スリーピー・ホロウ』やヴィンセント・ギャロとの『バッファロー66』、シャーリーズ・セロンと共演の『モンスター』など、実力派の女優としても高い評価を受けています。

今作では鼻がブタになってしまった主人公の女の子、ペネロピを演じています。

鼻がブタでもその他のパーツが整ってるので、全然キュート!

ペネロピは名家のお嬢様でもあるのですが、「同じくらい名家の相手と結婚することで呪いが解ける」とのことから結婚相手選びが常に行われるも、皆ペネロピの姿を見たら泣き叫んで逃げていってしまいます。

まぁ実際はここまでのことにはならないでしょうね。。

そんなペネロピの前に現れたのがマックス。演じるのはジェームズ・マカヴォイ。

マカヴォイ作品はあまり観てないのですが、『ミスター・ガラス』で見せた多重人格のキャラクターとは真逆の王子様的なルックスでこちらは意外でした。

髪型と、少し痩せるだけでこんなイケメンになるんですね!

当初はペネロピを盗撮するために雇われてペネロピの前に現れたマカヴォイ演じるマックス。

ペネロピの姿に逃げ出すこともなく、会話を続けますが、付き合う→結婚直前→盗撮ばれる→仲直り→ハッピーエンドかな?

と思っていたら、このマックス想像よりいい男で、ペネロピで金儲けしたくない!とカメラごと破壊するんですね。

一方のペネロピはマックスからの言葉を受けて、マフラーで顔半分を隠して生まれてはじめて屋敷を出て外の世界へ踏み出します。

ここで面白いのはお金に困ったペネロピがお小遣い稼ぎに選ぶ方法。

それはあえて自分の素顔を写真にとり、記者のレモンに売り付けるんですね。

今思うとこれは伏線。

そしてこの大胆な行動には、それまでのシンデレラ像とは決定的に違う、強かで強さのある女性像をつくりだしていると思います。



マイノリティに対する時代の変わりよう

19世紀に実在したジョゼフ・メリックを題材にした映画『エレファント・マン』。全身の極度の奇形による容姿によって『エレファントマン(象男)』と呼ばれた青年の人生を綴ったヒューマンドラマ作品なのですが、ここでは一般社会にさらされたジョゼフ・メリックは市民からの迫害や差別、暴行に苦しめられます。(余談ですが、その際に「これでも僕は人間なんだよ!」と叫ぶメリックの台詞は胸に刺さります。)

一方のペネロピはその姿をさらしても人気者になり、それどころかペネロピを盗撮し、売ろうとしていたエドワードの方がペネロピを化け物として差別しているとして糾弾されることに。

同じく19世紀を舞台にした「グレイテスト・ショーマン」でもマイノリティが日陰者のように差別され、社会からは隠れて生きている場面がありましたが、ペネロピと比較するとマイノリティに対する時代の変わりようも感じられます。

ペネロピの呪いを解く鍵

ペネロピの呪いを解く鍵は『ブタ顔の自分を自分自身が愛すること』でした。

シンデレラはその幸せをつかむためには王子様の存在が不可欠です。

さらに言えば王子様の経済力、権力、環境、それらをほとんど同等に手に入れることができるのがシンデレラの世界の幸せだとも言えるでしょう。すこし穿った見方かもしれませんが。。

ペネロピ自身は顔を写真に残すことからもわかるように、実は自分の顔をそこまで嫌ってはいなかったのです。

ただ、家庭がありのままの彼女を『異常』だと判断し、呪いを解くことで『正常』に戻そうとするのですが。



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