「プライベート・ライアン」は1998年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の戦争映画です。
ノルマンディー上陸作戦の中でも多大な犠牲者を出した冒頭の20分間のオハマビーチの戦闘シーンは映画史に残る20分と呼ばれており、戦争の凄惨さ、生々しさが強く描かれています。
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「プライベート・ライアン」のスタッフ・キャスト
監督
スティーヴン・スピルバーグ
脚本
ロバート・ロダット
フランク・ダラボン
製作
イアン・ブライス
マーク・ゴードン
ゲイリー・レヴィンソン
スティーヴン・スピルバーグ
出演者
トム・ハンクス
エドワード・バーンズ
マット・デイモン
トム・サイズモア
ヴィン・ディーゼル
アダム・ゴールドバーグ
感想・レビュー
プライベート・ライアン。スティーブン・スピルバーグ監督の戦争映画です。
冒頭の20分間のオハマビーチの戦闘は映画史に残る20分と呼ばれており、戦争の凄惨さ、生々しさが強く描かれています。
プライベートとは
軍事学のない、世界でも珍しい日本ではあまりなじみのない意味かもしれませんが、ここでいうプライベートとは私的な生活のことではなくで、「兵卒」を意味します。
映画史に刻まれるべき作品
冒頭の20分間のオハマビーチの戦闘は映画史に残る20分と呼ばれており、戦争の凄惨さ、生々しさが強く描かれています。
ドイツ兵が待ち構える海岸へ上陸するアメリカ軍。
蜂の巣のような銃弾の雨と地雷に多くの兵士が倒れ、海水は赤く染まり、被弾した魚の死体も兵士の遺体と共に浜辺に打ち上げられます。こうしてみると、戦争行為は人間同士の殺し合いに留まらず、自然をも殺戮・破壊する行為だなと感じます。
最初の方にも述べた通り、今作の凄惨さはそれまでの戦争映画に比べて、いや比べることすら困難なほど際立っています。
それまでの戦争映画は爆撃で味方が死のうと敵が死のうと、そのシーンはどこか『エンターテイメント』のフィルターが薄くかかってはいなかったでしょうか?
今作では戦争の悲惨さをこれ以上ないほど描き出し、エンターテイメント性を極力排除した作りになっています。
その生々しさはやはり映画史に刻まれるべきものだと強く思います。
リアルということについて
あえて、ここまで悲惨という言葉、生々しいという言葉は使っても、リアルという言葉は用いませんでした。
もちろん手足が吹き飛ぶ、内蔵が飛び出る、なかなか死にきれずに苦しむ、それらはリアルだと思います。
一方で死を恐れない、または戦争の中でしか生きられないようなそんな生粋の軍人のような人はいなかったのでしょうか?
そういった意味ではリアルか?という問いには今のところ疑問符を立て掛けておきます。
決して見捨てないこと。
オデッセイのレビューでも書いたんですが、たとえそれが矛盾するように感じられても、仲間を決して見捨てないというのは凄いなと思います。
今作では三人兄弟のうち、唯一生き残ったライアン二等兵を救出するため、小隊が危険を冒し、命を落としながらも救出作戦を遂行するのが物語の軸です。
みんなは一人のために、と言えば聞こえはいいものの、一人のためにみんなを危険にさらしてもいいのか?とも思えます。
確かに一人のためにみんなを危険にさらすのは非合理な行為です。
しかし、合理/非合理を超えたところにある、アメリカの信念
仲間を決して見捨てない
これがあるからアメリカは強いのだと思います。アメリカ軍は自分を決して見捨てない。だからこそ、国家のために戦うことができる。
すこし話が逸れました、