カルト映画51 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ
『B級映画の帝王』と称されるロジャー・コーマンの監督作。のちにミュージカル化やリメイクもなされています。
人食い植物を飼い始めた青年、花屋の店員シーモアと、人食い植物のオードリーが起こす事件を描いたB級ホラー映画。
この『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』には、若き日のジャック・ニコルソンも出演しています。
ちなみに本作にはたった2日と一晩で撮影されたという逸話があります。
(ただ、この撮影期間の真偽については異論もあるよう。)
ロジャー・コーマンのもとからはマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラやジェームス・キャメロンなど、のちのハリウッドを代表する映画人を輩出していることでも有名です。
カルト映画52 シベリア超特急
映画評論家の水野晴郎が主演・監督・原作・脚本・製作・主題歌の作詞までこなしている、メチャクチャ気合の入った作品。
水野氏自身が演じる日本陸軍大将・山下奉文が安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)の形で事件を推理・解決していく本格ミステリー。
・・・のはずだったのですが・・・
水野晴郎の情熱とは対照的なチープさが映画ファンに好意的に受け止められ、カルト映画化しています。
略称は『シベ超』(シベちょう)で、これはみうらじゅんが命名したもの。
カルト映画53 ザ・フライ
「ジュラシック・パーク」や「インデペンデンス・デイ」のジェフ・ゴールドブラムとカルトの帝王デヴィッド・クローネンバーグがタッグを組んで1958年に公開された『ハエ男の恐怖』をリメイク。
オリジナルでは頭だけハエになる、という仮面ライダーのような「合体」なのですが、今作では特殊効果が目白押し。30年近く前の作品ですが、とてもリアルでグロテスクです。
とくに顎が崩れ落ちるシーンはトラウマっす。
しかし単なるSFホラーではなくて、素晴らしいストーリーの映画でもあります。ラブロマンスというか、ストーリーだけ追っていたとしても心に刺さるんですよね。
ハエ男・ブランドンを恋人からだんだん恐怖の対象になっていく様子、それでも最後の最後で愛情と哀れみを感じられる悲劇の結末。
名作カルトホラーと言える作品です。
カルト映画54 ゾンビ
「ゾンビ」は1978年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画。
同じくジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・リビングデッド』の3週間後の世界が舞台。ゾンビ映画の原点にして頂点だと思います。
ホラー映画の枠を超えて、映画史の中でも重要な作品なので、ホラー初心者におすすめです。
加えて、ホラー映画ではあるものの、そこに隠された人間社会への痛烈な風刺など、そのテーマ性は今なお色褪せません。
町を覆い尽くすゾンビの群れと、「人間狩り」のようにゾンビの老若男女問わずに彼らを楽しんで殺す街の不良たち。そのアンモラル、理不尽さの裏で、本当に恐ろしいのはゾンビなのか人間なのか、一歩たちどまってつい考えてしまいます。
カルト映画55 死霊の盆踊り
これまた「最低映画監督」エド・ウッドの作品。「プラン9フロムアウタースペース」を上回るつまらなさはもはや犯罪級としか言いようがありません。
むしろどれだけこの退屈さに耐えれるか、本当に己との戦いのために存在する映画なのかもしれません。
1987年の「東京国際ファンタスティック映画祭」では、映画祭の正式参加作品でなく、他所の会場でのイベント上映作品に。ただし「最低映画予告編大全」との同時上映だった。この映画祭では、監督のA・C・スティーブン(英語版)が来日。監督は「東京国際ファンタスティック映画祭」の正式な上映を決定事項だと信じ込んで来日したが、実際は土壇場で不合格になった
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E9%9C%8A%E3%81%AE%E7%9B%86%E8%B8%8A%E3%82%8A
死霊の盆踊り – Wikipedia
とのカルト映画らしいステキなエピソードも。
是非リモコンの早送りボタンに指をかけて観てほしい作品です。
カルト映画56 キャリー
ブライアン・デ・パルマの映画デビュー作。
青春ホラーの原点と言える作品と呼べるのではないでしょうか。
2013年にクロエ・グレース・モレッツ主演でリメイクされましたが・・ちょっとキャリーを演じるには美人過ぎるかなと言うのが正直なところ。
オリジナル版である本作のキャリー役であるシシー・スペイセクの幸薄い感じ、そして気持ちを解放させたときの表情や目つきが本当に怖いんですよね。
あらゆるホラーの表現技法を超えた恐ろしさだと思います。
カルト映画57 悪魔のえじき
「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」は1978年に公開されたアメリカのホラーサスペンス映画。
邦題のタイトルがめまぐるしく変わった映画でもあります。
「発情アニマル」→「女の日」→「悪魔のえじき」
主演はカミール・キートン。喜劇役者バスター・キートンの孫という血筋ながら、それを全く感じさせない体当たりの演技を見せてくれています。
レイプされた女性が男達へ復讐を果たしていくホラー映画です。
70年代の映画に漂うどことないチープさと今の感覚からみればゆるいテンポ。それらと極端なまでに正反対なショックシーンとのギャップ。
特にレイプ被害者でありながら徹底的に女という性をエサに復讐を果たしていくという矛盾するような設定も逆にB級感が溢れているように思います。
カルト映画58 バスケットケース
「バスケットケース」は1982年に公開されたフランク・ヘネンロッター監督のホラー映画。
体を分離させられた元シャム双生児の兄弟の物語。カルト映画の傑作です。
分離されてなおテレパシーで繋がった二人が兄を棄てた父と医者たちに復讐していくストーリー。
結合双生児として生まれたベリアルとドウェインの兄弟。無理やり外科手術で分離させられた二人のうち奇形であった兄ベリアルは父親に捨てられてしまいます。ドウェインは兄を救出し、父を殺害。二人は自分たちを分離した医者たちへ復讐を開始します。
全体的にチープで、80年代の作品とすら思えないようなクオリティの映画なのですが、「人間として生まれてきた哀しみ」を描いたストーリーは美しささえ感じさせます。
ドウェインだけが普通の生活を手に入れることができ、ベリアルには人並みの恋すら叶わない。決して普通にはなれないべリアルの哀しみと、それでも兄弟という切り離せない絆。
2017年にはMoMA(ニューヨーク近代美術館)の映画コレクション入りするなど、一般的な再評価も進みつつある作品です。
チープ過ぎてあまり怖くないのでホラー苦手な人でも恐らく大丈夫かと思います。
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