【完全解説】考察「悪魔のいけにえ」の恐怖は何を意味するのか

スポンサーリンク

悪魔のいけにえと同時期のホラー映画との比較

「13日の金曜日」

レザーフェイスと並んでホラー映画のアイコンとなったジェイソンが登場するホラー映画です。

実際は音楽の盛り上がり方で「出てくる」ポイントが容易にわかるのであんまり怖くないです正直。
これは音楽の大きさで恐怖をあおるというスピルバーグの「ジョーズ」と同じ手法が採用されたとの逸話もありますが、今の基準で行くと音楽が鳴っている間に「出るぞ出るぞ」っていう怖さより、期待や覚悟が先に来ちゃう気がしますね。
その点、『悪魔のいけにえ』は音楽もなく、いきなり唐突に表れます。それが独特の「冷酷さ」を私たちに感じさせるのです。

「キャリー」

プライアン・デ・パルマ監督作品のこちらも名作。ただこちらはどちらかというと切ない青春ホラー。
キャリーは劇中のほとんどを通して普通の内気な女の子で見てて当たり前に感情移入もできるし。レザーフェイスはそういうものを一切受け付けないですね。
理由や感情がもともとないようにも見えます。

「シャイニング」

スタンリー・キューブリックのこれまた名作ホラー。
科学的に考証した結果、最も怖い映画はシャイニングという研究結果もあるようですが、僕は「悪魔のいけにえ」の方がよっぽど怖いと思います。
シャイニング」は呪われた部屋で現れれる双子の女の子や洪水のようにあふれだす地のシーンなど恐ろしくも芸術的に見える個所もあるように思いますが、
悪魔のいけにえはただ恐怖のみを追求した作品なのだと感じます。
唯一わかりやすい芸術的シーンと言えば朝焼けの中でレザーフェイスが舞い踊るラストシーンでしょうか。

「悪魔のいけにえ」上映禁止国

作品がマスターフィルムがニューヨーク近代美術館に永久保存されるなど、その芸術性も高く評価される本作ですが、ぞの残酷さゆえに以下の国で上映禁止になっています。(一部の国ではのちに公開)

ブラジル
フィンランド
フランス
ドイツ
アイスランド
ノルウェー
シンガポール
スウェーデン

奇跡のような作品

12年後にトビー・フーパーが再びメガホンをとった続編の「悪魔のいけにえ2」は監督こそ同じですが、前作とは打って変わってエンターテインメントやコメディ色の強いものになりました。
これは一説には「どうあがいても一作目の恐怖を超えることができなかったから、路線転換してコメディになった」とも言われています。

まさに偶然と努力が奇跡のように織り合い生まれたホラー映画の金字塔と言えるでしょう。



この記事を見た人におすすめ!

スポンサーリンク
スポンサーリンク