【映画本】評論からライトエッセイ、教養まで!一度は読んでほしいおすすめBOOK!

最近、本読んでますか?映画を深く理解する際にも個人的にはネットのレビューとともに映画に関する書籍もおススメします。

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本を読むということ

たとえばマーティン・スコセッシの『沈黙』。隠れキリシタンの受難を描いた作品ですが、当たり前に

『なぜ日本ではキリスト教が禁じられていたのか』

『当時の世界情勢はどうだったのか』

などは最低調べておかないと、

たた、『かわいそうだった』『何かわからないけど凄かった』程度の感想に終始してしまいそうです。(かくいう僕自身も大したレビューは書けていませんが。。)

やはり、本の方が断然情報量は多く、かつプロの方が書かれているので、ウェブの下手なレビュー記事より断然読みやすいんですよね。

いつか僕もこれくらいの文章が書けるようになりたい・・・!

と言うわけで映画鑑賞のお供に、おすすめ映画本を紹介していきます!

最も危険なアメリカ映画 『國民の創生』 から 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 まで

ご存知、映画評論家の町山智浩さんの著作。

読み手を次のページへぐいぐい引き込ませる文章力や、いくつもの文献をまたがってひとつの映画を深く深く考察する教養の幅など、いわゆる僕らみたいな『映画ブログ』とは当たり前ですがレベルが違います。違い過ぎます。

いつか、本当にいつか、このような文章が僕にも書けたらなぁと思います。

さて、肝心の本の中身ですが、映画の歴史を紐解いていきながら、現在のアメリカでトランプ政権が生まれる土壌となった差別や迫害の意識がどのように保たれ続けてきたのかを解説されています。

個人的には自分自身のフェイバリットムービー、『フォレスト・ガンプ』が差別問題、そしてアメリカの歴史をこのように捉えていたのかということに驚かされました。

以前のコラムでも書いたかもしれませんが、やはり表現物である以上、わずかでも必ずその時の『時代』は反映されているとおもいます。

ただ、映画を面白かった、つまらなかったで論じるのではなく、映画から歴史を辿っていくのは凄くエキサイティングでもありました。

みんなの映画100選

映画の名言や名セリフを集めた本。イラストのゆるさと相まって、まるで絵本のよう。

ネットでは伝わらない、紙媒体ならではの温かみを感じてほしいですね。

オーケンの、私は変な映画を観た!! 2

筋肉少女帯の大槻ケンヂさんの著作。オーケンらしい着眼点と、思わず笑ってしまうような映画レビューの数々!著作家としても評価の高いオーケンならではの文章がたのしい一冊です。

クリスティーナの好きなコト』など個人的にはこの本がきっかけで出会った映画も多いですね。

映画に仕組まれたビジネスの見えざる手 なぜ映画館にはポップコーンが売られているのか

これは映画そのものの評論と言うより、映画ビジネスのちょっとした裏側やトリビアについて知ることができる本。

パンフレットや前売り券が日本独特のものであること、シネコンと普通の映画館の違い、映画料金の国別の金額の違いなど、思わず「へぇ~」と唸ってしまうことは確実でしょう。

映画業界についての数々の話はかなり面白く、またとても勉強になります。

ベスト・オブ・映画欠席裁判

これも映画評論家の町山智浩さんの著作。こちらは柳下毅一郎さんとの共著。
全く堅苦しい本ではなく、二人が映画や俳優に熱い思いや時にはツッコミや茶々を入れていくスタイル。例えるなら居酒屋での会話をそのまま本にしたような感じです。

チャーリーズ・エンジェル』はこの本を読んで、観よう!って思いましたね。

お二人の映画に対する深い知識が垣間見えて、個人的にも熟読しています。

電車の中とか時間が空いたときによく読んでいます。

映画館と観客の文化史


映画ではなく、映画館、つまり映画を映し出す場所と、そこに集う観客を考察した本です。
これも映画という文化を学ぶ上で見過ごされそうなことではありますが、避けては通れないもの。

かなり勉強になります。

例えばクルマ社会の到達とともにドライブインシアターが盛り上がりを見せますが、その後テレビが普及し、家にいながら映画が楽しめる環境になると、ドライブインシアターは衰退していっ
たという事実。これだけとっても映画も時代の流れや他分野の技術の進化と繋がっていることがわかるかと思います。



「皆殺し映画通信」シリーズ

普段映画を観ている中でも、『なぜこんな作品を作ったんだ!?』と思ってしまうような駄作があるのも事実。本作は邦画の映画評論本ですが、ダメなところを「ベスト・オブ・映画欠席裁判」でも紹介した柳下毅一郎さんが一刀両断しまくっています。

鑑賞した映画への不満の解消として読むもよし、それでなくても新しい映画の観方のきっかけにはなると思います。

関連記事:【つまらない邦画】駄作過ぎて逆に観たい!愛すべき最低映画まとめ

映画監督論

映画創世記から現代にいたるまでの名映画監督をわかりやすく紹介してあります。

気軽にサクッと電車の中とかで読んでいますね。

この本をきっかけにウディ・アレン映画などを見るようになりました。

なぜメリル・ストリープはトランプに噛みつき、オリバー・ストーンは期待するのか ハリウッドからアメリカが見える

最近の映画がどのように世界情勢を反映しているかが解説してあります。

個人的にはこのように映画から現実世界へのリンクを考察するような本は特に好きですね。

著者の方が監督などに直接インタビューしたオリジナルの情報が記載されているところもポイントが高い!

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作品の裏を知れば、意味が変わる

ここでも映画を例に説明したいと思います。

97年公開のポール・ヴァーホーベン監督の『スターシップ・トゥルーパーズ』。

元々は1959年に刊行された『宇宙の戦士』という作品が原作でした。

唯一軍歴の有無だけが『市民』と『一般人』という階級を分ける、軍国主義の未来社会。

人類はアラクニドと呼ばれる昆虫型の宇宙生物と戦争へ突入していました。

がただ、その原作と映画で大きな違いがあるのが『パワードスーツ(※)』の有無。

機動戦士ガンダムも『宇宙の戦士』の『パワードスーツ』に影響を受けたほど、作品を象徴するアイテムなのですが、映画版では一切使われていませんでした。

※『エイリアン2』でリプリーがエイリアンクイーンと戦うときに使ったやつをイメージしてください。

そのおかげか劇中では人体切断がビシバシ起きる!(そもそも俳優の動きが見えにくくなるようなアイテムは一般にはハリウッドで禁忌とされているようです。)

また映画は全編を通して戦意高揚のための疑似CMを流しています。

普通にみればちょっと残酷&グロテスクなバトルエンターテインメントなのですが、『裏』を知ることでこの映画が過度な軍国主義を皮肉った作品であることがわかります。

例えば映画は全体としてナチスドイツの映画『意思の勝利』のパロディでもありますし、疑似CMは第二次世界大戦中にアメリカが作った戦意高揚のための映画のパロディです。それらを過度に表現することで、それらを強烈に皮肉っています。

バーホーベンの言葉を借りるなら『作中でファシズムの思想や創造力をもてあそぶことを通じて、アメリカ社会のある側面を描き出そうとした』とのことです。

さらに深いレビューを書くにはこの『アメリカ社会のある側面』とは何か、をまた調べて学んでおかねばなりません。

本を読もう!

なので、知識の習得としてやはり本は読まないとな。。というところですね。

どんなファンタジーな作品でも現実社会の一面をどこかに反映していると僕は思っています。

ネットでもいいかもしれませんが、ネットって『知のデータベース』には結局成り得なかったなぁという感覚があるので。。

ネットが普及するころは、本にあることはネットにも同じように登場すると予想してましたが、やはり情報の信頼性という意味でも、体系的な編集物としての利点からみても、本の需要はまだまだなくなることはないと思いますね。



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