教養って今流行ってたりしますよね。
本屋に行けば教養とタイトルにある本は嫌でも目につくと思います。もちろん、教養とは何か?という部分はあるものの、僕も教養を身につけたく思っている人の一人です。
そのために一番いいのは本を読むことだとは思うんですが、映画を通してもさまざまな知識や教養を身につけることはできると思うんです。
そこで今回は「一度は観るべき!教養として押さえておきたい映画たち」としていくつかおすすめの映画をピックアップしてみました。
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グローリー/明日への行進
「有色人種の選挙権」は何を意味したのか
『グローリー/明日への行進』は公民権運動をテーマにした作品です。
原題の「Selma」というタイトルからもわかるように、アラバマ州セルマからモンゴメリーの行進や血の日曜日事件を描いています。
アメリカの中でも黒人差別の激しい南部。その中でもアラバマ州はキング牧師が「人種差別において全米で最悪」とも評した地でもありました。
そんな地域で選挙権を求めてキング牧師は行動していきます。
黒人と白人にとって「有色人種の選挙権」は何を意味したのか、当時の国家や公権力は公民権運動をどう見ていたのかに注目してみてください。
また、この映画はキング牧師について初めて映画化された作品でもあります。
英雄のような一般的にイメージされるキング牧師の姿ではなく、一個人としての弱さや強さも映し出されています。
グッド・ライ
スーダン内戦で生まれた”ロストボーイズ”とは
どうしても歴史の知識というとアメリカや日本に編重してしまうように感じます。(もちろん邦画/洋画が映画視聴の多くを占めているからでしょうが。)
そんな中でスーダンの内戦をテーマにした作品がこちら『グッド・ライ』。凄惨な戦争とそこから国を捨て難民となった子供たち(ロストボーイズ)のその後を描いています。
スーダンという普段あまり気に留めない地域での悲劇はもちろんのこと、ロストボーイズの彼らから見たアメリカという資本主義社会の矛盾や生きづらさには私たちも気づかされる部分があります。
ちなみに主演の三人のロストボーイズは実際に難民出身であり、ロストボーイズであったり少年兵であったりなどの過去を持っています。
一つの映画としても非常に感動的な話なので、ぜひ観てほしい作品です。
スミス都へ行く
アメリカの根幹、民主主義とは何か
古い映画ですが、フランク・キャプラ監督の『スミス都へ行く』です。三谷幸喜監督の『ステキな金縛り』の中で言及されていたので、名前だけは知っている人も多いかもしれません。
民主主義の危うさではなく、きれいな部分のみを映し出したような内容だともいえるのですが、この作品の公開時が1939年であり、当時の世界情勢が世界大戦に向かっていたことは無視できません。
日米開戦でアメリカが本格的に第二次世界大戦に参戦するのが1941年。
1939年はまだアメリカが孤立主義を貫いていたころです。と同時にナチスドイツなどのファシズムが世界を侵略していく中で、民主主義を高らかに歌い上げたキャプラのヒューマニズムをぜひ感じてください。
アメリカン・ヒストリーX
アメリカの人種差別の根幹にあるものとは
根底にあるのは白人至上主義。自由と平等を標榜するアメリカですが、実際にまだ根強い人種差別や偏見が根付いていることを教えてくれる作品です。
デレクとダニーは白人至上主義者。彼らは移民や有色人種がそれまでの白人の仕事を奪っているという捉え方をします。実際に彼らの家庭は決して裕福ではありませんでした。
彼らはその答えを人種差別に求めるのです。
かつては『アメリカってまだ人種差別が存在するんだ』と感じて、それでよかったんですが、2018年の今、観直してみると、少なからず日本も似たような状態になってはいないか?と思うんですね。
デレクと仲間たちはアジア系のオーナーのスーパーを襲撃するのですが、果たしてそのシーンを私たちはどう感じるのか、心のどこかでデレクに共感してしまうのか、それともデレクに対する嫌悪なのか、心に問いかけてみて下さい。