『ティファニーで朝食を』は1961年に公開されたトルーマン・カポーティ原作、オードリー・ヘプバーン主演の名作映画です。
冒頭でオードリーがティファニーのショーウィンドウを前に朝食を食べるシーンはあまりに有名ですね。
今回は『ティファニーで朝食を』のトリビア・裏話をご紹介します!
原作者から嫌われている?
原作者のトルーマン・カポーティは映画に対して以下のようにコメントしています。
“こんなにひどいミスキャストの映画は見たことがない。”
“あの役をオードリーがやると決まった時には、ショックで怒りに震えました。”
“ブレイク・エドワーズみたいな無能な監督を引っ張ってきて、あいつにはツバを吐きかけてやりたいくらいだ!”
当初、カポーティ自身はオードリー・ヘプバーン演じるホリー・ゴライトリーの役にはマリリン・モンローを希望していましたが、マリリン・モンロー自身がセックスシンボルのイメージの固定化を嫌ったため、オードリー・ヘプバーンの出演が決まったと言う経緯がありました。
物議を醸した「ユニオシ」のキャラクター
ミッキー・ルーニーが演じた日系アメリカ人の登場人物、ユニオシの描写は物議を醸しました。
劇中でのユニオシの描写は出っ歯を入れ黒ぶちの眼鏡、低身長など、いかにもステレオタイプな日本人を露悪的に演出しています。
※とはいえ、当時のアメリカではこのようなマイノリティに対する差別的表現は決してタブーではなかったことに留意する必要があります。
ミッキー・ルーニーはユニオシの描写を「監督の指示通りにコメディ感を演出した演技だった」と語るも、その後のキャリアを通して繰り返し釈明と弁明を行う必要に迫られました。
世界一有名なドレス
今作でオードリーが着用したドレスこそ、史上最も有名なドレスと言われているリトル・ブラックドレスです。もちろんデザイナーはジバンシィ。
2006年12月5日にクリスティーズのオークションにかけられ、当初の落札予想額の7倍近い467,200ポンド(約一億円)で落札されました。しかしながら、このクリスティーズのオークションに出品されたドレスは、ヘプバーン自身が着用したものではなく、映画のために用意された複数のドレスの一つでした。
後年、オードリー・ヘプバーンはユベール・ド・ジバンシィはについて下記のように語っています。
「ジバンシィは私の外見に、さまざまなものを加えてくれました。彼はいつも素晴らしく、そして最高でい続けてくれました。彼と私の好みはずっと同じだったのです。特別な素材と途方もない才能で仕立てられた、シンプルな細身のドレスと一組のイアリング以上に美しい装いはないでしょう」