今回は驚異のCGIとして『アリータ: バトル・エンジェル』でローサ・サラザールがアリータになるまでの撮影の裏側を見ていきたいと思います。
『アリータ:バトルエンジェル』とは
『アリータ:バトルエンジェル』とは日本のSFマンガ『銃夢』を原作にしたハリウッド映画。ジェームズ・キャメロン製作、ロバート・ロドリゲス監督のSFアクション作品です。
この『アリータ:バトルエンジェル』は2000年からジェームズ・キャメロンが企画を暖めていた念願の作品でもあります。
当初はキャメロンが監督も行う予定でしたが、先に『アバター』をやることになり、またその続編も監督することになったため、ロバート・ロドリゲスに打診が回ったそう。
原作となる『銃夢』は木城ゆきと氏による日本のSFバトルマンガ。ビジネスジャンプで1990年から1995年まで連載されていました。
アリータを演じるのは『メイズ・ランナー: 最期の迷宮』のローサ・サラザールです。
アリータ役:ローサ・サラザール
アリータ役を演じたのは『メイズ・ランナー: 最期の迷宮』のローサ・サラザール。
ローサ・サラザールは1985年生まれ、カナダ出身のアメリカ合衆国の女優です。
アメリカ・メリーランド州グリーンベルト育ち。幼少期から女優を目指し、そのためにニューヨークへ引っ越し、24歳の時にロサンゼルスへ移っています。
2010年から女優としてドラマ出演をスタート。
映画では2013年の映画『メアリーと秘密の王国』で声の出演という形でデビューしています。
2015年の映画『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』から『メイズ・ランナー』シリーズに参加したことでブレイク、注目を集める女優の一人となりました。
今作『アリータ:バトルエンジェル』ではアリータはモーションキャプチャを駆使し、フルCGで制作されています。
そのクオリティはさすがキャメロン。実写とCGの融合と言われていますが、まさにその言葉に違わぬ出来栄え。
なんと監督のジェームズ・キャメロンはこの技術を10か月かけて開発したそうです。
『アリータ:バトルエンジェル』メイキング映像
こちらのメイキング映像を見てもらえるとわかるんですが、ローサ・サラザールの顔には無数のマーカーがついており、表情をかなり細かくキャプチャーしているのがわかるかと思います。
実はサイボーグでありながら表情豊かなキャラクターはアリータを作り上げるうえで大切なポイントでもあります。
同じく、日本の漫画を原作としたサイバーパンクの映画でいうと、スカーレット・ヨハンソンが主演した『ゴースト・イン・ザ・シェル』がありましたが、こちらは結果として芳しい評価とはいきませんでした。
『アリータ:バトルエンジェル』で製作を務めたジョン・ランド―は映画秘宝のインタビューの中で、『ゴースト・イン・ザ・シェル』の失敗は主人公の感情表現が希薄で、観客が主人公に感情移入しにくかったのではないか」とコメントしており、アリータの表情にいかにこだわっているかが伺えます。
また主演のローサ・サラザールはパフォーマンスキャプチャーでの演技について次のように答えています。
まず、私とは全くかけ離れた存在であり、年齢も違うアリータという役はパフォーマンスキャプチャーのおかげで演じることができました。
また、ハイビジョンカメラ2台が私の頭に取り付けられていて、このカメラが私の演技、顔の表情を常に撮っていましたね。それゆえ、表情をより豊かにしなくちゃいけないということで本当に集中力が要求されました。
特に大変だったのは水を飲むタイミングです。体に入れたものは出さなければいけないので、例えばこれからインタビューがあるんだったら水は飲まないでおこうだとか、そういった判断をしなければならないのでそこが厳しいところでした(笑)。
『アリータ:バトル・エンジェル』を初めてスクリーンで観て言葉を失いました。
それはやはり“WETA”というスタジオが『ロード・オブ・ザ・リング』『アバター』などの作品を作ってきて、今回の『アリータ:バトル・エンジェル』では実在するかのような人間を作り、私の演技のエッセンスを全部捉えているんですよね。私の演技とCGI(Computer Generated Imagery)が完全に合成され、私とアリータは完全に一つになったんだと思います。
実際に映画を観てほしいのですが、今回のアリータはCGで制作されているのですが、本当にそれがわからないほどの最高峰の表現レベルです。
こういう細かく繊細なクオリティにはやはりジェームズ・キャメロンの力を感じさせます。
『アリータ:バトル・エンジェル』はとにかくエンターテインメントに感動できる作品です。