『パッセンジャーズ』は2008年に公開されたサスペンス映画。
監督はロドリゴ・ガルシア、主演は『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイが務めています。
この記事のコンテンツの目次を見る
「パッセンジャーズ」のスタッフ・キャスト
監督
ロドリゴ・ガルシア
脚本
ロニー・クリステンセン
出演者
アン・ハサウェイ
パトリック・ウィルソン
デヴィッド・モース
アンドレ・ブラウアー
クレア・デュヴァル
「パッセンジャーズ」のあらすじ
突然の電話で起こされたセラピストのクレア(アン・ハサウェイ)は、墜落した旅客機事故から奇跡的に生き残った5人の男女が抱えるトラウマ的なストレスを治療するため、担当のセラピストに命じられる。クレアは大任にやる気を見せるが、生存者の一人、エリック(パトリック・ウィルソン)は彼女のカウンセリングを拒否し……。
出典:https://www.cinematoday.jp/movie/T0007106
パッセンジャーズ (2008) – シネマトゥデイ
感想・レビュー
アン・ハサウェイ好きなので見てみました。サスペンス、ラブストーリー、スリラーの要素が絶妙に絡み合っていますね。僕は『オリエント急行殺人事件』同様、話のオチを知ってた上での鑑賞でした。
オチを知った方が楽しめるという説もあるようですが、これは知らなかった方がもっと楽しめたかも。。
※ちょっと早いですが、ネタバレいきますね!
この『パッセンジャーズ』という映画、『シックス・センス』『アザーズ』あたりの流れを汲んだ、実は死んでいました系の作品です。
飛行機事故の証言が生存者(ホントは自分の死に気づいていないだけで既に亡くなっている)と航空会社で食い違う。
生存者のカウンセリングを担当するクレアは航空会社に事実隠蔽の疑いの目を向けて行く。
具体的にいうと、生存者は墜落の前に機体の一部が爆発したのを見ており、不可抗力の事故だという。
航空会社はパイロットのミスによる人為的な事故だという。
事実は、
パイロットが操縦席を離れ、副操縦士に操縦をまかせた。(その行動は規約違反。そして、この行動を乗客はしらない)
その後、機体の一部が爆発。しかしその時副操縦士も操縦席を離れていた。
(操縦席に誰もいない状況で対応が遅れた。そして操縦席に誰もいないことを乗客は知らなかった。)
つまり、乗客の視点で見ると墜落の直接的な原因は不可抗力の爆発だと思うのに対し、副操縦士の目で見ると、規約違反の行動を容認したこと、そして自分も操縦席を離れていたことが取り返しのつかない原因になった、、ということで、「人為的なミスによる事故」という見解に立っているわけです。
終盤、事実隠蔽を疑うクレアの対応をしていた航空会社側の人間こそが副操縦士ということが明らかになります。
もちろん彼も故人。この映画の登場人物のほとんどは既に亡くなっている設定の人たちなのです。
シックス・センス
サスペンスやホラー要素がありながらも、最後は泣かせるというのはM・ナイト・シャマランの『シックス・センス』に似ています。
ただ、この世/あの世、生者/死者を論理的に、矛盾を極力少なく描くという整合性に関しては『パッセンジャーズ』はどうしても『シックス・センス』に劣ります。
まず、『パッセンジャーズ』ですが、エリックは自分の持ち物であるバイクや、誰のものか知らないボートも動かせます。物理的な力を加えることが可能なのですね。しかしながら電車は体を通り抜けるなど、エリックたち、すでに亡くなっている人たちの世界のルールがいまいちわからなくて、観るときに混乱するんです。
あれ?ここはあの世?この世?どっちだろう?って。
シックス・センスだと、舞台ははっきりと「この世」なんですよね。
よく見ると、ブルース・ウィリス演じるマルコムは亡くなってから1度も部屋のドアを開けたり、ものを動かすなどの描写をされている場面はありません。
この整合性の高さもシックス・センスのヒットの理由でしょう。
本当にそうなのか、一回目を見終わったあとに確認のためにもう一度見る、そんな楽しみ方も多く行われたことと思います。
残念ながらこの部分がパッセンジャーズはイマイチ弱いんです。
もちろん、オチを知らなければ楽しめるとも思うんです。
ちょっとそこが引っかかる作品ではありました。
アン・ハサウェイは相変わらず美人です!