【あらすじレビュー】アウトレイジ 最終章

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「アウトレイジ 最終章」の予告編

「アウトレイジ 最終章」のスタッフ・キャスト

監督
北野武

脚本
北野武

製作
森昌行
吉田多喜男

音楽
鈴木慶一

出演者
ビートたけし
西田敏行
大森南朋
ピエール瀧
大杉漣
松重豊
白竜
名高達男
光石研
原田泰造
中村育二
津田寛治
金田時男
池内博之
塩見三省
岸部一徳

「アウトレイジ 最終章」のあらすじ

前作のラスト、刑事の片岡を射殺した大友は張会長を頼り、韓国の済州島に身を寄せ、張グループの市川らと張会長の運営する組織の用心棒をしていた。

ある日、済州島に女遊びに出掛けていた関西最大の暴力団、花菱会の花田が張会長の縄張りで問題を起こす。

大友と市川らが西田のもとへ向かい、花田を一喝する。

西田は大友を大友だと認識できなかったが、大友の剣幕に恐れをなし、詫び料として200万を後日払うことを約束してその場は収まる。

しかし、花田は200万を払うことなく、現金の受け渡しにやって来た張グループの運転手を殺害する。


感想・レビュー

「アウトレイジ」シリーズの3作目

「アウトレイジ」シリーズの3作目ですね。

第一作目のアウトレイジでは暴力描写が、二作目のビヨンドでは巧みなストーリーとセリフの応酬が見せ所でしたが、この三作目では国境をまたいで復讐と報復が描かれています。

今回は大きく分けて四つの組織がストーリーに絡んでいくわけですが、

それが

国際的なフィクサーである張会長率いる張グループ

関西最大の暴力団、花菱会

花菱会の傘下に成り下がった、かつての関東最大暴力団、山王会

警察

この四つですね。

この中で誠実に動く組織が張グループの大友と市川くらい。

というのも、花菱会では新会長の座に座った野村と西野・中田の権力闘争があり、山王会にも現会長の五味との間に確執がありました。警察は警察で政治的な圧力から被疑者に対して十分な取り調べができないという、正義を貫けない組織として描かれています。

大友と市川の純粋さ

済州島での大友と市川の穏やかな釣りのシーンから始まる本作は、ヤクザという設定の裏に隠されてきた彼らの純粋さを表しているようにも感じます。ソナチネの沖縄の紙相撲のシーンとどこかシンクロしますね。

純粋な衝動、狂気とでもいうのか、今回の大友は権力闘争とは関係なしに復讐のために日本へわたり、花菱会、山王会とかつて自分に牙を向けた組織に銃を撃ちまくります。

その姿は権力や政治的なしがらみから逃れられない他の組織とは対称的です。

塩見三省さん演じる中田

さて、今作で大きく印象を異にするのが塩見三省さん演じる中田。

前作では西田敏行さん演じる西野より下の立場でありながら西野以上にコワモテで迫力あるナイフのような演技で強烈なインパクトを残しました。

打ってかわって今作での中田は組織内でのまた外に見せる顔とは違う一面を見せています。

それは前作『ビヨンド』の石原のように、わめいていてもどこか本性は小心者というか、間の抜けているというか、そんな一面を持つ素顔。

例えば張会長の前で日本語が通じないと思い込んでおもいっきり日本語で本音を話してしまうシーンは軽率な行動の最たるもの。

塩見さん自身、脳出血からのリハビリ中の撮影とのことで思い通り完璧な演技というのは難しかったのでしょう。

それでも滲みでる気迫は特筆すべきポイントですが、それであれば、セリフを極力減らすなどして、『ビヨンド』の中田の怖さをそのまま維持する方向でいってほしかったなとも思います。

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