映画を見ていて、「なんでこんなストーリーにしちゃうのか。。」と思ってしまう作品があります。
平たく言えば納得できない、許せない、そんな映画達。
ブログ記事の性質上、ネタバレしないと成り立たないので、以下からネタバレしていきますね!
まずは邦画史上最高興業額を上げた作品の続編のこちらから。
踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
何が酷いって深津絵里演じる恩田すみれが死んだかのような描写を取り入れたこと。
僕自身としても『踊る大捜査線』はドラマ版からずーっと見ていますが、そんなことが似合う作品ではない!と思うんです。
監督自身、『踊る大捜査線』の世界観を理解していないのではないか?と憤りすら覚えます。。(もちろん、今までにない革新的な警察ドラマを作り上げたのは素晴らしいですが)
恩田すみれの死については以下の監督のインタビューが詳しいです。
あんなに大きなバスの事故で、生きていられるわけがない。観客のみなさんにもそう思った人もいたのではないでしょうか? ちょうどそのころ、我が家で「踊る大捜査線」が始まったころからずっと飼っていた猫が死んじゃって、でも、その存在はいつも感じていました。じいちゃんが亡くなったときもそうでした。怖いわけじゃないんです。でも気配を感じるんです。そういった空気感を映像にしたくて、「THE FINAL」で、もしすみれさんが死んでいたらという気持ちで僕は演出をしたんです。これは僕の中ではすごい実験。でも、めちゃくちゃ危ない実験なんです。プロデューサーの亀山(千広)さんにも脚本家の君塚(良一)さんにも言わなかった。言ったのは深津さんだけです。
出典:https://mantan-web.jp/article/20130505dog00m200008000c.html
踊る大捜査線:本広克行監督「すみれさんが実体じゃなかったら…」 「THE FINAL」秘話語る – MANTANWEB(まんたんウェブ)
とのことですが、実験でこんなことしないでほしかった・・・(苦笑)。
『踊る大捜査線』の劇場版一作目で、加害者の母親にナイフで刺された青島。
搬送される救急車のなかで青島はゆっくり目を閉じ、あたかも死んだかのように演出しましたが、その直後にイビキが挿入され、「死んでたわけではなく、ただ徹夜続きで眠かっただけ」という結末でした。
これこそが『踊る大捜査線』だと思うんです。確かに事件そのものはシリアスですが、人間ドラマはハッピーエンドだったはずなのです。
大きな事件は数あれど、それが終わればまた変わらない日常に回帰していく、その安心感が『踊る大捜査線』の根底ではないでしょうか?
国民的な長寿作品であれば、それは『喜ばしきマンネリズム』と呼んでもいいでしょう。
「新たなる希望」と銘打つのであれば、それにふさわしい最後にならないと!
余談ですが、『るろうに剣心』の作者、和月伸宏さんはエンタテイメントの基本は笑顔とハッピーエンド」という持論から、物語の途中で殺すはずだったヒロインの神谷薫の予定を変更し、生き伸びさせる展開にしたそうです。「薫が死んだら、心からの笑顔もハッピーエンドもなくなってしまう」とのことで、まさに!と思います。
『踊る大捜査線』も全く同じではないでしょうか??
大好きな作品なだけにこの部分は許せないっ!そんな感じです。
SCOOP!(スクープ)
福山雅治主演のパパラッチをテーマにしたエンターテイメント映画ですね。
これもそうなんだけれど、ラストに福山雅治が死ぬ必要あったの??
ストーリー詰め込みすぎ。。
都会の芸能専門パパラッチとしてドブネズミのように生きる福山雅治演じる静。そのモラルすれすれの取材や生き方に新入りの二階堂ふみちゃんは戸惑うも、徐々にその面白さにも目覚めていく。
一方で静もまた二階堂ふみちゃん演じる野火の姿にかつての情熱を取り戻していきます。
静の写真家としての原点には戦場カメラマン、ロバート・キャパの存在がありました。
そして二人のもとに、日本を揺るがす連続殺人犯の素顔を撮影する話が。。
なんとか素顔を撮影することに成功し、雑誌の売り上げは史上最高を記録する(完)。
。。。というストーリーなら、ありきたりですがもう少し静の人間像とか過去を丁寧に描けたのかなとも思います。
『踊る大捜査線』ほどではないですが、個人的には少し不満を感じてしまう映画でもあります。
最後にみなさんの許せない映画は?
ここまで書いてきて思いましたが、「許せない映画」とは「その映画が好きだからゆえに」余計許せなく感じてしまうものなのかもしれません。
みなさんはいかがでしょうか?
「この展開は唐突すぎない?」
「この部分は許せない!」
そんな好きだからこそ許せない映画、もし心にあるなら教えてくださいね。