今回はおそらく映画のロケ地としては最も有名な「ローマの休日」に登場するスペイン広場について紹介したいと思います。
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「ローマの休日」とは
『ローマの休日』は1953年公開のウィリアム・ワイラー監督、オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ぺック主演の恋愛映画。
恋愛映画を超えて、映画史に燦然と輝く名作であることは言うまでもありません。
公開から60年以上がたった今も不朽の名作として語り継がれている作品です。
脚本を手掛けたダルトン・トランボは当時赤狩りによってハリウッドを追放されていたため、友人の脚本家ハンターの名前を借りて発表されています。
あらすじ
オードリー・ヘプバーン演じるアン王女の多忙なヨーロッパ各国への表敬訪問の様子から映画は幕を開ける。
スピーチの内容は丸暗記。質疑応答や会話も機械的にこなそうとするアン王女。
自分の使命もわからず、ただロボットのように動くだけの日々。
ついにアン王女は忙しい公務のストレスで思わずお城を抜け出してしまう。
スペイン広場とは
スペイン広場とはイタリア・ローマの中心街にある広場の名前。「スパーニャ広場」とも呼ばれています。
1980年にスペイン広場は、「ローマの歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されました
名前の由来
イタリア・ローマにありながらスペイン広場という名前の由来は、この広場がバチカン市国のスペイン大使館の間近にあることから名付けられました。
スペイン広場の歴史
スペイン広場の階段の下にある「バルカッチャ」と呼ばれる舟の噴水は、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニが作製したもの。1629年ころに現在の場所に置かれたそうです。
ちなみにジャン・ロレンツォ・ベルニーニは「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と賞賛されたほどのバロック芸術の巨匠です。
一方のスペイン階段の完成は1725年。こちらの設計はフランチェスコ・デ・サンクティスとアレッサンドロ・スペッキはが行ったそうです。
スペイン階段の正式名称
スペイン階段の正式名称はScalinata di Trinità dei Monti(スカリナータ・ディ・トリニタ・デイ・モンティ)といい、トリニタデイモンティの階段という意味だそう。
ちなみにトリニタ・デイ・モンティとは「丘の三位一体」を表し、スペイン広場の階段を登った先にある教会にもトリニタ・デイ・モンティの名がつけられています。
この教会へ続く階段だからトリニタデイモンティの階段と呼ばれているのですね。
「ローマの休日」におけるスペイン広場
『ローマの休日』でグレゴリー・ペック演じる新聞記者のジョーとオードリー・ヘップバーン演じるアン王女が再会するのがスペイン広場。
アン王女はジェラートを買ってスペイン広場で食べ、ジョーはバルカッチャの噴水(舟の噴水)の前で少女からカメラを借りようとし、アン王女とスペイン広場に座ってこれからの一日のことを話し合います。
「ローマの休日」のあれこれ、実は禁止
実はスペイン広場では『ローマの休日』公開当時はOKだったことでも、今は禁止になったことがあります。
1.ジェラートを食べる
『ローマの休日』で有名なシーンがオードリー・ヘップバーン演じるアン王女がスペイン広場でジェラートを食べるシーン。
もともとローマにジェラート文化が根付いていたことからのシーンですが、現在は2012年に制定された法律によってスペイン広場では飲食は禁止になっているそうです。
2.スペイン広場の階段に座る
そして2019年の7月には飲食に続いて階段に座ることも禁止になりました。歴史的建造物である階段が汚されることが問題になっていたことが今回の背景にはあり、悪質な場合には、最大400ユーロ(約4万8千円)の罰金が命じられることもあるそうです。
ちなみにスペイン広場の階段は135段だそう。