最近ウディ・アレンのファッションが気になっています。
『アニー・ホール』ではダイアン・キートンのファッションが「アニーホール・ルック」として注目されがちですが、ウディ・アレンのファッションも見逃せません。
ウディ・アレンのファッションは洗練されたスタイルとは対局にある野暮ったいファッション。
それらはナードファッションとも言われています。(ナード=文系おたく)
背伸びしない、こなれた、その人に馴染んだファッションが魅力のナード・ファッション。
今回はウディ・アレンのナード・ファッションを紹介していきます。
「アニーホール」
ツイードのジャケットにチェックシャツを合わせたこれぞナードファッションとも言うべきスタイルです。
ツイードジャケットのラベルが広めなのも時代を感じさせます。
また、軍モノのミリタリージャケットにチェックシャツを会わせているコーディネート。
パンツは太めのコーデュロイかチノパンで、慣れた印象を与えています。
他にも、デニムパンツに同じく薄いブルーのシャツを合わせたコーディネートや、タイドアップしたコーディネートなど、一本の映画の中で様々なスタイリングを見せてくれるウディ・アレン。
そのいずれも力を入れて作り込んだものではなく、日頃のファッションの延長線上にあるような、リラックスした、しかし決して気を配っていないわけではない、大人のお洒落を実現しています。
『アニーホール』で衣装を担当したのはラルフ・ローレン。
おそらくはそれらのウディ・アレンのアイテムもラルフ・ローレンのものではないでしょうか。
ちなみにウディ・アレンが劇中で着用しているのはTART OPTICALのBRYANというモデルです。
オリジナルはデッドストックを探すしかないかと思いますが、リチャード・タートが再興したブランド「JULIUS TART OPTICAL」から復刻されています。
フォーエバー21の日本撤退など、一世を風靡したファスト・ファッションの衰退が浮き彫りになるなかで、こうした70年代のファッションは再び注目を浴びています。
それはファスト・ファッションが持ち合わせていた最先端の流行を手軽な価格で、という価値観ではなく、長く使えるスタンダードな洋服に価値を見いだすという価値観の変化でしょう。
ファッションに限らず、価値観の全体がモノからコトへと変わっていくなかで、モノとしてのファッションへの支出も相対的に少なくなってきています。
そんな中でこのウディ・アレンのスタンダードなアイテムでまとめたファッションが注目されるのも自然な流れではないかなと思います。
ちなみに、ウディ・アレンのファッションがどうしてもオジサン臭いなと思う人にはマーク・ウェブ監督の『500日のサマー』のトムのファッションもおすすめ。ビジネス・カジュアルにも応用できると思います。
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