ダイアン・キートン×ラルフ・ローレン「アニー・ホール・ルック」の魅力

映画とファッションは切っても切り離せない関係にあります。

時代を反映したファッションもあれば、『乱暴者』のマーロン・ブランドのように、時代を先取りし、多くの人々に影響を与えたファッションや、『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘップバーンの纏うジバンシィのドレスのように時代を越えてアイコンになるようなファッションも。

今回はそんな映画のファッションのなかからダイアン・キートンの『アニー・ホール・ルック』をご紹介します。

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アニー・ホール・ルックとは?

ウディ・アレン監督・主演の映画『アニー・ホール』で、ヒロインを務めたダイアン・キートンのファッションのことです。

『アニー・ホール』はアカデミー作品賞など映画としての評価も高いですが、それに劣らず、ダイアン・キートンのファッションも魅力的。

『アニー・ホール・ルック』はメンズのベストやパンツ、ネクタイを組み合わせ、女性らしさやフェミニンなファッションとは対極の、囚われない自由なファッションを強烈に示しました。

そのダイアン・キートン自身による斬新なスタイリングは、映画のスタイリストには反対されますが、ウディ・アレンの「ほっとくんだ。彼女は天才なんだから。ほっとこう。彼女が着たいものを着せよう」という後押しもあり、正式に衣装として採用されました。

ダイアン・キートンは自身の自伝においてアニー・ホール・ルックは当時のニューヨークの街を行くかっこいい女性たちの真似をしたと述べています。カーキのパンツ、ベスト、タイ、そのどれもが70年代の女性たちのファッションの一部だったのです。

また『アニー・ホール』でダイアン・キートンがかぶる帽子は、女優のオーロール・クレマンが『ゴッド・ファーザー パートⅢ』のセットに男物のボレロ帽を目深に被って現れたところからの発想だとも自書で明かしています。

そのアニー・ホール・ルックは70年代後半のファッション界に影響を及ぼしただけでなく、未だに映画のファッションとして強い影響力を持っています。

それは世界的なファッション誌「ELLE」や「VOGUE」が今なおファッションの見本として取り上げていることからも明らかです。

「VOGUE」のアニー・ホール・ルック


※写真はイメージです

『アニー・ホール』(1977)での彼女の着こなしに多くの人が魅了され、一斉を風靡したと同時に彼女の代表的なスタイルとなった。中でもジャケットとパンツ、ネクタイ姿が印象的だが、そのスタイルは当時交際していたウディ・アレンの「好きな服を着ろ」という一言から生まれたのだとか。ダイアンは「NYを歩くかっこいい女性たちの服装を参考にした」と明かしている。

この映画で見事アカデミー賞主演女優賞を受賞し、一躍ファッションアイコンに。今でも変わらず雑誌や広告に登場したり、私服がキャッチされるなど、そのセンスは健在だ。

出典:https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2018-01-05/page/4
VOGUE JAPAN:ダイアン・キートン、前向きに年齢を重ねるヒントが詰まった10の格言。(2)|モード格言・名言

「ELLE」のアニー・ホール・ルック


※写真はイメージです

ダイアン・キートンの代表作『アニー・ホール』(1977)はおしゃれスタイルの宝庫。この作品は、ウディがダイアンのために書きおろした作品で、ホールはキートンの本名の姓、アニーはニックネーム。メンズサイズのパンツにベスト、そして「ラルフ ローレン」のネクタイを締めたスタイルは、“アニー・ホール・ルック”として当時大流行。「彼女は天才なんだから、彼女が着たいものを着せよう」と、ウディも全幅の信頼を寄せていた。

出典:https://www.elle.com/jp/fashion/icons/g126260/fpi-fashion-icon-diane-keaton17-0221/?slide=6
おしゃれの天才、ダイアン・キートンに学ぶマイスタイル遍歴



『アニー・ホール・ルック』とラルフ・ローレン

アニー・ホール・ルックを語る上で欠かせないのはラルフ・ローレンでしょう。

ラルフ・ローレンはウディ・アレンと同じくニューヨークで生まれ育ちました。また、ラルフ・ローレン自身もウディ・アレンと同じくユダヤ人でもありました。

『アニー・ホール』ではネクタイはもちろんのこと、パンツやシャツ、ジャケットまでラルフ・ローレンでコーディネート。

 “アニー・ホール・ルック”と呼ばれ世界中で流行った彼女の格好は、紳士物のオーバーサイズのジャケットとワークパンツ、ネクタイ、ベスト、帽子を白シャツに合わせたスタイル。ダイアンが着たハイウエストのワークパンツ、ネクタイ、襟のついたシャツ、ジャケットはラルフ・ローレンのものでした。

ちなみに、ラルフはアレン監督とも仲がよく、監督は自作『マンハッタン』(1979)で自分が着るスーツをラルフ本人のクローゼットから引っ張り出してきたそう。2人の服のサイズは同じなのだとか。

出典:https://www.cinematoday.jp/page/A0006114
アメリカ人の夢をデザインするラルフ・ローレン:映画に見る憧れのブランド – シネマトゥデイ

『アニー・ホール』と『アニー・ホール・ルック』

「アニー・ホール」もちろん映画としても名作であることに変わりはありませんが、ダイアン・キートンのチャーミングさとファッションはこの映画の魅力を確かに高めています。

今も影響を与え続けている『アニー・ホール・ルック』をぜひチェックしてみてください。



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