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【レビュー】シンクロナイズドモンスター

「シンクロナイズドモンスター」は2016年に公開された異色の怪獣映画。

監督はナチョ・ビガロンド製作総指揮と主演をアン・ハサウェイが務めています。

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「シンクロナイズドモンスター」のスタッフ・キャスト

監督
ナチョ・ビガロンド

脚本
ナチョ・ビガロンド

製作
ニコラス・シャルティエ
ゼヴ・フォアマン
ドミニク・ラスタム
ナイカリ・イピニャ
ラッセル・レヴィン

製作総指揮
アン・ハサウェイ
ショーン・ウィリアムソン
ジョナサン・デクター
ナチョ・ビガロンド
ギャレット・バッシュ
ジャスティン・バーシュ
イ・ジェウ
チェ・ピョンホ
クリス・リットン

出演者
アン・ハサウェイ
ジェイソン・サダイキス

「シンクロナイズドモンスター」のあらすじ

失業して酒浸りのグロリア(アン・ハサウェイ)は、一緒に住んでいた恋人のティム(ダン・スティーヴンス)に家を追い出され、ニューヨークから故郷の田舎町に戻る。そこで再会した幼なじみのオスカー(ジェイソン・サダイキス)が営むバーで働き始めた矢先、ソウルに巨大怪獣が襲来したことを知る。そしてニュースの映像を見たグロリアは、その怪獣と自分の動きがシンクロしていることに気付く。

出典:https://www.cinematoday.jp/movie/T0022259
シンクロナイズドモンスター (2016) – シネマトゥデイ

感想・レビュー

なんともシュールな怪獣映画。

アン・ハサウェイのコメディエンヌぶりはこの作品でも遺憾なく発揮されています。

自分の動きと、遠い地、韓国に現れた怪獣の動きが何故かシンクロしてしまう。

SFコメディと言える内容なのですが、妙な部分にリアリティがあるのがポイント。

その最たるものはアン・ハサウェイ演じるグロリアが悪ふざけしていると、誤ってシンクロ中の怪獣がヘリを攻撃してしまうシーン。グロリアは「自分のせいで人が亡くなってしまった」とひどい自責の念に駆られます。

これは例えば日本の怪獣映画「ゴジラ」や「ウルトラマン」ではなかなか省みられない部分。

この事件をきっかけにオスカーはグロリアへその本性を露にしていきます。


「ハサヘイター」とアン・ハサウェイ

そもそも、この作品に出演を決める以前は落ち込んでいた時期だったそう。

それはかつて『アメリカで最も嫌われている女優』と呼ばれた時期と重なります。

アメリカで「ハサヘイター」という言葉まで生み出したほどのバッシング。

この映画をよく見ると「顔のみえない不特定多数に嫌われる」という現実の設定が役にも反映されていることがわかります。

アン・ハサウェイ演じるグロリアはニューヨークでWebライターの仕事をしていました。

しかし、酒に溺れ同棲していた彼氏には振られてしまいます。

劇中、グロリアがなぜアルコールにハマっていったかは説明されません。まぁ全体的に説明の少ない映画なのですが。。

恐らくは劇中でも語られるようにグロリアの書いた記事がネット上で炎上してしまったことがストレスとなりアルコールに逃避したのでしょう。

地元では地域一番の出世頭として見られていたグロリア。幼馴染みのオスカーは帰郷したグロリアにことさら優しく接しますが、その裏ではグロリアへの妬みによって、彼女を支配したいという真実が徐々に見えてきます。

本当のグロリアはアルコール依存症で、とても羨望を浴びるような存在ではないのですが。

アン・ハサウェイは現実社会の自身へのバッシングについて「それは本当に、気が滅入る」とコメントしていますが、それを役柄に反映させ、乗り越える強さも持ち合わせています。

オスカーの存在はアン・ハサウェイが現実社会で向かい合ったヘイターそのものではないでしょうか。

偶像としてのグロリアに憧れと嫉妬の入り混じった感情を抱き、何か弱みを握ればそれを利用して彼女を攻撃し、優位に立とうとする。

「シンクロナイズドモンスター」はコメディ調のシュールな怪獣映画なのですが、その裏にはアン・ハサウェイの強さが見て取れます。

また、「シンクロナイズドモンスター」の次に出演した「オーシャンズ8」ではダフネ・クルーガーという嫌われセレブを演じて見せたアン・ハサウェイ。

より「ハサヘイター」から見た自分に近い役柄を引き受けるアン・ハサウェイの器の大きさを感じずにはいられない作品でした。