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【解説 レビュー】ホテル・ルワンダ‐ヒューマンドラマの名作

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「ホテル・ルワンダ」のスタッフ・キャスト

監督
テリー・ジョージ

脚本
テリー・ジョージ
ケア・ピアソン

製作
A・キットマン・ホー
テリー・ジョージ

出演者
ドン・チードル
ソフィー・オコネドー
ニック・ノルティ
ホアキン・フェニックス
ジャン・レノ
ファナ・モコエナ

「ホテル・ルワンダ」のあらすじ

フツ族の過激派が巻き起こした混乱状態の中で、ホテルの副支配人だったポールは、自分の家族を救うことだけを考えた。しかし、虐殺が始まったことを知り、その重大さに気がついた彼は、ホテルにツチ族やフツ族の難民をともに受け入れることを決断する。
無力ながらも踏みとどまり続ける国連軍や、有名ホテルとしてのステータスを盾に、人々を過激派からかばい続ける一方で、ホテルの支配人として培った人間関係を利用して、彼は1268人の難民の命を救うことに奔走する。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80
ホテル・ルワンダ – Wikipedia



解説・レビュー

1994年に起きたルワンダ虐殺を扱った映画です。

例えば9.11のテロ事件は100年後の世界史にも刻まれるでしょうが、100万人が虐殺されたこのルワンダ虐殺は果たして今後の歴史に覚えていてもらえるのでしょうか。

もちろん、数の大小ではないことはわかっていますが、 それ以上にアフリカという地域は軽視されているのだと感じます。

実際に「ホテル・ルワンダ」の劇中でもアメリカのジャーナリストのジャックが秘密裏にルワンダの虐殺をカメラに収め、それをニュースを通して世界に発信しようとします。

ホテルの副支配人のポールは彼に対してそのニュースが発端となり、世界がルワンダに介入し虐殺を止めるきっかけになってくれることを感謝しますが、ジャックから返ってきた答えは『(西欧諸国の人間は)皆「怖いね」と言ってそのままディナーを続けるだろう』というポールの期待を裏切るもの。

果たして現実はそれ以上でした。

外国諸国から助けが来るどころか、それまでルワンダにとどまっていた国連軍も撤退。ポールはあらゆる賄賂と機転でその場を凌ぎ、なんとか

劇中でも語られていたようにアウシュヴッツは西欧諸国に関係する事柄だったために関心を得られたが、西欧諸国とほぼ利害のないルワンダの虐殺は介入はおろか虐殺行為との認定もなかなか行われず、その結果として100万を越える死者を出すジェノサイドになってしまいました。

例としてアメリカはなかなかルワンダのこの事件を虐殺と認定はしませんでした。その裏にはソマリアでの平和維持活動での介入の失敗がありました。(モガディシュの戦い)

この「モガディシュの戦い」を描いたのが2001年の映画「ブラックホーク・ダウン」。

映画でもソマリアでの海兵隊の過酷かつ絶望的な救出作戦が描かれますが、その事がアメリカの軍事介入を慎重にさせたと言われています。

のちに当時のアメリカ合衆国大統領のクリントンはインタビューで「もしアメリカから平和維持軍を5000人送り込んでいれば、50万人の命を救うことができたと考えている」と述べています。

また国連軍の司令官であったロメオ・ダレールはルワンダ虐殺について以下のように述べています。

私にとって、ルワンダ人の苦境に対する国際社会、とりわけ西側諸国の無関心と冷淡さを悼む行為はまだ始まってもいない。なぜなら、基本的には、非常に兵士らしい言葉遣いで言わせてもらえば、誰もルワンダのことなんか知っちゃいないからだ。正直になろうじゃないか。ルワンダのジェノサイドのことをいまだに覚えている人は何人いる? 第二次世界大戦でのジェノサイドをみなが覚えているのは、全員がそこに関係していたからだ。では、ルワンダのジェノサイドには、実のところ誰が関与していた? 正しく理解している人がいるかどうか分からないが、ルワンダではわずか3ヵ月半の間にユーゴスラヴィア紛争をすべてを合わせたよりも多くの人が殺され、怪我を負い、追放されたんだ。そのユーゴスラヴィアには我々は6万人もの兵士を送り込み、それだけでなく西側世界はすべて集まり、そこに何十億ドルも注ぎ込んで解決策を見出そうと取り組みを続けている。ルワンダの問題を解決するために、正直なところ何が行われただろうか? 誰がルワンダのために嘆き、本当にそこに生き、その結果を生き続けているだろうか? だから、私が個人的に知っていたルワンダ人が何百人も、家族ともども殺されてしまった――見飽きるほどの死体が――村がまるごと消し去られて…我々は毎日そういう情報を送り続け、国際社会はただ見守っていた…

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E8%99%90%E6%AE%BA
ルワンダ虐殺 – Wikipedia



『ホテル・ルワンダ』は決して残酷さを強調した映画ではないですが、虐殺の凄惨さもしっかり写し出しています。

ポールが家族や難民を秘密裏にかくまうホテル。とうとうそのホテルの貯えも底をつき、政府軍へ食料の調達に向かいます。その帰り道、濃霧に覆われた川沿いの道を運転している途中で大きく車は上下しだします。「道路を外れてしまったのでは?」ポールはクルマを止め、濃霧のなかで目を凝らすと目に映ったのは地面を多い尽くす死体の山。
濃霧による幻想的な画と相まって、まるで地獄を描写しているかのようなシーンです。

気丈に振る舞っていたポールですが、ホテルにつくと思わず嗚咽を漏らします。

ポールは当初家族だけ救えればと考えていました。しかし、なりゆきで避難民までかくまい面倒を見ることに。

この映画の核になるのはポールのヒューマニズムです。

クライマックス、自分と家族だけはこの場所から安全な場所へ脱出できる状況になった時、土壇場でポールが下したのは家族だけは脱出させ、自分みんなのためにホテルに残るという決断でした。

「ホテル・ルワンダ」は「ルワンダのシンドラー」と呼ばれた男の勇気と信念に溢れた映画です。

高い評価を受けたにも関わらず、そのテーマとルワンダという日本人にとって馴染みのない場所だったことによって当初は日本で劇場未公開だった今作。

しかし、是非「ホテル・ルワンダ」 は観てほしいおすすめの映画です。

普段意識しない地域で何が起きたのか。

なぜ世界はルワンダを無視し続けたのか。

ポールの勇気の感動と共に苦味を残す映画です。