感動する映画や音楽などに触れて涙を流すとストレスが解消されることはよく知られています。
この涙は専門家の間で「情動の涙」と呼ばれrているそうですが、「情動の涙」にはどんな効果があるのでしょうか?
まずは私たちの身近にあるストレスの話から始めていきます。
現代社会はストレスがいっぱい!
現代社会の様々なストレス
現代社会はストレスがいっぱいです。個人的に思いつくだけでも
・実力主義、成果主義による激しい競争
・長時間の仕事
・SNSなどによる「SNS疲れ」
などなど。加えて人間関係や、学生であれば部活や受験勉強などもストレスの原因になる場合もあるかと思います。
どれくらい日本人はストレスを抱えているのか
日本人はどれくらいストレスを抱えているのか、その調査結果がマイナビニュースに掲載されていたので下記に引用します。
Wrikeはこのほど、「会社員の働き方とストレス・生産性の関係調査」の結果を明らかにした。同調査は2018年11月29日~30日、全国の18~64歳の男女1,034名を対象にインターネットで実施したもの。
職場において、普段ストレスを感じているか尋ねたところ、全体の62.0%が「ストレスを感じる」と回答した。従業員数別で見ると、従業員人数の規模が大きくなるほど「ストレスを感じる」と答える人が増える傾向にあることがわかった。出典:職場でストレスを感じる人の割合、日本では6割以上 – 英米では何割? | マイナビニュース
さらに同調査では日本で職場においてストレスを感じている割合が6割なのに対して、イギリス・アメリカでは3割程度だったことも明らかにされています。
ストレスをため込みすぎるとどうなる?
ストレスがたまりすぎてしまうと、精神的にも、肉体的にも以下のような症状が現れてしまいます。
身体的症状
頭痛・・・ストレスによる緊張状態から血管が収縮し、脳に血液が送られないことによって頭痛の症状が現れます。
吐き気・・・ストレスは胃に大きな負担をもたらすことから、胃酸の過剰分泌などを引き起こし、吐き気を催すことがあります。
精神的症状
憂うつ感
焦燥感
泣いてスッキリ!「情動の涙」とは?
感動する映画や音楽などに触れて涙を流すとストレスが解消されることはよく知られています。
この涙は専門家の間で「情動の涙」と呼ばれ、喜びや悲しみなどの感情に心を動かされ、涙を流すのは人間だけが持ち得るものであるそうです。
この「情動の涙」には以下のような効果があるようです。
泣いて気持ちがスッキリした経験は誰もが持っているはず。言い知れない不安や苦悩、怒りなどの感情を泣きながら言葉にすると、それらの苦痛が解消され、安堵感や安心感を得ることができます。このことを、精神分析の分野では「カタルシス効果」と呼びます。
このほかにも、それまで交感神経が優位だったところ、泣くと副交感神経が優位に切り替わり、リラックス効果が得られることから、ストレス解消効果があるとも言われています。コルチゾールなどのストレスホルモンも分泌され、排出されることから、流れ出るのは涙だけではないことが分かります。
また、泣いた後には、脳内ホルモン「エンドルフィン」が増え、モルヒネのように苦痛をやわらげてくれる効果があることも確認されています。
「情動の涙」を流そう!泣ける映画のご紹介
『ライフ・イズ・ビューティフル』
是非ハンカチの用意をしてから観てほしい作品ですね。
1997年のイタリア映画ですが、日本で公開されたのは2年後の1999年だったかと思います。
第二次世界大戦中、ナチスの強制収容所に収容されたユダヤ人親子の物語です。
ロベルト・ベニーニ曰く、「どんな状況下でも人生は生きるに値するほど美しい」という信念に感銘を受け、物語を着想したとのこと。
父の愛情の深さが深い感動を与えてくれます。
『トイ・ストーリー3』
誰しも経験のあるおもちゃからの卒業をテーマにした今作。アニメ史上に残る名作ではないでしょうか?
おもちゃにとっての幸せを追求するストーリーの中で、おもちゃとの別れというクライマックスをこれほど感動的に、そして幸せに描いた作品は後にも先にもこの作品しかなく、また、この作品を越える作品も出てこないかもしれません。
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』
ノスタルジーと、そこから一歩抜け出して今を生きていくというメッセージ性にあふれた今作。
公開当時、子供の付き添いで鑑賞したはずの大人の方が泣いてしまうという現象が続出したそうです。
今作品のDVD発売時のCMには俳優の阿部寛が出演し、大人の鑑賞にも堪え得る感動作であることをPRしています。
『ネバーランド』
実在の人物、ジェームス・バリの史実を交えながら、ピーター・パンという作品ができるまでを丁寧に描いたヒューマン・ドラマ。
スランプに陥っていた劇作家のジェームスは未亡人のシルヴィア・ディヴィス夫人とピーターを始めとする彼女の子供たちと出会いますが、子供たちの中でもピーターは父の死で心を閉ざしがちな子供になっていました。
彼らとの交流を通して、ジェームスは癒され、また彼らに感化され、新しい劇の制作に取り掛かります。