炎上注意!なぜマンガの実写映画化は失敗しやすいのか?

『ジョジョの奇妙な冒険』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『ドラゴンボール』これらはどれも実写化に際して炎上・・いわば燃え上がるような激しい物議を受けた作品です。(週刊少年ジャンプという共通点もありますが。

炎上しやすいにもかかわらず、なぜ近年以前にもまして数々のマンガが実写化されているのでしょうか?
ちょっと考えてみたいと思います。

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マンガの実写化のメリット

利点1. ストーリーや世界観が既にある

小説でもそうなのですが、すでに原作があるものは脚本をうまくまとめる必要はあるものの、ストーリーや世界観がすでにあり、成功するかわからないものを1から作るよりもリスクが少ないように思えます。

利点2. 多くの人に興味を持ってもらえる

例えば本でいうなら10万部売れたらベストセラー。

でもマンガって他のどのジャンルの本よりも多くの人に届きやすい≒売れやすい形態とも思うんですよね。

例えばワンピースなんて、累計数億部くらいあるでしょうし、最新刊が出ればその発行部数はいわゆるベストセラーの数十倍は下らないでしょう。

だからこそ、その作品が実写化になるとしたら、膨大な数の読者にも関心を持ってもらえることでしょう。

しかしながら成功の成否に強くかかわるのも、この『原作ファン』と呼ばれる人達。

ここからは「なぜ炎上しやすいのか?」を考えたいと思います。

マンガの実写化が炎上する原因

原因1. 解釈が限定されてしまう

小説だと文字のみの表現なので各々が頭にイメージを描いていくことになります。

その分、映像としての解釈に差があったとしても、『そういう想像をしてたんだ、この監督さん』って解釈の幅の分だけ相手を許しやすいと思うんです。

これが漫画だと、例えば各キャラクターはすでに絵にしてあり、外見をどうするかはあまり解釈の余裕がありません。

構図もそう。テンポはコマ割りとその大きさで、おのずと固まってきます。

それを再現するのは並大抵ではなく、他のメディアに比べて漫画の実写化は大変だろうなと感じますね。

原因2.そもそも映画向きを念頭に作られていない

こう言ってしまうと、マンガに限らず、小説など原作付きの映画はみんなそうなってしまうんですが、映画向きを念頭に作られていないんですね。

例えば作中屈指の人気キャラが登場するのがコミックス6巻目くらいだとしましょう。

しかし、おおよそ無理なく映画化できるのは約コミックス2巻分らしいです。

だとするとどこかに設定の変更やストーリーの省略を余儀なくされます。

深い人気を獲得している作品であればあるほど、また読者の想い入れも深いもの。

そうなると、いかなる改変であっても、炎上は免れない気もします。。。

原因3. 予算や権利の問題

こちらに関してはマーベル社副社長C.B.セブルスキー氏のインタビューでその可能性が述べられています。

マーベル作品はアメリカだけでなく、世界各国で大ヒットを記録しており、長年コミックを読んでいる熱狂的なファンとも友好的な関係を築きあげている。一方、日本では人気コミックが実写化されると成功する作品もあるが、原作のイメージを著しく損なっていたり、ファンの期待を大きく裏切る作品が存在する。日本のコミックを心から愛するCBさんは「日本には非常に優秀なフィルムメイカーがたくさんいるので、はっきり言いますが“作り手”の問題ではないと思います!」と断言する。「私の個人的な意見を申し上げますと、マーベルにあって、日本の映画にないものは、ふたつあります。ひとつは大きな“予算”です(笑)。もうひとつは、ビジネスモデルの問題ですね。日本ではひとつの作品の権利を、作家さんと出版社が分け合っていたり、映画化するとなると出資者が絡んできて、様々な人たちの思惑と意見がごちゃ混ぜになって、映画が迷走してしまうんだと思います」

出典:http://cinema.pia.co.jp/news/168777/66478/
日本を愛するマーベル重役が語る映画『シビル・ウォー』の魅力|ニュース|映画情報のぴあ映画生活(1ページ)



炎上した実写化映画作品

がっこうぐらし

原作の「一見ほのぼのした日常系アニメ」というフェイントを全く行わずに、予告編で盛大にゾンビ映画のネタバレをしてしまったことから炎上してしまった作品。

ポスターでもすでに校舎の壊れっぷりが明らかに見て取れますね。

こちら葛飾区亀有公園前派出所

週刊少年ジャンプで40年に渡って連載されていた原作の実写映画化作品です。

映画に先だって連続ドラマ化もされていましたが、主演のキャスティングのイメージの違い、また源作にほとんどない「ほげ~!」などのセリフが議論を巻き起こしました。

一部には「連載初期の両津勘吉には似てるかも」という擁護の声も。

デビルマン

話を詰め込みすぎたパターンの作品。

熱狂的なファンがいる名作は簡単に実写化するものではないという教訓のような映画ですね。

今ではバカ映画としてカルト的な評価になっています。

GHOST IN THE SHELL

炎上は何も日本だけのものではありません。こちらは士郎正宗のコミックを押井守がアニメ映画化した作品の実写化です。

日本人である主人公の草薙素子をなぜスカーレット・ヨハンソンが演じるのか?と海外で批判の声が上がりました。

成功した実写化映画作品

「るろうに剣心」シリーズ

人気漫画の実写化、賛否はありますが、そのなかで概ね好評価だった『るろうに剣心』。

ことらの高評価の理由は実写ならではのよさを上手く活かしたからだと思います。

必殺技を叫ぶなどの原作にあった『マンガ的な要素』を極力排し、時代劇としての説得力を出しています。加えて、アクションシーンのクオリティもめちゃくちゃ高い。実写化の稀有な成功例と言える作品です。

銀魂シリーズ

こちらも週刊少年ジャンプのマンガの実写化です。ギャグマンガだからということもあるのでしょうが、あえて登場人物を原作にとことん忠実に描き、また俳優たちも体を張ってキレのあるギャグシーンを演じていることで、評価される作品となりました。

翔んで埼玉



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