映画館の種類01.上映形態
シネマ・コンプレックス(シネコン)
複数(主に5つ以上)のスクリーンを有する映画館。
今や映画館の主流の形態だと思います。
ユナイテッド・シネマやTーJOYあたりが有名でしょうか?
新作映画を上映、立ち見なしの完全座席指定で一回上映ごとに入れ替え制です。
映画館と言えば無条件でシネコンを想像する人たちからすれば、当たり前じゃん!って話でしょうが、昔は一回映画館に入ると、そのまま同じ作品を何回でも観られたんですよ。
ちなみに日本にシネコンが入ってきたのは1980年代。
1984年にキネカ大森が「シネマコンプレックス日本初登場」と銘打って開館しています。
単館(ミニシアター)
シネコンのように大手映画会社が運営する映画館ではなくそれらとは独立して運営される映画館。
単館にしか卸されない映画もあり、一時期は『ミニシアターブーム』を巻き起こしたことも。(『バグダッド・カフェ』がそのきっかけとも言われています。)
名画座
主に旧作映画を上映する、昔ながらの映画館。料金も1000円前後とリーズブルですが、日本では減少傾向にあります。
全国でも20館程度ではないでしょうか。
映画館の種類02.スクリーン・設備
映画館の種類01.「2D」
いわゆる、普通のスクリーン。3Dだとか、4DXだとか、映画館がアトラクション化していく中で、純粋に映画の真価が見られるのは2Dなのかなと思いますね。他のスクリーンの形態に比べると映画料金も安いです。
映画館の種類02.「3D」
映画のアトラクション化の大きなきっかけになったのではないでしょうか。
それまで平面だったスクリーンを、立体的に視覚させようとした、映画の価値を大きく変える契機だったと思います。
2009年公開の『アバター』を筆頭にもはや定番化した感のある3Ⅾですが、実は映画ができたその初期から立体映画は作られてきたらしいですね。
なかでも1952年から1954年は「立体映画黄金時代」と呼ばれる期間であり、アルフレッド・ヒッチコック監督の『ダイヤルMを廻せ!』は初めて本格的な3Ⅾ映画として製作されたそうです。
前述の2009年公開の『アバター』公開を機に過去作品の3Ⅾ化が劇場公開されるなど隆盛を迎えましたが、近年は制作費の高騰などにより、従来の2Ⅾ版と比較して3Ⅾ映画は縮小傾向にはあるそうです。
映画館の種類03.「4DX」
香りや霧、座席の揺れなど、「体感型」アトラクションもここに極まるような感じを受ける4DX。
4DX(フォーディーエックス)は、韓国CJグループ傘下のCJ 4DPLEX社が開発した映画館用の環境効果技術。映画上映時に、標準の映像・音声に合わせて座席稼働や環境効果が体感できる。効果は「前後上下左右への動き」「背中への衝撃」「地ひびき」「耳・首筋へのエアー」「足元に何かが触れるような感覚」「風」「水」「霧」「雨」「嵐」「雪」「香り」「煙」「フラッシュ」「バブル」など。劇場自体に専用の技術装置の設置が必要。同種のライバルとしては米MediaMation社が開発したMX4Dがある。
映画館の種類04.IMAX
通常の映画に使用されるフィルムは35ミリフィルムですが、 では70ミリフィルムを使用することにより、高精細の映像を楽しめるようにしています。
また、映像の魅力を最大限に発揮する大型スクリーンや、6つの専用スピーカーが実現する、包み込まれるような音響など、映画の魅力を最大限に引き出すスクリーン・システムです。
映画館の種類05.ドルビーシネマ
映像・音響に加え、映画館のデザインも「最高の映画体験」のために最適化されたドルビーシネマ。
2018年11月に福岡の「T・ジョイ博多」に日本で初めて導入されました。
Dolby CinemaTM(ドルビーシネマ)は映像と音響のパワフルな技術に、卓越したシアターデザインが組み合わせられることにより、映画館を最高に魅力的なシネマ体験をお届けする空間へと変えます。
最先端の光学・映像処理技術を採用したドルビービジョン プロジェクションシステムによって、他の映像技術を凌駕し、広色域で鮮明な色彩と幅広いコントラストを表現するハイダイナミックレンジ(HDR)映像を実現します。
そして、ドルビーアトモスは、これまでにないリアルなサウンドでシアター館内を満たし、縦横無尽に空間内を移動させることで、今まで体験したことが無いような没入感を味わうことができます。
この両技術とドルビーシネマの洗練されたシアターデザインが一体となって作り出す空間の中で、驚くほど鮮やかでリアルな映像・サウンドをお届けすることで、まるで映画の世界に入ったような、劇的な進化を遂げたシネマ体験をお届けします。
ドルビーシネマ体験してきました!
映画館の種類06. Screen X(スクリーン-X)
Screen X(スクリーン・エックス)は、韓国の会社CJ CGVが開発した映画上映システムです。
従来の正面スクリーンのみならず、左右の壁いっぱいにも映像を投映し270度の3面マルチワイドクリーンで映画へのさらなる没入感・臨場感の実現を目指しています。
Screen X(スクリーン・エックス)は2015年に韓国で導入されて以降、アメリカ、中国をはじめとする国で導入されていて、日本は8番目のScreen X(スクリーン・エックス)導入国となります。
日本国内では東京の「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」、福岡県福岡市の「ユナイテッド・シネマ 福岡ももち」の2か所に導入されています。(2019年2月現在)
ちなみに日本初のスクリーン・エックス上映作品は『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』。
こんな映画館も!
食事しながら映画が見られる「ダイニングシネマ」
出典:http://sp.walkerplus.com/diningcinema/
プレミアム・ダイニング・シネマで日本“初”を体験 – ウォーカープラス
キャナルシティの映画館でいつも流れるCM。今のところ福岡のキャナルシティ博多だけなのかな?
お食事しながら映画が観れる映画スタイルですね。
2種類のシートが選べて、それで料金が違うんですが、通常の映画鑑賞料金+1000円~2000円と意外とリーズナブル。
「ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13」内に2016年4月オープン。アメリカを中心に100か所以上の劇場で導入され、世界的に注目を集めている<映画を観賞しながら、食事を楽しむ>新スタイルの映画館だ。カジュアルシートは映画チケット代プラス食事代1000円、ラグジュアリーシートは映画チケット代プラス食事代2000円で利用でき、食事は好きなものを注文できる。観賞料はレディースデー(毎週水曜)、会員デー(毎週金曜)、映画の日(毎月1日)などの各種割引サービスも適用されるのがうれしい。
車の中から映画を観る「ドライブインシアター」
厳密にいえば映画館ではないですが、公共の場で映画を観る施設と言う意味ではこれも広義の映画館の一種かなと思います。
ドライブインシアターとは屋外で車に乗ったまま映画を観るスタイルの屋外映画施設のこと。
土地が広大で、どこにいくにしても車が必要だったアメリカの社会と、また車に載ったまま映画を観るということで、プライバシーが保たれる(例えば赤ん坊が泣き出したとしても車内なので他の観客に迷惑をかけないなど)が特徴です。
ドライブインシアターは1930年代にアメリカで始まり、1950年代末から1960年代初頭にははドライブインシアターの数も4000を超え、全米でピークを迎えますが1970年代になりテレビが普及し、家にいながら映画が楽しめる環境になると、ドライブインシアターは衰退していきました。
日本では1981年、千葉県船橋市のららぽーとにドライブインシアターが設置されたのをきっかけに90年代初頭には全国20か所ものドライブインシアターが存在するも、やはりアメリカと同じ問題点から衰退。2010年には国内のドライブインシアターの数は0となりました。
近年の日本のドライブインシアターはスポット的にイベントとして開催されることが多くなっています。
2014年10月には静岡県浜松市で3日間限定のイベントとして「ドライブインシアター浜松」が開催されました。
2016年に起こった熊本地震の復興支援として熊本県に常設のドライブインシアター、Drive in Theater Asoが開業。
不定期に週末に映画を上映しているようです。
映画館へ行ってみませんか?
僕としては映画館で映画を観るその行為自体がエンターテインメントで、非日常のイベントだと思います。
シアターに近づくにつれてポップコーンの匂いが漂い、「ああ、映画館に来たんだ!」とにもワクワク感が高まります。
僕が映画フリークだからか、映画館で流れる予告編も好きだし、お互いが名も知らないお客さんみんなが集中してスクリーンを見つめているのも好きです。
映画館って非日常なんですよね。
おでかけして、みんなで集って二時間ばかりの非日常の空間を楽しむっていう。
家のテレビじゃ叶えられない音響に、シアターに閉じ込められて大きいスクリーンでこれでもかと見せつけられる映像。
今回、様々な映画館のスクリーンを紹介しましたが、そのどれもが映画だけにお客さんを集中させるため、そして映画をお客さんに楽しんでもらうためだと思います。
例えば「これは映画館で観た方が絶対にイイよ!」という言葉。ちょっと前なら『ゼロ・グラビティ』、最近だと『グレイテスト・ショーマン』」『レディ・プレイヤー・ワン』などでよく言われていますよね。
繰り返しになりますが、やはり映画のポテンシャルを一番発揮できるのは映画館だと思います。
映画離れが叫ばれる昨今ですが、映画館でしか味わえないものを感じに、たまには映画館に足を向けてみるのもいいのではないでしょうか?