【ネタバレ】本当の怪物とは?アイ・アム・レジェンドのラスト別エンディング考察

アメリカの姿

それは『自由と民主主義』をかざし、それ以外の価値観を野蛮として、力ずくでも是正しようとしたアメリカと、独裁国家のようなものでしょうか。

近年、アメリカの敵としてイメージされるのはイスラム圏でしょうか。

例えばイスラム教に男尊女卑の印象を持つ人も少なくないと思います。私たちの価値観でみると、思わず「それはおかしいのではないか?」と感じてしまうかもしれません。

しかし、それぞれの価値観がそれぞれにあり、その中で何を優先させるかにおいては私たちは画一的にとらえるべきではないとも思います。

イラク戦争後、ポルカと呼ばれる顔を覆うスカーフを外した女性が男女差別から『解放』された象徴のように取り上げられていましたが、実際はスカーフ着用は女性の主体的な選択でもあり、男性側が強制しているものではないとの声もあります。

ただ、その国の価値観を理解できないと、ただ相手のことが意思疎通の計れない怪物のように見えてしまうでしょう。

かつて黒人が奴隷として扱われ、日本人が「猿」と言われていたように。

本来のエンディングである別エンディングではラストでアメリカ(ネビル)の「独善性」が暴かれ、それまでのネビルの英雄的なイメージは崩れ去ります。

個人的にはこのエンディングの方が、知的で、かつ話としても好きですね。

まぁアメリカ国内での試写が不調だったのも理解できますが。

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公開版エンディングの意義

では、公開版のエンディングの意義とはなんでしょうか。

本作の監督のフランシス・ローレンスのインタビューを2つ抜粋します。

「まず、他に誰もいない都市でたったひとりで生きていかなくてはならない男、というモチーフに惹きつけられた。とても古典的なモチーフだけど、これが現代だったらどうなるのか。いろんなふうに膨らませることができるモチーフだからね。それと、この物語は前の2作とは違うアプローチで描けると思ったから。このドラマを、主人公のキャラクターに焦点を当てて描こうと思ったんだ。地球上でひとりぼっちになってしまった人間は、実際にはどんな行動をとるのか。心理的にはどんなふうになっていくのか。前2作は、どちらかというと、プロットを重視しているけど、もっと主人公を掘り下げて描けば違う作品になると思ったんだ。だから、映画の前半では、主人公がどんな人物なのかをかなりていねいに描いている。何を職業としているのか、どんな家族がいるのか。そういう彼の人物像、バックグラウンドを描いているんだ」

出典:https://eiga.com/movie/53135/interview/
アイ・アム・レジェンド インタビュー: 監督&脚本家が語る映画化のポイント – 映画.com

かなり長い間、興味を持っていた作品なんだ。独りで都市に取り残されたとき、精神的にどのような影響を受けるのか。どのように生き残ろうとするのか。非常に苦しい局面において、どうやって希望というものを見つけるのか。そういうテーマを地球規模で危機的な状態にある今、描きたかったんだ。

出典:http://news.livedoor.com/article/detail/3420061/
希望を持って生きることが大切「I AM LEGEND」フランシス・ローレンス監督インタビュー – ライブドアニュース

別エンディング版と公開版の違いは価値観の逆転とネビルの死。

公開版は「死」を描くことで、ネビルの人生を別エンディング版に比べて、よりコンパクトにわかりやすく描けています。


また、これは好みの問題でもあるのでしょうが、希望ということに対しても意味合いが変わってきます。

・別エンディング版

別エンディング版では物語の最期は「君は独りではない」と言うアナの言葉で終わります。

・公開版

公開版ではネビルは血清を生み出し、命と引き換えに人類を救ったということが語られます。

別エンディング版と公開版のエンディングでは「希望」の意味合いが違ってきます。
別エンディング版は個人へ向けた非常にパーソナルなもの。
そこには「人類を救う」ということではなく、生き残った人間たちでまた新しい生き方を模索しようという意思が感じられます。

公開版はネビルの死という絶望とのコントラストで「希望」はより重い意味を持ちます。そしてそれは「人類を救える」という非常に壮大な希望です。

『アイ・アム・レジェンド』別エンディング版と公開版のエンディング、あなたはどちらがお気に入りですか?

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