【ネタバレレビュー】「フロントランナー」ゲイリー・ハートのスキャンダルが問いかけるものとは

そういう意味で、今作のキャッチコピー「裏切ったのは ―― マスコミか、国民か、それとも彼自身か」は正に秀逸と言えます。

日本でも、政治家の本質は関係のないところで、政治家の資質が問われるという奇妙なニュースがありました。(カップ麺の値段を知らない、漢字が読めないなど・・・。)

映画の舞台は1988年・・・今から30年前ですが、今やだれもがSNSなどで情報発信者(劇中の言葉を用いれば「狩人」)になれる現在、『フロントランナー』もやはり2019年ならではの意味を持った作品だと思います。

『フロントランナー』はメディアはどうあるべきか、公人はどうふるまうべきか、国民はどう判断するべきか、そのどれにも敢えて明確な回答を示しません。

よくも悪くも分かりやすいエンターテインメントが氾濫する今、映画を観終わった後でふと立ち止まって考えさせてくれるような作品は貴重だとも言えます。

『フロントランナー』の問いは30年たった今も、いや、今だからこそ問われるべきものです。

その答えは映画を観た私たちに委ねられています。

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