『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
数多あるクレヨンしんちゃんの映画作品のなかでも一、二を争う人気を誇る本作。クレヨンしんちゃんを子供向けのアニメと思っている人には是非とも観てほしい作品です。
この映画の公開当時、子供の付き添いで鑑賞したはずの大人が泣いてしまうという現象が続出したそうです。
それもそのはず、今作は父親である野原ひろしにフォーカスを当てた作品でもあるからです。
自分の生まれ育った20世紀。それを抜けた21世紀では大人として振る舞っていかねばならない、その影にある一抹の不安と寂しさ。
子供時代を再度体験しているひろし。実際は子供だからこそ、叶わない願いもあります。そこを救いに来たしんのすけにより、ひろしは今の暮らしにもまた素晴らしさが溢れていることに気づかされます。
新しい時代の前夜、ノスタルジーへの情景とそれでも前に進む力強さを内包させた名作です。
『もののけ姫』
それまでのジブリのイメージを打ち崩すような残酷描写、幾重にも折り重なった重厚なテーマ、大人の鑑賞にも耐えうる洗練されたストーリー。
宮崎駿の最高傑作は僕は『もののけ姫』ではないかと思っています。
テーマの中心軸は自然と人間の関わりになるのでしょうが、単純な善悪ではなく、どちらにも守るべきものがあります。
キャッチコピーは「生きろ」。
若者の死因の一位は自殺であり、90年代から、その自殺率は上昇し続けています。
この映画の最大のメッセージはここにあります。
宮崎駿監督は現代の若者の姿をアシタカに投影させています。
アシタカの呪いは「自分の責任ではない負債を背負わされている」若者の現状を表したものなのだとか。
自分の責任ではない負債。。。まぁ不況であったり、国の借金のような外的な要因ですね。
アシタカの生き抜こうとする姿を通して、人間の持つ「生きる強さ」を示したかったのではないでしょうか。
『君の名は』
興行収入めっちゃいいらしいので、公開当時、前情報も見ずに映画館行ったけど、確かに良かったです。震災というものが根底にはありながらも、同時期に公開されたシン・ゴジラが現実との向き合い方だとすれば、こちらはある意味のファンタジー。
三葉と瀧の入れ替わり生活はもっとみてみたかったなぁ。。タイム・スリップもので、時間を越えて二人が協力しながら歴史を変えようとするところは見所。
ラストシーンはでは会わずじまいで『バタフライ・エフェクト』のような終わりかたかな?と思ってましたが、かゆいところに手が届いてキレイな形で鑑賞後も爽やかな気持ちになれた作品でした。
『トイストーリー3』
1995年に公開された第一作目の『トイ・ストーリー』から15年。4歳だったアンディも17歳となり、今ではおもちゃで遊ぶこともなくなっています。
誰しも経験のあるおもちゃからの卒業をテーマにした今作。アニメ史上に残る名作ではないでしょうか?
おもちゃにとっての幸せを追求するストーリーの中で、おもちゃとの別れというクライマックスをこれほど感動的に、そして幸せに描いた作品は後にも先にもこの作品しかなく、また、この作品を越える作品も出てこないかもしれません。