『ルパン三世 ルパンVS複製人間』は1978年に公開されたルパン三世の劇場版映画第一作目の作品です。
ルパン三世一味と、世界を裏で操る大富豪、ハワード・ロックウッド(マモ―)との戦いを描いています。
一部では名作『ルパン三世 カリオストロの城』より高い評価を得ている本作。後述しますが実際『ルパン三世 ルパンVS複製人間』のヒットがなければ『ルパン三世 カリオストロの城』も制作されることはありませんでした。
今回はそんな『ルパン三世 ルパンVS複製人間』から裏話・トリビアをご紹介します。
マモーのモデル
背が低く、白髪の長髪という特徴的なルックスのマモーですが、そのモデルはカルト映画『ファントム・オブ・パラダイス』でポール・ウィリアムズが演じるスワンという悪役です。
実際見てみると、長髪の白髪をはじめ、垂れ気味の目や輪郭など、かなり似ています。
マモーは「次元大介の墓標」にも登場している
「複製人間」公開から36年後の2014年に公開された『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』のエンディングでマモーが再びスクリーンに登場しています。
歴史を裏から操ってきたとされるマモー。『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』のエンディングでは世界各国が東ドロアへの軍事介入を決めたことを知り、一人「禁断の果実を口にしたな」とつぶやきます。この戦争状態もマモーが意図して作り上げたものかもしれません。
『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』監督の小池健も『ルパン三世 ルパンVS複製人間』は傑作だと評しています。
赤塚不二夫が出演している
本作はゲスト声優も豪華。今となっては故人となってしまいましたが、今や大御所の方々が出演されています。その一人が赤塚不二夫。役どころはなんとアメリカ合衆国大統領。姿は見せずに声だけの出演になっています。
他にもエジプト警察署長役に三波春夫、ソビエト連邦共産党書記長役に梶原一騎が声優を務めています。
幻になった山寺の寺男になった銭形
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の予告編でのみ山寺の寺男になった銭形警部の姿が観れます。
冒頭、ルパンが処刑されるシーンから始まる映画ですが、ルパンの死を知った銭形は警察をやめ、山にこもって山寺の寺男になるという流れでした。実際にこのシーンは製作されたものの最終的にはカットに。
ルパンの死を嘆き悲しむ銭形警部の姿はTV第2シリーズ第32話『ルパンは二度死ぬ』やTVスペシャル『1$マネーウォーズ』で観ることができます。さらに『1$マネーウォーズ』では銭形が警察をやめようとするシーンも確認できます。
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』実は読みが外れた!?
当初はTV版第1シリーズのような本来の大人向けの「ルパン三世」を意識して制作された本作。しかし、実際の観客は中高生が中心でした。映画自体は10億円の配給収入を上げてヒットとなったものの、この結果を受けて、次回作の『ルパン三世 カリオストロの城』は15~16歳中心に改められることになりました。