映画の魅力とは?ー② 映画とは何か/映画の境界線

こんにちは!

以前映画の魅力とは?ー①NETFLIXと劇場映画という記事を書いたのですが、今回はその続編。

世の映画人がストリーミングサービスで配信される映画をどうみているのか、というのを紹介していきたいと思います。

また、そこから『映画とはなにか?』を探っていきたいと思います。

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ネットフリックス映画はアカデミー賞をとるべきではない?

新作映画『レディ・プレイヤー・ワン』も好評なスティーブン・スピルバーグ。

彼はネットフリックスなどに代表されるストリーミングサービス上で公開される映画に対してこう述べています。

「一度テレビのフォーマットに専心したのなら、あくまでテレビ映画でしかない」「確かに優れた作品ならエミー賞に値するだろうが、オスカーではない。ただいくつかの映画館で一週間にも満たない期間だけ上映許可されたような映画が、アカデミー賞にノミネートされるのは適格ではないと思うよ」

出典:http://top.tsite.jp/news/celebrity/o/39206070/index
スティーブン・スピルバーグ、Netflix映画はアカデミー賞に不適切 [T-SITE]

※エミー賞・・・アメリカのテレビドラマなど、テレビに関連する様々な業績に与えられる賞

またこの意見にはダンケルクやインセプションなどの監督映画で有名なクリストファー・ノーランも賛同しています。

「Netflixは劇場用作品を援護することに変な嫌悪をもってるみたいだ」「全ての公開と配信が同時でなければならないなんていう馬鹿げたポリシーを持っている。それって劇場用の上映にとっては明らかに支持できないやり方だよ」「だから彼らは土俵にも上がれていないし、大きなチャンスを逃していると思うね」
さらにノーランは同サイトが映画館を潰すことになりかねないとも考えていて、「Netflixが投資している面白い映画制作者やプロジェクトが、映画館を潰すという目的の効力として使われていなければもっと称賛できるものになるだろうけど」と話し、「とても意義がないし理解できない」と続けた。

出典:http://top.tsite.jp/news/celebrity/o/39206070/index
スティーブン・スピルバーグ、Netflix映画はアカデミー賞に不適切 [T-SITE]

劇場映画から、ネットフリックスへ

逆に劇場映画の世界から、ネットフリックスに手を伸ばした映画監督もいます。

『セブン』や『ファイト・クラブ』で有名なデヴィッド・フィンチャーもその一人。

フィンチャーは現在の映画における制約の多さをこう語っています。

映画よりもテレビドラマを好む理由について「映画ではキャラクターを描く時間がない」とフィンチャー監督は説明。「『大統領の陰謀』を見てくれ。すべてがキャラクターについてだ。だが、いまでは世界を滅亡から守ることだけになってしまっている。自分が作ることを許された映画ですら、登場人物が熟考するようなシーンはほぼない。ほとんどがカウントダウンのシーンだ」「いまでもスタジオのなかでより良い映画を作ろうと葛藤している人がいるし、仲の良い重役もいる。でも、スタジオ映画として作るときは、彼らも決められた枠に収めなくてはいけない。ロマンティックコメディか、不幸を描くアカデミー賞狙いか、スパンデックスを着た連中が登場する夏のスーパーヒーローの大作か、ほどほどの予算で作られる続編のいずれかだ」

出典:http://eiga.com/news/20171023/5/
デビッド・フィンチャー監督、現代のハリウッド映画の問題点を指摘 : 映画ニュース – 映画.com

デヴィッド・フィンチャーのこの考えはスピルバーグの思いにも重なる部分があります。

スピルバーグは大手スタジオがかつて制作していたようなインディー系の映画がNetflix、Hulu、Amazonに流れていると考えている。

「今、多くのスタジオは小さな映画でリスクを冒すよりも、ブランドがあり、これまでの過去作から興行成績が保証されているような大作映画を作りたがります」とスピルバーグ。「スタジオが定期的に作っていた小さい映画が今度はAmazon、Hulu、Netflixに流れています。質と芸術性が高まって、TV業界は今とても繁栄しています。ですが、映画を観に行く人達にとっては明確な危険があります」

出典:http://jp.ign.com/movie/23254/news/netflix

こう考えると、デヴィッド・フィンチャーは純粋にクリエイターとしての思い、そしてスティーブン・スピルバーグは映画文化を憂いての思いであることがわかります。

2017年の世界興行収入TOP10

上記の両者の見解を裏付けるように、今や映画の世界は続編、リメイク、わかりやすいエンタテインメントに席巻されているように見えます。

1位 『美女と野獣』 12億6350万ドル(約1429億円)
2位 『ワイルド・スピード ICE BREAK』 12億3580万ドル(約1398億円)
3位 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』 12億520万ドル(約1363億円)
4位 『怪盗グルーのミニオン大脱走』 10億3350万ドル(約1169億円)
5位 『スパイダーマン:ホームカミング』 8億8020万ドル(約996億円)
6位 『Wolf Warrior 2(原題)』 8億7030万ドル(約985億円)
7位 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』 8億6370万ドル(約977億円)
8位 『マイティ・ソー バトルロイヤル』 8億4980万ドル(約961億円)
9位 『ワンダーウーマン』 8億2180万ドル(約930億円)
10位『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』 7億9490万ドル(約899億円)
11位『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』 6億9880万ドル(約790億円)
12位『ジャスティス・リーグ』 6億5280万ドル(約738億円)
13位『LOGAN/ローガン』 6億1680万ドル(約698億円)
14位『トランスフォーマー/最後の騎士王』 6億540万ドル(約685億円)
15位『リメンバー・ミー』 5億8910万ドル(約666億円)

出典:https://news.aol.jp/2018/01/07/beauty-and-the-beast-2017-top-grossing-movie-attendance-low/
2017年の世界の映画興収ランキング1位に『美女と野獣』 – AOL ニュース

1987年の北米興行収入TOP10

1位 スリーメン&ベビー
2位 危険な情事
3位 ビバリーヒルズ・コップ2
4位 グッドモーニング, ベトナム
5位 月の輝く夜に
6位 アンタッチャブル
7位 摩天楼はバラ色に
8位 張り込み
9位 リーサル・ウェポン
10位 イーストウィックの魔女たち

30年前の興行収入はこんな感じ。
まず続編作品がほぼなく、『グッドモーニング, ベトナム』『アンタッチャブル 』などの社会派な映画もありますね。

映画とはなにか?

これ、私たちの身の回りに置き換えてみましょう。

いくら良くできたドラマでも、連ドラを映画とは呼ばないですよね。

では二時間ドラマを映画と呼ぶか?これも中々呼んでる人は見たことないです。

Googleで「映画とは」を検索するとこう出てきます。

映画とは… 高速度で連続撮影したフィルムを映写機で映写幕に連続投影した映像によって、形や動きを再現するもの。活動写真。キネマ。シネマ。

杓子定規な定義と言われればそれまでですが、しかし私たちが思い浮かべるイメージに最も近いものでもないでしょうか。

テレビやストリーミングを否定するわけではないのです。それらにも映画の適わない長所があるでしょう。しかし、それらを無理やり「映画」にカテゴライズすることもないように僕は思います。

テレビやストリーミングサービス、映画・・・僕はこれらを親戚関係に捉えています。

対立して優劣を競うものではないけれど、まったく同一として扱われるものでもないと思います。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」に浅草シネマパラダイスという回があります。

ラスト、「同じ映画をビデオで見ても感動が少ないのはなぜだろう」という麗子の問いかけに両さんはこう答えます。
「多くの観客が一緒に笑ったり泣いたり、感動するからじゃないのか」

これこそが映画文化の核なのかもしれません。
 「一度テレビのフォーマットに専心したのなら、あくまでテレビ映画でしかない」

こう発言するスピルバーグの視線の先には映画館で多くの観客が一緒に笑ったり泣いたり、感動する姿が映っていることでしょう。