【ネタバレレビュー】「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」

音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! (角川文庫)

「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」は僕が大ファンの三木聡監督の最新作、早速劇場で観てきました。

独特のクセのある三木聡監督の作品。今回も小ネタと脱力ギャグが炸裂しています!

後半で「音タコ」のネタバレあらすじも書いています。

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「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」の予告編

「音量を上げろタコ なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ」のスタッフ・キャスト

監督
三木聡
脚本
三木聡

出演者
阿部サダヲ
吉岡里帆
千葉雄大
麻生久美子
小峠英二
森下能幸
岩松了
ふせえり
田中哲司
松尾スズキ

「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」のあらすじ

4オクターブの音域と、すべての人の心を打つ声量を持ち、金も女も名声も手にするロックスター・シン。しかし彼には誰にも言えない秘密があった。彼の歌声は、「声帯ドーピング」という掟破りの方法によって作られたものだったのだ。「歌を届けるためなら、もう声が出なくなってもいい、死んでもいい――」長年にわたる声帯ドーピングの副作用で、彼の喉には限界が近づいていた。次第に声が出なくなる恐怖に怯えるシン。そんな中で彼が出会ったのは、 歌声が小さすぎるストリートミュージシャン・ふうかだった。彼女の姿にかつての自分を重ね、ふうかを叱咤するシン。そんな中、シンは次第に声が出なくなっていく…。果たして、ふうかはシンを救えるのか!?

出典:https://www.cinemacafe.net/movies/27838/
『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』作品情報 | cinemacafe.net



感想・レビュー

自称ミッキーマニア(三木聡監督作品のファンのこと)の私としては何をさておいても絶対に劇場で観なければならない映画でした。

今回は音楽を題材にしています。

阿部サダヲさん演じるシン

まずは阿部サダヲさん演じるロックミュージシャンのシン。暴行容疑での逮捕から復活したライブから映画はスタートします。

楽曲はHYDE作曲の『人類滅亡の歓び』。HYDEもコメントしてましたが、パーカーのフードを被ったスタイリングは非常に似ていますね。実際にシンのキャラクターを作り上げるときに参考にしたのはマリリン・マンソンとのことですが、フードを脱ぎ捨てたときの衣装がマンソンに酷似していますし、たまにギターの人がツイッギー・ラミレスに見えないこともない感じ。

シンの顔そのものはどっからどう見てもHYDEでもマリリン・マンソンでもなくガスタンクに見えるんですが。。

HYDEのコメント
「監督のイメージを具現化していったら恐ろしい曲になりました笑。シンとの共通項も多く、時期的にもお互いパクったわけではないのですが、シンと僕のアー写がそっくりだったので驚きました。僕はドーピングしてませんよ!」

吉岡里帆さん演じるふうか

そして吉岡里帆さん演じるふうか。

声が小さいストリートミュージシャンという設定です。

吉岡里帆さんの出演作ってあまり観たことがなくて、今回初めてに近かったんですが、声は小さいけれど、聞き取れるセリフとそうでないセリフの区別をつけなきゃいけないのは大変だろうなぁとか想いながら観ていました。驚いた表情が面白くて、三木作品にうまく溶け込んでいましたね。

流石の常連組

そして、流石の常連組。特に松尾スズキさんはよかったですねー。『図鑑に載ってない虫』のエンドーが そのまま帰ってきたかのようなキャラクター。終盤、事務所に追われるシンをかくまう場面では、その理由を問われ『誰かを一度かくまってみたかったから』という名言を残しています。

名言と言えば、バイきんぐの小峠英二さんの演じるモヒカンのパンクロッカーが『ルールや法律なんて関係ねぇ!』とシンに啖呵を切るのですが、それに対するシンの返し

「曲順、決めてんじゃねーか!」

も可笑しかった! 劇場からも笑いが漏れていましたね。

他にも強烈な女医を演じた麻生久美子さん。眼帯に銀髪のビジュアルで、麻生さんをあんな風に演出できるのは三木聡監督だけではないでしょうか?

ちなみにこの小峠英二さんの演じるモヒカンのパンクロッカーと麻生久美子さんの眼帯に銀髪のビジュアルは吉岡里帆さんのあこがれでもあったそう。

“うらやましい!シリーズ”で言うと、1位は小峠(英二/バイきんぐ)さんのモヒカンで、2位は麻生(久美子)さんの女医ですね。白髪に眼帯に白衣ってズルくないですか? 3つもあるって!

出典:http://news.livedoor.com/article/detail/15418920/
【インタビュー】難しく大変な役こそ、前向きに受け止めて挑戦したい。女優・吉岡里帆の新たな旅路 – ライブドアニュース

ちなみにインタビューでは吉岡里帆さんも面白いの着たいと監督に訴えたものの却下されたというエピソードを話されています。

やらない理由を探すな

ギャグばかりでなく、毎回なにかしらのテーマがしっかりあるのが三木聡監督作品の魅力のひとつ。

今回はやらない理由ばかり探さないで、とにかくやってみろ!というのがテーマではないかと思います。

不安や心配、周りの評価を気にするあまり声の小さいストリートミュージシャンになってしまっていたふうか。

そのちょっとネガティブな考え方は、なにかと理由をつけて『行動できない自分』を正当化する人間にしてしまっていました。

しかし、このふうかのような人、実は結構いると思うんですよね。

三木聡監督もインタビューのなかで現代はコンプライアンスだらけ~と発言されていましたが、確かに何か大胆なことをしてしまうとあっというまに『炎上』してしまうこの時代。

ふうかのような考え方が増えてしまってもおかしくないのかもしれません。

そんな、ふうかとは対称的な男、シン。

『テンションをあげろー!!』その声はふうかだけでなく、我々にも向けられたメッセージだと思います。

ネタバレありの感想・レビューは後述します。

他の三木聡作品からの小ネタ

10円玉でウソをついているかどうか見破る・・・帰ってきた時効警察の第二話で

「いいのいいのブライアン・イーノ」・・・これも時効警察で麻生久美子さん演じる、三日月しずかのセリフですね。

ストローで肝臓を作る・・・「亀は意外と早く泳ぐ」で上野樹里さん演じるが退屈しのぎに喫茶店でやっていたこと。



主題歌も素晴らしいんです!!

「体の芯からまだ燃えているんだ」


作詞・作曲
あいみょん

演奏
THIS IS JAPAN

「人類滅亡の歓び」

作曲
HYDE(L’Arc-en-Ciel/VAMPS)

作詞
いしわたり淳治

「EX MACHINA」(シンのバックバンドメンバー)
PABLO(Pay money To my Pain)
KenKen(Dragon Ash/RIZE)
SATOKO(FUZZY CONTROL)

サントラはこちら

三木聡監督のコメント

この作品の音楽を最強のメンバーでやれたことは、本作をやってよかったと思えることのひとつです。
参加して下さった、どのアーティストも最強過ぎ。ちょっとしたフェス状態で心も体も震えます。

HYDEさんといしわたりさんの曲、格好良すぎて脳下垂体からアドレナリンが噴出します。
あいみょんさんは、心をグラグラと揺らされる歌を作って下さいました。
阿部サダヲ・吉岡里帆という二人のパフォーマーがその曲に対してどう立ち向かっているのか、ご期待ください。

出典:http://onryoagero-tako.com/cast/
Cast|映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』公式サイト

以下、ネタバレレビュー・感想です!

結末まで書いてますので閲覧は気を付けてください

「音タコ」ネタバレ結末

シンは声帯ドーピングの効果が切れて行方不明に。韓国で手術しなければいずれ声を失うシン。彼の行方を事務所の人間が血眼で探します。

そんな時、シンはふうかの前に現れ、ふたりはふうかが以前住んでいた韓国・釜山の花火工場へ向かうことに。そこでシンは作りかけの歌をギターでつま弾いてふうかに聴かせます。
しかし、そこにも追っ手が迫ってきていました。シンは 花火を投げつけ、追っ手に応戦しながらふうかの運転するバイクで逃げようとしますが失敗。

ふうかは気を失います。

目を覚ましたふうかが見たのは、韓国警察に連行されようとするシンの姿でした。シンの乗る車を追いかけるふうか。
窓から頭をだしたシンはふうかに口づけします。車は速度をだんだんあげていきますが、ふうかは全力で走りながら二人は口づけをつづけます。
しかし車はさらに速度をあげて行き、ふうかの叫びもむなしく、シンとふうかは離ればなれになります。

やがて、時が過ぎ、ふうかは全国ツアーを開催できるほどの人気ミュージシャンに。
かつてシンのレコード会社の担当者だった坂口は今やふうかのマネージャーになっていました。
一方、シンは花火を投げつけたことがテロと見なされ、韓国の刑務所に服役していました。
ふうかもそのせいで韓国へは入国禁止。

シンに歌声を届けたいという願いは叶えられない状況でした。

そんななか、マネージャーの坂口は「対馬なら釜山まで届くんじゃね?」と対馬でのライブを提案します。

そしてライブの日、シンは刑務所内で蝶を見かけます。他の受刑者が『あの蝶は日本から渡ってきた』と教えます。その言葉を聞いたシンは周りの制止を無視して、刑務所の庭を駆け巡ります。看守はそんなシンに銃口を向けます。

そして、台の上にたち、かつてのロックミュージシャンだったころのようにポーズを決め、『静かにしろ』と呟きます。それはまるでふうかの音楽を探しているよう。

しかし、その時、銃声が響きます。

ふうかはステージへ向かっていました。

「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」

かつてシンから言われたその言葉を呟きながら。

そしてふうかは観客の歓声のなか、花火工場でシンと作った曲を歌い始めるのです。
エンドロールでシンは韓国の刑務所でいまだ服役中だということが明かされます。



感想・レビュー

個人的には少しもやっとした印象のラスト。もう少しハッピーエンド寄りでも良かったんじゃないかなと思います。

また、シンの母親が、まだシンが幼い頃に借金取りの男を殺害するエピソードなどは三木聡監督作にしてはかなりシリアスなシーンかと思います。

キスシーンもかなり唐突な印象ですね。

そんなに男女を意識するような描写もそこに至る過程の中ではほぼなかったですし、なによりちょっと長すぎるかなというのが正直な感想です。

前作『俺俺』がかなりシリアスな作品でもあったので、少し不安もあったのですが、個人的にはもう少し希望の多いラストがよかったかなと思います。

もちろん前述したように、三木聡監督のたまらないギャグや笑い、メッセージは健在。

もう一度観てみたくなる作品です。

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