乗っていた飛行機の墜落により、無人島で一人で生きることになったトム・ハンクス演じるチャックが主人公です。
先の見えない無人島暮らしの孤独に耐えかねたチャックは、島に流れ着いた荷物のひとつのバレーボールから『ウィルソン』という友達を作り上げます。
月日は経ち、四年後、チャックは材料を揃え、ウィルソンとともに島からの脱出を行動に移します。
しかし、いざ海に出たチャック達を待っていたのは大雨と強風でした。その中で唯一の友達ウィルソンまで波にさらわれてしまいます。
アニーが観ていたのはちょうどこのシーン。何もかも失ったアニーの状況に重ねられています。
メーガンのメッセージ
そんなアニーを救ったのは、なんとブライズメイズの一人であるメーガンでした。
それまで女っ気もなく、太って下品なメーガンをアニーは内心軽蔑していました。
しかしメーガンはアニーを励ましにきてくれたのです。
「友達はリリアンだけじゃない」
そうメーガンは言います。
「これが人生だ
人生は痛いだろ
反撃しろよ
こんなクソみたいな人生に負けんのか
自分を哀れむな
自分の不幸を周囲のせいにするな
問題の答えは自分の中にある」
清々しいまでの真っ直ぐなメッセージ。
メーガンはかつては壮絶ないじめに遭っていましたが、今は努力して国防に努めていることが明かされます。見た目ではわかりませんが、メーガンは圧倒的なエリートなのでした。
メーガンを演じたメリッサ・マッカーシーは今作での演技により、アカデミー助演女優賞にノミネートされています。
前向きになれたアニーはリリアンの式へ向かおうとしますが、玄関には助けを求めるヘレンの姿が。ヘレンはなんと昨夜からリリアンの行方がわからなくなっていると言います。
たまらず車でアニーの知り合いの警官ネイサンのもとへ向かう二人。
車中でアニーはヘレンの本当の想いを知ることになります。
夫の連れ後から嫌われていること、女友達が一人もいないこと・・・。
アニーはヘレンに同情はしないといいつつ、こう伝えます。
「あなたの泣き顔ってホントにブスね」
その顔はヘレンが今まで誰にも見せなかった真実の姿でもありました。
お互いの真実を知って二人は和解。ネイサンに協力を求めますが・・・。
ここから物語は焦らしまくります。
「こうなるだろうな」という予想を微妙に裏切り続けていくんですね。
王道はしっかり踏襲しつつも予想は裏切る
脚本を手掛けたのはアニーを演じているクリステン・ウィグ。
彼女自身がコメディエンヌでもあるためか、ハッピーエンドや強いメッセージ性などの王道はしっかり踏襲しつつも、「こうなるだろうな」という細かい予想をことごとく裏切っていくことで新鮮な作品にも仕上がっていると感じます。
アメリカでは興行収入1億ドルを突破するヒットになったこの映画、正直、期待していたよりいい出来の映画でした。
ちなみにアニーを演じているクリステン・ウィグとリリアンを演じた マーヤ・ルドルフはともに『サタデー・ナイト・ライブ』時代の盟友。
二人の友情は映画だけの話ではなかったのです。