『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』は2012年に公開されたコメディ映画。
監督はポール・フェイグ、主演はクリステン・ウィグが務めています。クリステン・ウィグは脚本も担当しており、アカデミー賞脚本賞にノミネートされています
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「ブライズメイズ」のスタッフ・キャスト
監督
ポール・フェイグ
脚本
クリステン・ウィグ
アニー・マモロー
製作
ジャド・アパトー
バリー・メンデル
クレイトン・タウンゼント
製作総指揮
ポール・フェイグ
出演者
クリステン・ウィグ
マーヤ・ルドルフ
ローズ・バーン
メリッサ・マッカーシー
ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ
エミリー・ケンパー
クリス・オダウド
ジル・クレイバーグ
「ブライズメイズ」のあらすじ
ケーキ屋の経営に失敗した上に恋人に捨てられ、人生どん底のアニー(クリステン・ウィグ)。幼なじみの親友リリアン(マーヤ・ルドルフ)を心のよりどころにしていたが、彼女から婚約したと告げられ、花嫁介添人をまとめるメイド・オブ・オナーを頼まれる。喜びと寂しさを抱えながらまとめ役を務めるアニーだが、介添人の一人であるヘレン(ローズ・バーン)と事あるごとに衝突、さらには一行をブラジル料理で食中毒にさせてしまったり、パーティーへと向かう飛行機で泥酔して搭乗を拒否されたりと、トラブルばかりを引き起こしてしまう。
出典:https://www.cinematoday.jp/movie/T0011999
ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン (2011) – シネマトゥデイ
感想・レビュー
結婚式に至るまでのドタバタを描いたコメディ映画はアメリカではコメディのひとつの定番のようです。
今作『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』では結婚する当事者のカップルではなく、二人の結婚をサポートする側の人々に焦点が当てられます。
ブライズメイズとメイズ・オブ・オナー
タイトルの「ブライズメイズ」とは花嫁の付添人のこと。ブライズメイズの中のリーダー的な存在をメイズ・オブ・オナー(Maid of Honour)と言います。
一般的にはメイズ・オブ・オナーは花嫁と一番親しい人物が選ばれるそうで、とても名誉なこと。メイズ・オブ・オナーとは何かをある程度理解してから作品を観た方がより楽しめるかと思います。
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、日本でもブライズメイズを取り入れる人は増えてきているみたいですね。ブライズメイズは日本でいうウエディングプランナーの役割もかねていることが多く、本作もその設定になっています。
元ケーキショップの経営者で宝石店に勤めるアニーは親友のリリアンのメイズに選ばれますが、そこに新郎の上司の妻のヘレンも加わったことから、アニーはヘレンに嫉妬心を燃やし、様々なトラブルを巻き起こしてしまいます。
意気込んでブライズメイズのみんなを連れていったブラジル料理店での肉料理にあたり、ドレスの試着の最中にみんな吐き出す事態に。新婦のリリアンはウェディングドレスのまま、道路の真ん中で漏らしてしまうことに。。。
アニーはバチェロレッテをリリアンの実家で行おうと考えるも、ヘレンの根回しによってバチェロレッテはみんなでラスベガスへ行くことになるなど、アニーのメイド・オブ・オナーとしての立場は丸潰れ。
飛行機の苦手なアニーはベガスへ向かう飛行機の中で酔いつぶれ、騒ぎを起こし、アニーとブライズメイズはベガスに着くことなく、途中でシカゴへ送還されてしまいます。
リリアンはこの事態に対し、アニーをメイド・オブ・オナーから外し、代わりにヘレンをメイド・オブ・オナーにするとアニーに伝えます。
バチェロレッテ
ちなみにバチェロレッテとは独身最後のパーティーを指します。
本作でアニーの同居人のジルの妹のフリンを演じたレベル・ウィルソンはこのバチェロレッテ をテーマにした映画『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』に主演していますね。
同作では決して見た目が良くない太めの女性ベッキーが自分たちより先に結婚することにショックを受けた高校時代の女友達らが独身最後のパーティーの中、悪ノリが過ぎてあろうことか花嫁のベッキーのドレスを破いてしまいます。
結婚式は翌日。さてどうするのかというドタバタを描いたコメディ映画。
いわゆるガールズ・ムービーと呼ばれるジャンルの映画ですが、単にメインキャストを女性で占めた女性向けの映画というだけでなく、女性ならではの嫉妬心や友情を描いているからでしょう。
永遠の友情なんてないの!
しかし、時にそうした映画は陰湿にも見えてしまうもの。特に僕自身男性だからというのこともあるのか、共感よりも「そこまでやるのか?!」という彼女達の行動に驚かされてしまいます。
その点で言うと『ブライズメイズ』は陰湿さはなく、またアニーが騒動を起こす場面でも痛々しさはあまり感じさせません。そのさじ加減の上手さはアニーを演じるクリステン・ウィグ自身がコメディエンヌであるからこそでしょう。一方でアニーの感情が爆発する場面はそこまでやるか?!と思わせるほどのキレっぷり。
メイド・オブ・オナーの座もヘレンに奪われ、意気消沈するアニーは勤め先でも接客の途中で女の子の客と喧嘩してしまいます。
「永遠の友情なんてないの!」
アニー、接客業に全く向いてない。
それをマネージャーに咎められ、アニーは解雇。家もなくなり、アニーは実家に身を寄せることに。
そんな彼女のもとにヘレンからの知らせが届きます。それはアニーの発案だったはずのパリ風のパーティー。
本来であれば自分がプランニングするはずだったのに!
アニーは憤りを覚えつつも、リリアンのためにしぶしぶパーティへ向かいます。
ここではアニーだけが赤いドレスを着ていることがポイント。
赤いドレスの女
赤いドレスの女はしばしば「主人公を破滅に導く女性」の象徴として描かれます。
その由来は禁酒法の時代に「公共の敵と言われたジョン・デリンジャーの最期からきています。デリンジャーを警察に密告し、彼を裏切った恋人。
彼女はデリンジャーが警官に射殺される日、目印として赤いドレスを着用していました。
デリンジャーを描いた映画『パブリック・エネミーズ』ではマリオン・コティヤールが赤いドレスを着た女を演じています。
さて、『ブライズメイズ』でも赤いドレスを着たアニーはパーティーをメチャクチャに破壊します。
そのきっかけはまたしてもヘレン。
ブライズメイズが各々用意したリリアンへのプレゼントなのですが、ヘレンが用意したのはなんと本物のパリへの旅行券。
ついさっきまで自分のプレゼントでリリアンは一番喜んでくれていたのに、またしてもヘレンに主役を奪われた!
アニーはパーティー会場をメチャクチャに破壊し、リリアンとも喧嘩別れに。
彼女の心情を表すように、家のテレビには『キャスト・アウェイ』が流れています。
『キャスト・アウェイ』
『キャスト・アウェイ』は2001年に公開されたロバート・ゼメキス監督のドラマ映画。