【レビュー】「ゴースト・イン・ザ・シェル」世界に影響を与えた攻殻機動隊実写化!

「ゴースト・イン・ザ・シェル」は2017年のスカーレット・ヨハンソン主演作。
原作の『攻殻機動隊』は、アメリカのビルボード誌のビデオ週間売上げ1位となったり、映画「マトリックス」にも影響を与えるなど、SFとして世界的に重要な作品です。
2017年、実写でよみがえった「ゴースト・イン・ザ・シェル」はどんな景色を見せてくれるのでしょうか?

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「ゴースト・イン・ザ・シェル」のスタッフ・キャスト

監督
ルパート・サンダース

脚本

ジェイミー・モス
ウィリアム・ウィーラー
アーレン・クルーガー

原案

士郎正宗
『攻殻機動隊』

製作総指揮
石川光久
藤村哲哉
野間省伸
ジェフリー・シルヴァー

出演者

スカーレット・ヨハンソン
ピルー・アスベック
ビートたけし
ジュリエット・ビノシュ
マイケル・カルメン・ピット
チン・ハン
ダヌーシャ・サマル
ラザルス・ラトゥーエル泉原豊
タワンダ・マニーモ

「ゴースト・イン・ザ・シェル」のあらすじ

2069年、脳以外を機械に置き換える技術(義体化)が発展。多くの人が義体化をするようになる。こうして人類は相手の脳に直接アクセスしてハッキングすることが可能になった(電脳テロ)。

ミラ・キリアンは凄惨な事故で脳以外を擬態化させ、公安9課の少佐として働いていた。

今夜もキリアン少佐は電脳テロを防止するため、某国の大統領と、義体化技術を生み出したハンカ・社のオズモンド博士の会食の様子を任務として監視している。
そんな中、オズモンド博士が芸者ロボットに襲われ、ハッキングされ殺される事件が発生。

キリアン少佐は独断で現場に乗り込み、芸者ロボット達を破壊するが、最後の芸者ロボットは破壊される前に「ハンカと組めば破滅する」と言い残す。

荒巻課長が率いる公安9課の調査により、芸者のロボットの黒幕はクゼという男だと突き止める。

感想・レビュー

『ゴースト・イン・ザ・シェル』

オリジナルは士郎正宗のコミックですが、直接の原作となったのは押井守監督の『攻殻機動隊』ですね。

押井守監督の『攻殻機動隊』はその卓越した未来描写と設定の斬新さ、アニメの枠に留まらない哲学性を内包した内容で世界に衝撃を与えました。

今作の『ゴースト・イン・ザ・シェル』、もともとの世界観の再現度は凄いです。

ブレードランナーがその鏑矢かと思いますがオリエンタルな未来世界、アジアと西洋が混ざりあったような無国籍な町並み、それらがこの『ゴースト・イン・ザ・シェル』でも見事に表現されています。

ただ、それらの風景は2017年版のブレードランナーと言うべきか、いまいち斬新さには欠ける印象があります。

もちろん再現度は凄すぎるレベルですが。。

マトリックスとの違い

さて、SF映画の金字塔、『マトリックス』は『攻殻機動隊』に大いに影響を受けていることでも有名です。

マトリックスが公開されたのが1999年。

やはり『攻殻機動隊』なら斬新だったことでも、『ゴースト・イン・ザ・シェル』なら既知感のあるものになってしまう。。。もちろんそれぞれの作品の時代が違うことが一番大きいんですが。

マトリックスは『生きること、人間であることの証明』として『選択』を提示しました。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』では『何をするか』に答えを求めています。

『マトリックス』よりは答えも簡略になった印象ですね。

ただ、今作に関しては所見で設定を理解するのは少し難しいかな?

後半になると『トータルリコール』のようにテロリストだと思って追跡してたものが実は仲間で・・・みたいな感じ。

日本人キャストの頑張り

ビートたけし

「世界のキタノ」ことビートたけしが9課の課長、荒巻大輔を演じています。

たけしを敬愛するスカーレット・ヨハンソンは撮影中たけし用のカンペをもっていてあげたそうです。

しかし、たけしが銃撃っちゃうとどんな映画でもアウトレイジになっちゃうな。。

桃井かおり

草薙素子の母親役桃井かおり。ロサンゼルス在住でハリウッド作品にも出てるだけあって、英語の不自然さはあまり気になりませんでした。

やはり独特の存在感がありますね。

まとめ

作品全体を通して、押井守監督版の『攻殻機動隊』と比べるとエンターテインメント寄りですし、後半になるほどストーリーも明快になってきます。

テーマとしての深度は下がったものの『攻殻機動隊』への真摯なリスペクトが感じられる作品でした。

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