傑作から隠れた名作まで邦画のおすすめ映画特集

シン・ゴジラ

2014年のハリウッドで制作されたギャレス・エドワーズ版のゴジラも、テーマがきちんとあって、エンタテインメントとしても史上最高のゴジラでした。
正直m当時はこれを超えるゴジラ映画はほとんど不可能だと思っていたのですが、シン・ゴジラはやってくれましたね!

現実を踏まえた対策決定の流れ、日本のみならず国際社会の駆け引きに発展していったり、きちんとリアルに描かれていたのがまず凄く良かった。(逆に子どもは絶対についていけないでしょ。。)

きちんと核兵器の問題も盛り込まれていたし。

やはり核の問題はゴジラとも、そして日本とも切り離せない。そして本当の緊急時には非核三原則なんてあっという間に意味がなくなるということも示唆していましたね。
そういう理想だけに寄らないところも満足でした。

クオリティや描写の面では確かに2014年のゴジラに及ぶのは難しい面もあるでしょう。

しかし、現実的な描写を突き詰め、ゴジラを怪獣王としてではなく、人類の脅威、まるで人の手で支配できない完全生物≒神のように描写したことで、ハリウッドとのクオリティの差をカバーして余りあるほど、骨太で斬新な「大人向けの」ゴジラの創造に成功したと言えるでしょう。

ゴジラそのものの出番は少なかったし、グロかったけど、すごく満足した作品です

ゴジラ(1954)

戦後まもなくの頃、アメリカでレニー・ハウゼン監督の『原子怪獣あらわる』が公開されます。ゴジラは直接的にはこの作品に刺激されて産み出された映画です。

また、当時、ビキニ海上で行われたアメリカの核実験の巻き添えで日本の漁船の乗組員が被曝したことも大きな問題となっていました。

戦後10年足らずで再び原爆の恐怖が日本に襲いかかってきたわけです。

そこで企画されたのがゴジラ。

核のエネルギーを吸収し巨大化、さらに口から放射能を撒き散らす。

まさに『核の申し子』といっても過言ではありません。

今再び現実のものとなった核の恐怖を象徴する存在こそがゴジラだったのです。

1954年の初代ゴジラの劇中の設定として、ゴジラはもともとジュラ紀に生息していた水棲爬虫類が陸生へ進化する途中の生物とされています。

それが人間が作った核の影響を受け怪物化してしまい、人間の脅威となる。

まさに寓話であり、人の愚かしさを端的に表現したのが1954年のゴジラという映画なのです。

実際にゴジラを鑑賞した原作者の香山滋氏はオキシジェン・デストロイヤー(映画に登場する架空の化学兵器)でゴジラが死ぬシーンでゴジラが可哀想だと涙を流したそう。

これはゴジラを倒すべき存在としてではなく、ある意味で人間に振り回される哀しい生物として見ることができたからでしょう。

また同様の手紙は公開当時多く届けられたといいます。

世界に影響を与えた特撮映画の金字塔にして、エンターテインメントと社会的なメッセージを高いレベルで両立させた、稀有な名作です。



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