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【ネタバレレビュー】ボーダーライン

「ボーダーライン」は2015年の映画です。

監督はメッセージ」や「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ。

主演はエミリー・ブラント。ほかにもベニチオ・デル・トロやジョシュ・ブローリンなど実力ある俳優陣の出演によって重厚で緊張感のある映画になっています。

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「ボーダーライン」のスタッフ・キャスト

監督
ドゥニ・ヴィルヌーヴ

脚本
テイラー・シェリダン

製作
ベイジル・イヴァニク
エドワード・L・マクドネル
モリー・スミス
サッド・ラッキンビル
トレント・ラッキンビル

製作総指揮
ジョン・H・スターク
エリカ・リー
エレン・H・シュワルツ

出演者
エミリー・ブラント
ベニチオ・デル・トロ
ジョシュ・ブローリン
ダニエル・カルーヤ
ジョン・バーンサル
ジェフリー・ドノヴァン
ヴィクター・ガーバー

「ボーダーライン」のあらすじ

巨大化するメキシコの麻薬カルテルを殲滅するため、米国防総省の特別部隊にリクルートされたエリートFBI捜査官ケイトは、謎のコロンビア人とともにアメリカとメキシコの国境付近を拠点とする麻薬組織撲滅の極秘作戦に参加する。しかし、仲間の動きさえも把握できない常軌を逸した作戦内容や、人の命が簡単に失われていく現場に直面し、ケイトの中で善と悪の境界が揺らいでいく。

出典:https://eiga.com/movie/83119/
ボーダーライン(2015) : 作品情報 – 映画.com

感想・レビュー

人間とは何か

監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは「ブレードランナー2049」でもレプリカントと人間の違いを通して人間とは何かを深く掘り下げました。

今作「ボーダーライン」においても麻薬カルテルが蔓延する無法地帯を舞台に人間性を問う内容となっています。

麻薬組織撲滅の極秘作戦に参加したFBI捜査官のケイトは作戦の凄惨かつ法をも逸脱した行為に徐々に疑いと不安を募らせます。

ケイトとは対称的に、作戦に参加する素性不詳の男、アレハンドロは目的のためなら手段を問わずに法を無視して敵対組織の人間を殺害していきます。

俳優陣の演技

俳優たちの上手さもこの作品の緊張感をもたらす大きなポイントとなりました。

アレサンドロを演じたのはベニチオ・デル・トロ。重たい過去を背負い、狂気ともいえる彼なりの正義を貫く、複雑な役柄ですが、見事に深みのある演技を見せてくれています。

また、ケイトを演じたエミリー・ブラントも理想と現実のはざまで揺れる繊細な演技を見せています。

ドゥニ・ヴィルヌーヴは次作の「メッセージ」でもエミリー・ブラントを主演に抜擢しています。

映画における暴力

さて、映画における暴力表現については、エンターテインメントとしての表現と、嫌悪されるべきものとしての表現があると思いますが、今作は明らかに後者。

暴力が蔓延している国境の町、シウダー・フアレス市を舞台にしたのもそのリアリティを際立たせています。

もっとも、シウダー・フアレス市のエンリケ・エスコバル市長は本作の暴力描写の正確さは認めつつも、すでにそうした治安の悪さは過去のものだと述べてはいます。



リアリティへの誠実さ

また監督のリアリティへの誠実さは登場人物の行動にも見られます。

主人公であるケイトはモラルを重んじ、徐々に悩んでいく役柄。物語のメインストーリーである、麻薬王の撲滅という成果にはほとんど関与していません。

作戦の裏で暗躍し、麻薬王を殺害するのは狂気の男、アレハンドロ。

対照的な作品としてローランド・エメリッヒ監督の『GODZILLA』を例に出すと、主人公のニック・タトポロスはミミズ男とも揶揄されるような冴えない研究家ではあるものの、ゴジラの謎を追ううちに、主人公らしい活躍を見せ、物語を先導して行くのですが、いわゆる『主人公補正』というものがこの『ボーダーライン』には存在しないのです。

麻薬王を殺害するのは、復習のために法も無視するアレハンドロの役割です。

そこにドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のリアリティへの誠実さを感じます。

ラストシーンで法を蹂躙してきたアレハンドロに銃口を向けるケイト。

アレハンドロはそんなケイトに目を向けながらも何もなかったかのようにまた歩き始めます。

ケイトは自分の法意識、モラルを破れないことをアレハンドロは見抜いていたのです。

そしてこれこそが二人が互いに超えられない壁でもありました。

終始、張り詰めた緊張感が覆う「ボーダーライン」。

極限の環境の中で、人間はどうあるべきかを問いかける作品です。



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