★【感想 レビュー】「ジョン・ウィック:パラベラム」マンネリ化の始まり?期待外れだった作品

『ジョン・ウィック:パラベラム』は2019年に公開された『ジョン・ウィック』シリーズの第3弾です。
監督はチャド・スタエルスキ、主演はキアヌ・リーヴスが務めています。

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「ジョン・ウィック:パラベラム」のスタッフ・キャスト

監督
チャド・スタエルスキ

脚本
デレク・コルスタット
シェイ・ハッテン
クリス・コリンズ
マーク・エイブラムス

原案
デレク・コルスタッド

原作 キャラクター創造
デレク・コルスタッド

製作
ベイジル・イヴァニク
エリカ・リー

製作総指揮
チャド・スタエルスキ
デヴィッド・リーチ
ジョビー・ハロルド

出演者
キアヌ・リーヴス
ハル・ベリー
ローレンス・フィッシュバーン
マーク・ダカスコス
エイジア・ケイト・ディロン
ランス・レディック
アンジェリカ・ヒューストン
イアン・マクシェーン

「ジョン・ウィック:パラベラム」のあらすじ

感想・レビュー

キアヌ・リーブスのヒットシリーズ、「ジョン・ウィック」。

今回の三作目は掟を破り、聖域であるコンチネンタル・ホテルで殺人を犯したジョン・ウィックが「追放者」として組織を除名され、世界中の殺し屋から狙われるようになるというもの。

『ジョン・ウィック:パラベラム』は暴力をエンターテインメントとして見せる極致のような映画です。
それゆえに多少のバカバカしい設定であっても、ゲーム感覚のように割りきって観ていられる作品ではあるのですが、正直『』には厳しい評価をせざるを得ません。

確かにスタント出身のらしく、アクションシーンは斬新で面白い部分もあります。

特に序盤の銃火器点でのナイフの投げ合いや、馬とバイクでのバトルシーンなど、目新しい演出もあるのですが、肝心のシリーズがもうマンネリ化しだしてきているんですね。

街中がジョン・ウィックの命を狙うという絶体絶命の状況の中、ジョンはかつて血の誓約を交わしたソフィアの元を訪ね、彼女を介してジョンの属する組織、首席連合のさらに上の人物に追放処分を解いてくれるように頼みに行くのですが、細かい部分で見るとストーリーが杜撰なのが目につきます。

まず、血の誓約。前作の『チャプター2』ではジョン・ウィック自らがその掟に反して血の誓約を反故にします。
なのになぜジョン・ウィックがソフィアに対して血の誓約を持ち出すのか。

そもそもジョン・ウィックは『チャプター2』で2つの掟を破っています。
一つは血の誓約。そしてもう一つは聖域であり、一切の殺人が認められていないコンチネンタル・ホテルで殺人を行ったこと。

ジョン・ウィックは砂漠の果てで首席連合のその上の人物と面会します。
でも、年齢的にジョン・ウィックとそう変わらないんですよね。アラブ人の風貌をした男ですが、もっと年齢層が高い方が説得力が増しただろうに。。

さて、ジョン・ウィックが追放者の処分を特には、首席連合に再び属し、生涯組織に仕えること。その誓約としてジョン・ウィックは自らの薬指を切り落とします。
・・・『アウトレイジ』か?

そんなジョン・ウィックに課せられた仕事は旧知の仲であるコンチネンタル・ホテルの支配人を殺害すること。彼にも追放が決まったジョン・ウィックの逃亡に一時間の猶予を与えた制裁が与えられることになったのでした。

ネタバレになりますが、コンチネンタル・ホテルの支配人に裏切られ、銃撃されたジョン・ウィックはホテルの屋上から転落。死亡したかに思われていたのですが、密かに瀕死の状態で回収され、同じく制裁を受けながらも生き延びていたと再会を果たすのでした。

正直、まだ続けるの?という感想です。シリーズを続ければ続けるほど、やはり設定の粗や人物像の矛盾が出てきます。
『ジョン・ウィックは本当に平凡な生活を望んでいるのか?』
そもそもそう思わずにはいられないんですね。

首席連合への復讐を示唆するエンディングで映画は幕を閉じるのですが、一度物語としてはキレイに終わってくれた方がいいのではないでしょうか。

既にこのシリーズにおいて続編を示唆するエンディングはマンネリになりつつあるのです。

監督のチャド・スタエルスキがもともとスタント出身なのもあるのか、アクションシーンにおいては稀有な演出力や独創性をみせるものの、ことドラマにおいては描き込みが足りないと思います。
ゆえにキャラクターはすぐに怒りや復讐の方へ想いをとられてしまう。

もちろん80年代の映画によくあったような荒唐無稽なアクション映画シリーズへのオマージュもいくらかはあるのでしょうが。。

ちょっと期待外れに終わってしまったかなぁと思う一本でした。

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